BIM建築設計
プランニングピープル

外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成-2(続編)

仕上げの文字について

2016/6/26 「外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成」を掲載したが、このブログで一番アクセスが多かったのが「外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成」である。以降、このラベルは、Revitの機能で改善がみられないため、ぜんぜん進歩がみられない。どこかのブログで、3Dの脳・・というのがあったが、まさに同感である。まず手始めに、設計図書を作成するためには、同上の表を作成する必要があるため、必然に2Dで出来るものとなるのであろう。しかし、他にクリアすることはいくつもある。当然、同上の表関連は必修ではあるものの、3Dモデルに情報が含まれて初めて、BIMであると思う。もう少し、3Dの脳を持ったほうが、Revitは楽になるのだが。

Autodesk Community のアイデアで、今年、投稿させてもらったが、部屋を配置した際に、床、壁、天井の仕上げ(マテリアルで)が集計できないかというものである。
外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成も掲載で述べていたが、今のところ「仕上げ」は、文字で、ユーザーが書かなければならず、モデルとはまったく関連していない。インフォメーションモデリングと言えるの?と思ってしまう。

Revitには、「計算ポイント」というのがあるが、家具や建具を配置した際に、「部屋の計算ポイント」で、どの部屋に配置されたか値を返してくれる。これに似たような機能で、床、壁、天井のそれぞれのカテゴリには、マテリアルが設定されているので、その部屋の全ての仕上げの値、数量を返してくれないかと思う。
いつになるか、はたまた改善されるか不明だが、アドオンプログラムでなく、Revitで実現してもらいたい。ぜひとも、ユーザーの皆さんでプッシュして頂ければと思う。


表内の文字のコントロール

ver2017以降の文字の機能アップにより、これまで作ってきたファミリの文字の調整を迫られることになってしまった。そのままでは、文字が大きく表示されてしまう。
ver2017or2018にアップするには、これまで作成したファミリの全ての文字サイズを小さく修正しなければならない。(5年間の数千~いや万以上かもしれないファミリ・・・あ~ぁ!内容はたいしたこと無いが大変だぁ! 仕方ないこの際ファミリの内容をもう一度見直そう!)

建具ファミリを修正するとき、ふっ!と思いついたのが、表中に書かれた文字が、表を大きくしたり、小さくしたりする際に、ある位置関係で、追従してくれないかと言う機能である。

設計図書の作成では、凡例や概要書、建具表など頻繁に使われる。大きさが変わるたびに、文字の位置を調整・修正するのは大変である。そこで今回は、建具表ファミリ(枠)を例に挙げて解説する。
建具ファミリは、REXJ の建具表の機能で使用する建具表の枠とパラメータ値を表示させるために使用するファミリであり、私も実用で頻繁に利用している。

話が脱線するが、

今回、バージョンアップの際に、バグが見つかったので、Autodesk社に報告したところ、やはりバグだと判りプログラムを修正するそうです。
すでに、ver2017or2018を使っているはずだが、REXJの建具機能は意外と皆さん使っていないようである。(Revitで実施設計までは、やってないということか?もしくは、2D製図ビューで・・・?)

下記バグ内容は、ver2016で作成したドアファミリが正常に表示されていたものが、ver2017or2018で起こった現象である。

1、断面図ビューの向きが裏表逆になる。
2、 建具枠にハッチングが表示される(前方クリッピング位置が建具枠の中心に近くなり断面が表示されたり、ドアハンドルが表示されない現象)
3、建具表の建具姿図作成での中心からのズレ(片引きドアなどの、参照面の中心(左右)より両端がEQで無い場合に姿図がずれる現象)

1、2、は報告後、早々に現在修正が完了し、修正により他ファミリや窓に影響が出ていないか、Revitデフォルトのファミリや窓で確認を行っているとのこと。
3、修正内容は、現在修正中で、対応でき次第リリース処理予定となっているとのこと。
以上、すばやい対応に感謝します。
って言うか、弊社は修正されるまで、ver2017or2018には移行できないな!


建具表ファミリのカスタマイズ

1、どのようにしたいか?

①、図面枠に建具ファミリが分割数で配置できること
②、その際、表中の文字位置は、大きさの変更に伴い追従すること

2、図面枠

A2図面枠の場合、ヨコ=594、タテ=420、印刷範囲(印刷機のマージンによる)を上下左右10mmずつ取り、タイトル欄のタテ=15mm(各自自由な寸法による)とした場合は、有効寸法は、ヨコ=574、タテ=385となり下記のようになる。



3、分割

図面枠の中に、建具表ファミリ(枠)を入れる場合に、有効寸法から、クリアランスをタテヨコ左右それぞれ5mmずつ取るとして、残りの寸法は、ヨコ=564、タテ=375となる。
建具表ファミリをこの中に割り付ける場合、ヨコ(6、5、4、3、2)分割、分割しないとした場合(564)、タテ(3、2)分割と分割しない場合(375)程度を想定すれば足りる。

①、分割するヨコ寸法:564/6=94、564/5=112.8、564/4=141、564/3=188、564/2=282
②、分割するタテ寸法:375/3=125、375/2=187.5、尚、タイトル欄上に余白を設けたい場合は、分割数によるタテ寸法数値以下であれば、自由設定し、余白を設けることが出来る。

4、建具表ファミリ

①、建具表ファミリのグループ分け

・元となる建具ファミリをロードし、名前を変えて保存しカスタマイズする。
・各自表現したいフォーマットにより、適宜、枠の線分と文字、ラベル(パラメータ)を配置し、建具表ファミリを作成する。
・次に、「グループ作成」で、一つの固まりとしてグループ分けをする。(下図は4つのグループに分けた)


・固定したい部分の文字、ラベルと線分を選択しグループに加える。


・グループの編集を終了し、グループに加えた線分に寸法を作成し、寸法を拘束する。
これで、加えた線分は固定され、ヨコの寸法が変わっても左側は固定された状態となる。
ちなみに、タテの欄は、全て固定とする。


・次にグループ2、3も同様に設定する。





・タテヨコの寸法に、ラベル、W、Hをタイプパラメータで設定する。
・新しいタイプをそれぞれ作成し、パラメータ値のW、Hの値を、3、分割で決めた値(赤の数値)を入力し、タイプを完成させる。


・最後に、タイプを任意に選択して、大きさが変わるかテストをおこない完了する。


後は、プロジェクトにロードし、REXJの建具表機能で作成したファミリタイプを選択て作成すれば良い。
また、REXJの建具表機能で、一枚の建具表に表の大きさの違うものを混在させたい場合は、プロジェクトで一つの建具を選択して作成すれば良い。但し、分割数と割付は、上記の設定を考慮しいくつ入るか考えておかなければならない。工夫次第でどうにでもなることです。

ファミリ文字 2017.10.19
ファミリと集計表について

ファミリと集計表の意外と気付いていない関係について解説する。
言うまでも無く、ファミリには3つの、システムファミリ、ロード可能なファミリ、インプレイスファミリがある。詳しくは、下記の Autodesk のヘルプ(ver.2016)を参照して頂きたい。

さまざまな種類のファミリについて

システムファミリやロード可能なファミリと
インプレイスファミリの集計表の相違点

インスタンスファミリとは、プロジェクトのみで作成されるファミリのことだが、集計表で集計する場合にパラメータ値が返されないものがある。
下記の通り、3つのカテゴリを比較してみた。

1、壁

下記は、システムファミリである壁の横にインプレイスファミリで壁を作成した。


上記の集計表は下記のとおりである。
下段より2つ目が、インプレイスファミリで、各空欄部分はパラメータ値が返されないのが判る。
各空欄のパラメータ値と相違があり、集計表では使えない。

余談だが、壁の集計表にはパラメータのレベルがなく、「下部の拘束」と「上部の拘束」のパラメータで、集計するようになる。



2、構造梁

下記は、ロード可能なファミリの構造梁の上に、インプレイスファミリで増し打ちを作成した。


上記の集計表は下記のとおりである。
上段がインプレイスファミリで、各空欄部分はパラメータ値が返されないのが判る。
また、ロード可能なファミリはレベル値が返ってきて、レベルごとに集計できるがインプレイスファミリではレベル値が返されない。
このように、構造梁のようなファミリを安易にインプレイスファミリで作成するとこのような結果となり実用的でない。
階別に集計できず非常に煩雑であり、インプレイスファミリを使用するのは適当でない。
やはり、梁のファミリで打ち増しをカスタマイズするしかない。



3、家具

下記は、ロード可能な家具ファミリと、インプレイスファミリで作成した家具である。


上記の集計表は下記のとおりである。
上段がインプレイスファミリである。
ロード可能なファミリはレベル値が返され、レベルごとに集計できるが、インプレイスファミリではレベル値が返されない。



※このような場合、インプレイスファミリは集計表で支障がある。
プロジェクトのみ使用するファミリとして、計画的に区別して利用すべきで、
ファミリの管理もしずらいので、極力、ロード可能なファミリとしたほうが得策である。

ファミリ集計表 2017.10.13
RC造の打ち増しのモデリング-2

では、梁の打ち増し付ファミリのカスタマイズについて解説します。
もうお解かりだと思います。前回のRC造の柱で解説したように、方法は柱とほとんど同じです。

Ⅰ、梁のカスタマイズ

1、ファミリの種類
梁は、ファミリの種類は限られます。
①、RC梁・・・既定値の梁
②、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付
③、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-斜め面下1面
④、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-斜め面下2面
⑤、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下1面
⑥、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下2面

ファミリ名は、簡素で短いネーミングがいいと思います。プロジェクトブラウザやプロパティで選択する際に、文字切れの無い様ないよう短くします。(前回のネーミングはわかりにくいということで、変更しました。少し長すぎたかな!自社専用であれば、簡略すんですけど・・・)

2、ファミリの作成

まず、既定値の①のファミリを見てみます。
構造マテリアルが、関連付けられ設定されていますので、このままでOKです。
既定の梁のファミリ名も新たにつけます。また、共有パラメータの設定も合せておこないます。(⑥と同じように設定します。下図は既定値)


このファミリを、①~⑥までのファミリ名で、それぞれ「名前を付けて保存」します。
次に、構造マテリアルを下図のように設定してみます。(表現はそれぞれなので適宜設定する)


⑥、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下2面のファミリ設定を見てみましょう。要領は柱ファミリと同じです。
下図のように、それぞれのパラメータを設定し、躯体部分よりフカス外側で押出します。
フカス寸法より面取りする寸法を小さめにしてスケッチすると、参照面に確実に拘束することができます。押出しが終わりパラメータを同じ値にしても、崩れることはありません。
※パラメータは、後に、注釈タグで表示するファミリを作成することも考慮して、共有パラメータとすることをお勧めします。(前回から、共有パラメータに修正しました。)


次に、躯体部分をモデル線分の破線でスケッチし、下図のように設定します。


前回の解説と同じですが、梁はレベルでモデルします。
また、プロジェクトテンプレートで始める場合は、梁の「プロパティ」「ジオメトリ」「Z位置あわせ」=「上」が事前設定となっているため、既定値とおりのファミリ設定とします。
入力時に、「Z位置あわせ」=「上」を、配置する際に「上」であるか確認が必要です。

柱と梁ファミリをモデリングする際には、結合するカテゴリ(壁、床)との設定が必要です。
[壁の共有エッジの設定]で解説しましたが、壁や床と結合する場合を考慮し、柱、梁の構造マテリアルは、同じに設定します。プロジェクトでモデルすると、同じマテリアルは、結合され表示されます。
この設定では、柱、梁、壁のフカシ部分の表示は、「破線」で設定しています。
既定の設定のままであれば、「壁」のフカシ部分の表示は、実線で表示され、「ラインワーク」機能で編集することになりますので、ひじょうに面倒です。モデリング手間を少なくするには、このような設定が有効です。

壁の共有エッジの設定




RC造の打ち増しのモデルリング-1の参考ビデオと合せて見てください。

また、[線種・線の太さ・線種パターン]をそろえて同じ切断面の表示にする必要があります。
[線種・線の太さ・線種パターン]については、後日、解説することにします。

RC造の増し打ちのモデリング-1

RC造の増し打ちのモデリングの方法について触れたいと思います。
最近、Revitのコミュニティーで質問がありました。過去にこのようなモデルをおこなう為、ファミリを作成しておりましたので、ご紹介します。

柱・梁は、プロジェクトでは、目地等のボイドで切り取ることはできません。
RC造のコンクリートの増し打ちがある場合など、どうすればいいでしょうか?
柱・梁のファミリをカスタマイズするしかありません。

柱・梁のファミリを作成するには、関わりのある、結合する「壁」、「床」との結合をコントロールするため、「線種」「線種パターン」「線の太さ」の設定をおこなう必要があります。また、マテリアルの設定も必要になります。これについては、別にご紹介していきます。

Ⅰ、柱のカスタマイズ

1、既定の「RC柱-角」について

Revitの建築テンプレートからスタートした場合、「ファミリ/構造柱/RC柱-角」があります。とりあえず、これを配置してみましょう。(下図)


初めにステータスを設定します。
配置するビューは、「1FL」、ステータスの「見上げ」を選択し、1FLの平面ビューで配置してみます。
断面を入れて、断面ビューを見てみると、柱の下端が設計GLになっています。・・・おかしいですね。
その柱を選択して、「ファミリの編集」で、そのファミリを見てみますと、参照面の「下」と「下参照レベル」が拘束されていません。ファミリのソリッド(押出した柱)の下端は、参照面の「下」には拘束されているが、「参照面」と「下参照レベル」が拘束されていません。(下図)


原因は配置されたときレベルに下が付いてきていないためです。
このファミリで、参照面の「下」と「下参照レベル」を拘束します。プロジェクトにロードして配置してみます。(下図)


:修正前に配置した柱は、「プロパティ/基準レベル=設計GL」となっています。2、3、4、は修正後に、「プロパティ/基準レベル」を=「1FL」、、「1FL」、、「設計GL」に変更した結果です。このように、上下共、レベルに配置できるようになりました。(上は拘束されていた)
Autodesk社の修正を待たずして、簡単にできますから、とりあえず各自修正しておきましょう。

2、ファミリの種類

 上記で使用したファミリを別名で保存しカスタマイズします。柱フカシ断面は4面で設定します。
「0」にすると、フカシ無しとなりますので、自由な組合せができるように設定します。
問題は、コーナーの面取りの設定です。柱の角のコーナーを設定するとして、平面でスケッチしその角面の寸法をパラメータで変更できるようにしますが、「0」と入力した場合にモデルはエラーします。
角面取りのある場合と、無い場合を兼用することはできないということです。
色々な納まりを想定し、ファミリは下記の種類を命名作成することにします。

※ファミリの種類
①、RCフカシ柱
②、RCフカシ柱-斜め面1面
③、RCフカシ柱-斜め面2面
④、RCフカシ柱-斜め面3面
⑤、RCフカシ柱-斜め面4面
⑥、RCフカシ柱-斜め面2対面
⑦、RCフカシ柱-角面1面
⑧、RCフカシ柱-角面2面
⑨、RCフカシ柱-角面3面
⑩、RCフカシ柱-角面4面
⑪、RCフカシ柱-角面2対面
⑫、RC柱-インスタンス・・・タイプでない、XY方向の自由な形状を作成するためのファミリ
⑬、RC柱(フカシ無し)・・・既定の「RC柱-角」の修正版

ルールとして、1面とは、第一象限のみ、2面は第一~二象限・・・4面は第一~四象限の4面とします。
また、プロジェクト配置時に、反転や回転する場合も考慮しておく必要があります。

これだけあれば、色々なケースに対応可能です。但し四角の一辺がフカシ寸法より、大きくカットするような柱形状は、別途とし必要に応じてカスタマイズし作成すればいいでしょう。

3、ファミリの作成

一例の、⑩、RCフカシ柱-角面4面のファミリ設定を見てみましょう。
下図のように、それぞれのパラメータを設定し、躯体部分よりフカス外側で押出します。
フカス寸法より面取りする寸法を小さめにしてスケッチすると、参照面に確実に拘束することができます。押出しが終わりパラメータを同じ値にしても、崩れることはありません。
※パラメータは、後に、注釈タグで表示するファミリを作成することも考慮して、共有パラメータとすることをお勧めします。(前回より共有パラメータに設定変更後)



次に、躯体部分をモデル線分の破線でスケッチし、下図のように設定します。


今回は、柱の上部は打ち継ぎ目地が入るようにします。
柱の天端高さから下に打ち継ぎ目地がモデルされます。
 梁は一般的にレベルでモデルします。梁ファミリの天端には打ち継ぎ目地を設定します。また、プロジェクトテンプレートで始める場合は、梁の「プロパティ」「ジオメトリ」「Z位置あわせ」=「上」が事前設定となっているため、既定値とおりのファミリ設定とします。
入力時に、「Z位置あわせ」=「上」を他に変えたときは、配置する際に「上」であるか注意が必要です。


下図は3Dで見たところです。


他のファミリも同様に、一例のように作成すれば簡単です。
面取りや目地を設けた場合、プレーンな柱ファミリと比較すると、モデルが崩れてしまう現象があります。それは、結合順序に問題があるようです。そのような場合は、比較的簡単に修正する方法があります。下記のビデオを参考にしてください。

1、3Dビューで、単純にコピーした場合のモデルが崩れてしまう現象と修正


2、コピーしたいモデルを選択後、設計GLビューでコピーした場合、
右側のモデルは、正常にコピーされた。左側のモデルは、2FLの柱・梁はコピーされたが、3FLの柱・梁が壊れた。はっきりとした理由は不明です。
打ち継ぎ目地を設定しているので、複雑すぎてそこまでサポートされてないのかも!いずれにしても、今後、検証して判明すれば報告しますが、とりあえず、意匠としてのモデルは、何とかできますね。



次回から、梁、線分・マテリアルの設定の順に解説していきます。

ファミリ構造柱 2017.09.14
「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」訂正事項のお知らせ

2014/06/26:に掲載した、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表の作成」について、
「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」のそれぞれは、図面枠といっしょに作成しておりましたが、
シート作成の際、選択肢が多くなり煩雑ですから、図面枠は図面枠として利用し、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」は独立した各ファミリとして、作成し、図面枠に配置するようにしました。
このほうが、効率的でした。

建具ファミリのパラメータのオペレーション-1

これまで建具ファミリのパラメータのコントロールを解説してきましたが、これまで私が実際に作成してきたファミリで基本的なものや特徴的なものを数点掲げて、どのような詳細なコントロールをおこないオペレーションしているか、実務設計で利用しているかをご紹介します。

まずは、比較的に簡素なパラメータ設定をおこなったファミリをご覧ください。

1、開き框ガラスドア
このファミリは、木製開き框ガラスドアを下記の分類項目でまとめたものです。

【ファミリの種類】
①、片開き框ガラスドア
②、親子開き框ガラスドア
③、両開き框ガラスドア

【建具枠の種類】ファミリ別
①、1型
②、2型
③、3型

【沓摺の種類】タイプ内で選択
①、沓摺A型
②、沓摺B型
③、木製沓摺
④、沓摺無し

【取手の種類】タイプ内で選択
①、レバーハンドル1型他、数種類

※各種類に関しては、このブログで以前にご紹介しておりますので、そちらを参照ください。

2、プロジェクトでのオペレーション

①、ファミリを選択して、壁に挿入します。配置する位置などを調整し配置します。


②、配置したら、そのファミリを選択して、各部のパラメータを変更します。
作業はいたって単純で、そのプロジェクトに添った各部の寸法を決定していきます。
その際、新しいタイプを作成したければ、タイプを新規作成してください。




見てのとおり、いたって簡単に変更をおこなうことができました。
基本ファミリは原本として保存しておきます。プロジェクトごとに合った寸法を修正して利用します。
後に、同様のプロジェクトで、使う際にそのまま利用することができます。

あまりにも、簡単すぎてあまり解説することがありません。
次回は、別のファミリを見てみたいと思いますが、そろそろ建具も飽きがきたんではないかと思います。何パターンかご紹介して、この建具シリーズは終了し、準備中の新しい分野を順次ご紹介したいと思いますので引き続きよろしくお願いします。

建具ファミリのパラメータのコントロール-3

建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)偏の続編、開きドアの建具ファミリ(下位)のカスタマイズについて解説します。

例として、框ドアを取り上げます。
ベースとなる建具ファミリの建具部分の2タイプのファミリを作成してみます。
(ベースのパラメータは前記を参照)

1、類似ファミリからカスタマイズする
まず。ベースとなるファミリで使用した、建具ファミリ(一番類似しているファミリ)を選択し、ファミリを新規で名前を付け直して保存し修正します。
もしくは、飛ばして2、から新規で作成してもかまいませんが、パラメータは合わせる必要があります。今回は、下記の建具ファミリを選択しました。

木製片開きフラッシュ戸-正面
木製片開きフラッシュ戸-平面
木製片開きフラッシュ戸-パラメータ


2、標準的な框戸の作成
框建具:タテ框(両側)、上框、下框、框内部:ガラス入
・標準の框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框の寸法をパラメータで可変可能
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラス端明き→タテ框
②、ガラスの上明き→上框
③、ガラスの高さ→無しなので、パラメータは削除します。ガラスの高さの下の参照面はそのまま利用し、寸法を入力後、下框のパラメータを設定します。
框建具-3D姿図
・複写元との相違点は、フラッシュから框になった点です。両側のタテ框を対で、押出しにより作成します。次に上、下の框を押出しで作成します。下図のように参照面やパラメータはそのまま使用できます。これに添って押出ししモデルします。

框建具-平面
・平面での複写元のファミリとの相違点はありませんので、そのまま使用します。

框建具-正面
・下框の寸法は、アンダーカットと上の参照面です。

框建具-パラメータ
・上記のパラメータを変更し修正します。
※これで、框建具が完成しましたので、ベースファミリにロードし、建具タイプを変更しますが、ベースファミリも類似したファミリを複写し、名前を変えて(例えば「木製片開き框ドア-ガラス入」)保存します。前々回解説しましたので、それを参考にしてください。


3、ヨコ框ガラス入の框戸の作成
框建具-ヨコ框@:タテ框(両側)、上框、下框、ヨコ框(枚数を可変)、框内部:ガラス入
・ヨコ格子状のガラス入框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框、ヨコ框の寸法をパラメータで可変可能 
・ヨコ框の数が中のガラス数(枚数)パラメータにより可変可能(但し、ガラスピッチの高さは、建具高さ-ヨコ框×枚数-上框-下框の数値)

まず、2、框建具で作成したファミリを元にこのファミリをカスタマイズします。
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラスの枚数→パラメータを新規作成します。この数値はユーザーが入力する分割数です。ガラスを何枚に分割するかを入力するパラメータです。
②、ヨコ框→ここでは框の高さです。パラメータを新規作成します。
③、ヨコ框枚数→配列に使用する計算値によるデータです。(ガラスの枚数から、1を除した値がヨコ框の枚数となりますので、この値でヨコ框を配列します)
④、ヨコ框の部品ファミリの作成→③で配列で使うネストするファミリを作成します。
※同じファミリ内で、作成したモデルを配列すると、建具の幅が変わるとき追従できません。このようにネストさせ関連付けすることによって、幅にも追従するようになります。

相違点はこれだけです。2、と同じような要領でファミリを作成します。

ヨコ框@-3D
ヨコ框@-平面


ヨコ框@-正面


ヨコ框@-パラメータ

ヨコ框@-配列設定
・ネストした、ヨコ框の部品を関連付けし配列することにより、建具の幅が変更になると追従しながら、ピッチの変更もおこなえる。
※同様に、ヨコ框建具が完成しましたので、2、で作成した「木製片開き框ドア-ガラス入」を複製し名前を変えて保存します。
下記のような動作となり、プロジェクトにロードしパラメータを変更し、設計趣旨に添ったタイプを簡単に作成することが可能となります。


※ベースとなる建具ファミリのその他の動作はそのまま使用して、変更したい部品のみ作成して、パラメータ設定を合わせ、関連付けすればいいわけです。

建具ファミリのパラメータのコントロール-2

建具ファミリのパラメータのコントロール-1の続偏

前回・・・-1で解説したように、ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるようします。
木製建具の開きドアについては、前に解説した、鋼製建具ファミリとほとんど同じような設定なので、省略します。(鋼製建具ファミリを参照ください)
これまで、解説したファミリの拘束や建具に関する内容を網羅した上で、ここの内容をご覧ください。(Revitファミリ作成については、基本的な知識や、解説してきた内容など、いろいろな知識が必要です)

ここでは、木製引き違い戸や引き戸のような、マグサに溝が有る場合の溝のひばたと建具見込みの関係や、マテリアル等をパラメータでコントロールする方法を紹介したします。
例として、木製引き違い戸のファミリを取り上げます。

1、最上位のファミリの設定
・今回は引き違い戸-ガラス入を例にしますが、枠タイプは3型(壁の内外チリが枠幅となる)を採用しています。RC壁などの壁厚が大きい場合は、1型(内外壁チリの片方どちらかからの枠幅となる)を設定すればよいでしょう。
タテ枠、マグサは、このファミリの押出しで作成します。
建具と敷居はネストするファミリで作成し、この最上位のファミリにロードし設定します。

木製引き違い建具の3D図
・マテリアルの設定
 タテ枠、マグサと建具のマテリアル設定により、木目方向を設定したマテリアルを準備し、マテリアルのパラメータをファミリに設定し、それぞれのカテゴリにマテリアルを割り当てます。
こうすることで、レンダリングした場合の木目方向の木質感が表現できます。
後述するネストの建具ファミリのマテリアルも、最上位ファミリでコントロールできるようになります。

タテ枠とマグサの取り合い部
・ボイドの設定
 額縁が出っ張る上部は、内外共ボイドでカットします。壁も同様にボイドでそれぞれの枠形状に合わせてボイドします。(プロジェクトでロードされたとき、形状に合わせた位置でボイドを設定します。)

・寸法パラメータ設定
 プロジェクトにロードされたとき、各部がパラメータにより追従するように、建具の幅、高さ、枠見込み、枠厚、額縁見付、内外壁チリ、マグサ厚、マグサ見付、取手H、取手オフセット、アンダーカット、敷居W、敷居厚、沓摺高さ(=敷居高さ)、ガラスのW、H、端明き、上端明き、ガラス厚等を設定します。
(ユーザーにより、パラメータの設定は自由です。動かす部分の寸法値をパラメータにします)

ファミリの特性ですが、ファミリの壁厚は、プロジェクトの壁厚ではありません。プロジェクトでは壁厚は変化するので、それに追従する必要があります。ファミリの壁厚に対して、最後の一ヶ所が「参照面が過剰に拘束されています」となり、パラメータを設定できなくなります。それは、壁厚がファミリでは決められないためで、どこかがクリアランスとなる必要があります。
重要なのは、どこがクリアランスなのかということです。オペレーション上、どこを変更すれば、どこが変わるのかということです。ユーザーは決めたい部分の寸法を修正すると、自動的に決まる寸法はどこなのかということです。

寸法パラメータの設定

・平面の設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。

①、建具の位置:特に留意すべきは、建具の入る位置と建具見込みの設定です。ここでは建具は壁芯に設定しています。(建具が内外どちらかに芯ズレする場合は、芯ズレのパラメータ設定をおこなう必要がありますが、今回は冒頭の理由により設定しませんでした。多くの場合、室内の壁厚は90~120程度がほとんどで、芯ズレするほどのクリアランスが無いためと、異常に複雑にならないためですです。)

②、建具見込み:建具はネストファミリで挿入し、位置合わせをおこないます。この場合、建具の位置で決めた位置から、参照面を書いて、建具見込みのパラメータを設定し、建具芯の参照面を書いて、見込み幅と建具中心をEQします。(引き違いは建具2枚なので、2ヶ所を設定します)

③、建具の位置の拘束:ネストする建具ファミリは、下図のように、建具幅ごとの中心参照面を書き、EQで中心位置を決めます。建具のしめし合せ部分を考慮し設定します。ネストした建具ファミリを、中心参照面に拘束し、建具芯の参照面に拘束します。この2ヶ所の拘束のみです。
建具ファミリは、後述します。


木製引き違い戸ファミリ-平面のパラメータ設定

・まぐさの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
マグサは、最上位のファミリの押出しで作成します。

マグサの断面とパラメータ設定


・敷居の断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
敷居はネストするファミリで作成し、最上位のファミリにロードし、位置あわせを設定します。
ネストするファミリのパラメータや設定方法は、後述する建具ファミリと同様の設定です。


敷居の設定



2、下位ファミリの設定

・建具ファミリ(ネストする)
 主要なパラメータは画面とおりとします。
ネストファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ名と、必ずしも同じにしなくても良いのですが、混乱しないためにも極力同じ名前にしたほうが作成しやすいと思います。

①、左右の参照面と正面背面の参照面を中心に作成する。
(必ずしも、そうでない場合もありますが、作成の方法にもよりますので、機会があれば別の機会に解説することにします)
②、パラメータは、最上位ファミリで関連付けしたいパラメータのみインスタンスに設定する。
(関連付けについては、後述)
ネストする建具ファミリの正面図


建具ファミリ-平面

・建具ファミリのパラメータ設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。



建具ファミリのパラメータ設定

・ひばたの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
「ひばた」をパラメータに設定します。


建具ひばた部分の設定

3、パラメータの関連付け

・最上位ファミリでのパラメータの関連付け
 全てのネストするファミリ(部品)をロードし、部品を選択すると「プロパティ」の「寸法」欄にネストされたファミリのパラメータが表示されます。各パラメータの右アイコンを選択すると、下記のようなBOXに最上位のファミリのパラメータが表示されますので、ネストファミリのパラメータと同類のパラメータを選択し、関連付けします。(当然ですが、違うパラメータを選択すると値が違いますので注意して選択してください)
また、「プロパティ」の「マテリアルと仕上げ」欄も同様に関連付けをおこないます。
これで、ネストされたファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ値に置き換えられロードされます。ということは、、、
ネストファミリの寸法やマテリアルのパラメータ値を修正する必要がなく、最上位ファミリのパラメータで修正できるということです。ということは、プロジェクトのタイプで作成しパラメータ値を入力し、独自のファミリにカスタマイズします。


最上位ファミリの関連付け


・動作
 最上位ファミリとネストファミリである建具のパラメータを比較してください。
例えば、最上位ファミリの「建具見込み」を変更すると、ネストファミリの「パネル厚」の値が変更されます。マグサの「ひばた」パラメータを変更すると、「ひばた」の値が変更されます。
最上位ファミリとネストしたファミリの値が関連付けされて、動作することになります。
その他、建具幅や建具高さなどの、関連付けしたパラメータは全て、最上位のパラメータでコントロールされます。
これまで解説してきたように、このようにネストすることによって、建具や取手などの部品であるファミリだけを修正カスタマイズし、違う部品を作成し、最上位ファミリにロードすることによって違うファミリをいたって簡単に作成することが可能となります。

※設計では、多種多様な形状やマテリアルが存在し、その都度作成しなければならないケースが多々あります。プロジェクトの度に、ファミリを無作為に作成すると、何がなんだか判らなくなります。そこで、基本となるベースファミリを作成し、それを基本にカスタマイズし増殖していく方法が、Revitの運用にはもっとも適していると思います。

私は、ファミリを管理するに当たって、下記のように明確化しています。
①、基本ファミリは、そのままで、プロジェクトごとにカスタマイズし保存する。
②、頻繁に使用するファミリは、基本ファミリとして保存する。

これだけでの解説では、理解できない部分もあるかと思いますが、全てをブログで解説することもできません。概要を理解すると解決する問題もあるかと思いますので、参考にしてください。


建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)

これまで建具ファミリ関連の基本事項を解説してまいりましたが、どのようなオペレーションをおこなえば、すばやく挿入できるでしょうか?
ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるように考えています。では、どこをパラメータ化するか?
Revitでは壁に建具ファミリが挿入されます。当然ですが、建具ファミリのホストは「壁」です。
実際の設計では、壁の厚さはプロジェクトによって、まちまちですから、作成した建具ファミリは壁厚によって、また、各部の寸法が自動的に変更されないと、その都度ファミリを修正しなければならなくなります。額縁の見付や建具見込み等、各部の寸法をケースバイケースで変更したい場合など、かなり煩雑ですから、パラメータによって自動的に変更されれば助かりますよね!
下記は、このような寸法をパラメータ設定した例です。

1、パラメータの設定の例
①、マテリアルのパラメータ設定


②、寸法のパラメータ設定


③、識別情報のパラメータの設定


2、木製親子開きドアの例:寸法のパラメータ修正による形状の変更




3、鋼製親子開きドアの例
①、平面関係のパラメータの修正による形状の変更


②、立面、断面関係のパラメータの修正による形状の変更



留意事項

建具ファミリは、タイプで作成します。
よく使用するタイプを予め整理し、標準仕様を決定しタイプを複製、修正して作成します。プロジェクトで使用するタイプは数が限られると思われますので、まず整えてからモデル化したほうがよさそうです。
ファミリの作成方法として、幅や高さをインスタンスとして設定する方法もありますが、プロジェクトで配置した後にそれぞれ幅や高さを作ると集計するときに困ります。幅と高さの違うタイプができてしまうことになり、幅と高さによる分類ができなくなります。
そのプロジェクトで作成したタイプは、プロジェクトの用途ごとに整理されていることになりますから、次回からテンプレートとして利用すれば効率がアップします。

ファミリテンプレート-3 ドア・窓

ファミリテンプレート-1~2で、基本的な部分を解説しましたが、今回は、ファミリテンプレートのドアと窓について、詳しく見てみたいと思います。

1、ドアファミリ

ドアのファミリテンプレートには、|既定値の敷居の高さ」がありません。
プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
詳細は、窓ファミリに共通で、カテゴリの違いです。

2、窓ファミリ

ドアファミリと同じく、プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
窓のファミリテンプレートを詳しく見てみると、「既定値の敷居の高さ」が設定されていることに気付きます。ドアのテンプレートには、これが設定されていません。
いったい「既定値の敷居の高さ」とは何なのか?検証してみます。

下記ビデオは、プロジェクトの建築テンプレートを開いて、Revitにある窓ファミリを壁に挿入してみます。「既定値の敷居の高さ」というのがありますが、結果は、プロパティの敷居の高さが「800」となり挿入されます。さらに、「既定値の敷居の高さ」を600に変更してみると、600で挿入されます。
挿入したファミリのプロパティの敷居の高さを1000に修正してみると、既定値は600のままです。

※壁に挿入する際の既定値で、既定値と挿入したファミリの敷居の高さとは連動していない!


そのファミリのビューの状態はどうなっているでしょうか?
プロジェクトの平面図のビューの高さ(事前値)は1200でした。
ビューの高さを200に変更してみます。平面図から消えましたね。
プロジェクト内のモデルは、そのモデルの範囲でビューが切り取られ表示されるようになっています。
例えば、排煙窓のように、プロジェクトの平面図の断面高さより上になった場合には、平面で表示されなくなりますよね。平面図ビューで、そのような位置の建具を表示させたい場合は、「作成/平面図/部分断面領域」で高さを設定し表示させます。
Revitの既存のファミリを詳しく調べてみると、下記のビデオのようになっています。


簡単な窓ファミリで検証します。
1、平面図/参照レベルの要素の表示設定
表示設定は、「ビュー固有の表示」とあり、その下に、「3Dビューと次のビューで表示」に、それぞれのチェックBOXがあります。
「3Dビューと次のビューで表示」とは、モデルが3Dビューと次のビューで表示されるという意味で解釈しています。

前記のRevitのファミリを検証すると、
①、Revitの既存のファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックなし
※その他の設定はここでは明記しないので、それぞれ確認してください。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示で、断面で切り取り時も非表示となり、
表示するためにマスキングを設定し表示されている。

②、推奨するファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェック有
※その他の設定(下記画像)

ファミリ要素の表示設定

ファミリの高さの設定

ファミリ平面図/参照レベルの範囲設定

ファミリ天井伏図/参照レベルの範囲設定

ファミリ平面図のマスキングの表示設定

上記の設定は、下記のとおりです。
①、モデルの表示設定は上記のとおり
②、ファミリの高さ設定は、画像のとおり
③、ファミリの平面図・天井伏図の各参照レベルの範囲設定
ファミリをプロジェクトで適正に表示するには、範囲設定をおこなう必要があります。②の高さを設定していますが、プロジェクトで平面図や断面図で表示される時、そのモデルの範囲がプロジェクトで影響します。




幅や高さのパラメータを設定したファミリがプロジェクトでロードされた場合に支障をきたす場合があります。例えばビデオのように、ファミリの高さをH=1500、既定値の敷居の高さをH=900とし、敷居の高さをH900で挿入し、平面図での範囲設定を、断面のオフセットを1500(参照レベルより)にしたとします。
もし、プロジェクトでファミリの高さを修正し、H400としたタイプを作成した場合、切られる断面の高さは、900+400=1200となります。この時、ファミリの範囲設定の高さはH1500ですから、H1200より上になってしまい、枠等の断面が表示できなくなります。
ファミリを作成する場合の範囲設定は、その時のモデルの敷居高さより、少し上の値(+150~+200ぐらい)で設定します。ファミリの高さがそれ以上小さくならない範囲(窓の高さはH300以下は無いでしょうから)の値を設定します。
そうすることで、タイプで高さが変更されても、断面の切り取り位置は表示されます。
マスキングの表示設定は「インスタンスが切断された場合のみ表示」にチェックをかけます。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示設定だが、断面で切り取り時は表示となる!
そのため、モデル自体は表示されるので、簡略や標準表示などの必要な場合にマスキングを設定し表示すれば良いということです。

例外として、ファミリをネストする場合は、ネストされたファミリの「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックがグレー表示となり設定はおこなえません。
裏技であまりお勧めする方法ではありませんが、カテゴリの違いを気にせず無視すれば、最終ファミリのカテゴリを、窓からドアに変更すると、うまく表示されます。その場合は「既定の敷居の高さ」は、「0」にしておく必要があります。もしくは「0」にして削除するかです。また、プロジェクトでは「既定値の敷居の高さ」は、あくまでも既定値ですから、必ずしも既定値で敷居の高さを設定するものではないはずです。「既定値の敷居の高さ」でそのまま進む場合などがありますので、ユーザーには、必ず「敷居の高さ」を意識する意味でも、「0」の方が良いかもしれません。
また、ネストのファミリの上部の部材のみ「平面図/天井伏図」のチェックをはずし、その他はチェックしないと、上位のファミリで表示されなくなります。なぜ、上部の部材のみチェックをはずすかというと、天井伏図の場合は、簡略表示もしくは標準表示で十分表現できるものです。簡略表示、標準表示には、マスキング処理しておけば良い訳です。
窓とドアの相違は「既定値の敷居の高さ」ぐらいしか検討がつきません。推測ですが「既定値の敷居の高さ」に関係があるようで何故かは?解っておりませんので、ご了解ください。

前々回も、マスキングの扱いについては説明してきましたが、特に修正する場合に厄介になります。
その意味でも、モデルはモデルできちっと表示させ、マスキングは極力単純にしたほうが良いかと思います。

ドアファミリ 2017.02.19
ファミリの拘束

前々回と、ファミリテンプレートについて解説しましたが、なぜ、ファミリをネストするのかということですが、表題の「拘束」との関係があります。

ファミリの拘束は、どのような法則で拘束されるのかは、基本的には解ってはいるものの、色々なケースで予期しない振る舞いが起きてしまうことがあります。

通常は、参照面、参照線を引いて、寸法もしくはパラメータを設定して、フォームの押出しやスイープ等でモデルを作成しますが、全てを、拘束しなければならないということではありません。
Revitは、参照面等を下敷きにして、モデルした場合は、拘束しなくても追従します。
マスキングについても同様です。
簡単なビデオで検証してみます。


押出しの平面で長方形のモデルを拘束なしで作成しパラメータで変形させると、拘束なしでも追従します。立面で高さ方向を参照面に拘束した場合と、しない場合では、結果はビデオのとおりとなるのが判ります。
この振る舞いから、フォームで作成したモデルは、拘束なしでも追従することが判ります。
立面のように、出来たモデルは参照面等に拘束しないと変形されません。
初期のモデル作成のままだと、Revitは拘束するようですね。しかし、複雑なモデルを後で修正した場合など、拘束のつじつまが合わなくなり(なぜかしら?)、初期のモデルに支障が出てくるケースが多々あります。(皆さんも経験あると思います)

そこで、下位のファミリを拘束なしで作成し、本ファミリにネストすると、本ファミリ内ではフォームの作成の部分は変形されません。つまり、ネストさせると上位のファミリでの拘束の手間が省けますし、妙に変形することもありません。もちろん、前記のような、フォーム作成部分以外の立面部分のような拘束は必要です。
この現象を利用すると、フォームで作成する部分などのモデル作成は、DWGを読み込み、下敷きにして拘束なしでモデルを作成しネストされることが可能となります。

下記のビデオは、実際の窓ファミリを修正して、別のファミリを作成する方法です。
(既存のファミリの詳細は、ここでは気にしないで見てください。)

1、ファミリに必要なデータをDWGデータから作成します。


2、ファミリに読み込んで、前記のようなファミリを作成します。
すでに作成済みの、既存のファミリをカスタマイズします。
コピーするファミリは、タテ枠、上下枠、建具をそれぞれ部品化し、ネストして作成できるように設定したファミリです。
DWGデータを使って、必要な新しい部品を作成していきます。
この方法ですと、一から作成する方法と比較して、格段にすばやく作成することが可能です。
この例では、DWGデータ作成から、ファミリのカスタマイズまで、約1時間弱で作成できました。

作成したいファミリのホルダーを作成して、似通った既存のファミリをホルダーにコピーし、名前を変更します。次に、ネストしているファミリ(各部品)の名前をそれぞれ変更し、各ファミリを修正し保存します。(この時、保存するホルダーと名前を間違えないようにしてください)
各ファミリを修正するには、予め作成しておいた、1項のDWGデータを読み込み下敷きにして、フォームでモデル化します。この時、DWGの下敷きには、拘束していないことに留意してください。
フォームで作成した後は、立面の長手方向の拘束をおこない、変形されるかチェックし、良ければ保存します。
それぞれのファミリごとに繰り返し作成し、部品を完成させます。

3、上位のファミリの構成
  A、下記のファミリの部品
  B、アルミ額縁、木製額縁
  C、水切り皿板
  D、各シーリング類
  E、ハンドル類

4、ファミリの部品の構成
  A、タテ枠(左右同じ場合は、反転複写にて兼用)
  B、上枠
  C、下枠
  D、建具(さらに、下位の部品ファミリで組み立てしている)
    ①、タテ桟(左右同じ場合は、反転複写にて兼用)
    ②、上桟
    ③、下桟

※留意点
・DWGデータを貼り付けて、「グラフィックス/表示」のチェックをはずし、ネストした時に表示されないようにする。
・ネストする時(「プロジェクトにロード」この場合は、上位のファミリにロードする意。)に、「既存のバージョンとそのパラメータ値を上書きする」でロードする。

No,1

No,2

No,3

No,4

最後に、テストプロジェクトにロードし、パラメータ値が適正かチェックし完了です。
上位の既存のファミリについては、別の機会に紹介します。

今回紹介した方法は、部品化し組み合わせるという手法で既存のファミリのカスタマイズが簡単になります。例えば、複層ガラスの建具を作成したい場合は、建具の部品ファミリのみ作成し、カスタマイズしますので、バリエーションを簡単に増やすことができます。

ファミリ拘束 2017.02.17
ファミリテンプレート-1

基本的なファミリテンプレートのカテゴリについて検証してみたいと思います。
ファミリはカテゴリ別に整理されています。
ファミリを作成する場合には、ファミリのテンプレート(*.rft)からそれぞれのカテゴリを選択しますが、同じカテゴリでも、いくつかの種類があることに気付かれたはずです。
どのようなファミリにするのかによって選択が異なります。

新規作成/ファミリを選択すると、下画面のファミリのテンプレート画面が出てきます。


一般モデル(床、線、天井、壁、面、ホスト無し、その他いろいろ)やドア、窓など、その他いろいろがありますね!
理解できると当たり前のようですが、重要なのは「ホスト」を何にするかと言うことです。
Revitのプロジェクトでは、床、壁、天井、線、面などを「ホスト」といいます。例えば、ドアを壁に挿入する場合の壁が「ホスト」に当たります。照明器具など天井に挿入する場合は天井が「ホスト」となります。一般モデルで作成したファミリを、プロジェクト上のどこかの「面」にロードしたい場合は、「面」を選択すればいいわけです。なんとなく理解できると思います。
マッチしたファミリテンプレートを選択するには、そのカテゴリと「ホスト」により決まるということです。
どんなファミリにしたいのかは、ユーザーが決めることです。単純なオペレーションをおこなうには、ファミリテンプレートの選択は、非常に重要になります。

前回ご案内しましたので、ここではファミリテンプレートのドアを見てみましょう。
「ドア-カーテンウォール(メートル単位).rft」と「ドア(メートル単位).rft」と「ドア_RUG.rft」の3種類が用意されていますね。
カーテンウォールはさておき、この2種類の違いは何でしょうか?

1、「ドア_RUG.rft」を開き、平面図/参照レベルでビューを表示します。
開口部の下側の「開口部断面」(画面用でブルー表示)を選択し、右クリックしてみます。
選択肢の「削除」がグレー表示されています。これは、削除できません。


ドアの開口部廻りの納まりを、RCのダキ付きにしたい場合や内側に額縁を付けたファミリにしたい場合などに都合が悪くなります。この「開口部断面」は壁を平面、断面において、垂直に開口することしかできません。したがって、壁の複雑な開口はできませんので、簡単なファミリの作成に適したファミリテンプレートと言えるんでしょうね。

2、では、「ドア(メートル単位).rft」と比較してみます。
開口部の下側の「開口部断面」(画面用でブルー表示)を選択し、右クリックしてみます。
選択肢の「削除」が、ここでは表示されていますので、削除することができます。


前記の場合と比較して何ができるかですが、まず「開口部断面」を削除します。
同じく、ドアの開口部廻りの納まりを、RCのダキ付きにしたい場合や内側に額縁を付けたファミリにしたい場合は、「作成/ボイドフォーム」で壁を開口することができますので、いくつかの開口を作ることができます。

下記の簡単なビデオはファミリ作成時にボイドフォームで開口する方法です。



下記のビデオは実際のドアファミリ作成時にボイドフォームで開口を作成したケースです。
サッシ、額縁、RCダキをコントロールしたケースです。



このように、選択するファミリテンプレートにより作成できることが限定されます。
詳細に作成しないにしても、「ドア(メートル単位).rft」を使用したほうが、
「開口部断面」は使えますので、こちらで作成したほうがよさそうですね。

建築設計で、計画設計か基本設計か実施設計かで、ファミリを使い分けますか?
計画段階では、簡単な表示で良いのですが、後に、いちいちファミリを入れ替えますか?
いちいち入れ替えしなくても済めば、それにこしたことはありません。
例えば、ドアファミリをプロジェクトに挿入した場合に、簡略表示であろうが標準表示であろうが、詳細表示であろうが、オペレーションするのは、1回です。
ようするに、ファミリが簡略表示や詳細表示になれば良いわけですから、極力そのようなファミリにしたいですね。施工分野においても、そのまま使えるファミリを作るのは大変でしょうが、加筆程度で施工図として使えるレベルのファミリであれば、言うことありません。

今回は、ファミリテンプレートの基本的なことについて検証してみました。
Revitを使い始めたころは、今回紹介したドアファミリテンプレートの違いに気付かず、前記1項のみで作成していました。方法がわからず、内部額縁の下に壁の開口が見えてしまい、ずいぶん悩んだことがありました。
まだまだ、奥は深く、いろいろなテクニックがありますので、随時、紹介していきたいと思います。

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