BIM建築設計
プランニングピープル

プロファイルの利用テクニック-2

利用テクニック-1では、プロファイルの基本的なテクニックと、それを利用した「アルミ笠木」のモデル方法を解説しました。

次に、壁に、「造作材」や「目地」を入れるには、「壁」/「壁:造作材」、「壁:化粧目地」を利用します。「アルミ笠木」と同じように、プロフィルを作成して、タイプを設定します。

1、「化粧目地」のモデル方法は下記のビデオを参照ください。
(見てのとおり、簡単です。)
ビデオでは、3Dビューでモデリングしていますが、立面、展開ビューでも同じことです。3Dビューでおこなうメリットは、隣接する壁を連続して選択することができますので、高さの食い違いが少なくて済みます。
また、1FLで入れた化粧目地を、2FLにコピーするなど、選択して、クリップボードにコピーし、2FLのレベルに貼り付けるなど、オペレーションはさまざまです。
化粧目地を選択する別の方法として、フィルターを用いる方法もあります。好みでやり易い方法でおこなえば良いことだと思います。

実際の設計では、試行錯誤しながら、モデルすることがほとんどですから、自身に合ったオペレーションの流れを見につけることが、コツだと思います。
参考までに、私は、初めは機能名を意識ないことにしています。まず、どのような振る舞いをするかを注視します。入力する際に適応する振る舞いが、すぐにイメージできるようになれば、意識せずにマウスがその場所に動くようになり、オペレーションが早くなります。
個々それぞれの使い方があるのは当然ですが、私は、このように、一つの機能を使ってモデルする際には、選択したり、コピーしたり、編集したりと色々な機能を組合せしたオペレーションがおこなえます。スムーズなオペレーションをおこなう為には、コマンドを考えるんではなく、振る舞いがイメージとして出てくるようになる必要があると思います。その上で、個々にあった方法を身につければ良いのではないかと思います。


2、「造作材」のモデル方法は下記のビデオを参照ください。
ビデオの通り簡単ですが、コーナーの修正機能で。「壁の造作材」「納まり変更」というのがありますので、このように修正することができます。壁の小口には、「造作材」「化粧目地」は入りません。
修正する場合に、角度を指定することが出来ますが、ビデオのように、コーナー45°部分を修正すると、折り曲げた先端が壁面と平行にしか、カットしてくれません。展開図等では重なり合った線は、見えませんので、我慢して使用しています。曲げた45°と直角ににてくれれば、言うことないのですが!


3、アルミ笠木が端部の場合はどうすればいいでしょうか?
前回のテクニック-1のようなプロファイルは、断面を切った場合には、形状がそのまま表現されます。それは、断面図の表示には都合が良いのですが、3Dビューで見た場合には、小口に隙間がでてしまい、都合が悪いですよね。
そこで、もう一つの同じような、閉じたプロファイルを作成して組み合わせ表現すると、3Dでは、小口が塞がったモデルを表現することができます。但し、細かい部分は限界がありますので、詳細にするには、端部用の笠木の小口ファミリを作成してモデルするしかありません。


屋上のパラペットのRC造のコブなんかも、「造作材」で入れることは簡単です。コブ形状のプロファイルを作ってタイプ設定すれば簡単です。しかし、これには多少問題があります。集計表では、「壁の造作材」として集計されるからです。コンクリートの体積として集計するには、やはり、「壁のタイプ」で、「壁の造作材」の設定をするしかありません。
これについては、また、別の機会ということで。

プロファイルの利用テクニック-1

言うまでもなく、「プロファイル」は、「壁」/「壁:造作材」、「壁:化粧目地」、カーテンウォール、手すり、屋根などで使われる、2Dの閉じられたファミリのことです。
簡単なプロファイルですが、利用するのに、迷ってしまうことがありませんか?

使用する際は、プロジェクトで、プロファイルを設定して使用しますが、プロジェクトから直接編集する場合は、ファミリ名を右クリックして、ファミリを開き修正後、保存することができますが、既存のファミリと混在してしまうなど、注意しなければなりません。
目的のプロファイルが見当たらない場合は、「挿入」/「ファミリのロード」で、システムライブラリもしくは、独自のプロファイルファミリからプロファイルをロードしなければなりません。もし無ければ、プロファイルを独自で作成しなければなりません。
システムライブラリの中には、例えば、長方形のプロファイルで、タテヨコの寸法がパラメータ設定されていないファミリが存在します。(パラメータ設定がなされているものもありますが)
また、Revitの標準の建築テンプレートでプロジェクトを始める場合、下記のようにそのようなプロファイルが存在しています。

※プロファイル-幅木2


※プロファイル-幅木1


「幅木1」と「幅木2」の違いは何なんでしょうか?
私には同じにしか思えません!
「幅木1」と「幅木2」はプロファイルのファミリです。であれば、ファミリ名は「幅木」もしくは「巾木」とし、タイプに、「100×20」のように命名設定して、タイプを増やしていけば良いはずです。
「幅木1」と「幅木2」のように、同様のファミリを2つ作る必要はありませんし、かえって邪魔になります。プロファイルの設定をおこなった方は経験があると思いますが、プロファイルを選択する際に、同じようなタイプ名が、いっぱい入っていますので選択しずらくなります。
同じようなファミリが、プロジェクトブラウザにも、いっぱい入ってきますので見にくくなり、冒頭で記したように何を使ってよいのか迷ってしまうことになるわけです。

ポイントは、下記の3点です。
1、プロファイルは、同様のファミリは作成しない。
2、作成するプロファイルは、形状寸法を可変にするのであれば、パラメータを設定する。
3、ファミリ名は、十分考慮し命名し、タイプを作成する。

下記は、アルミ笠木をプロファイルでモデルする方法です。

1、プロファイルは、納まりを考慮しパラメータを設定します。
2、プロファイルファミリをプロジェクトにロードします。
3、プロジェクトの「壁」/「壁:造作材」で、「タイプの編集」で、複製で「アルミ笠木-W225」と命名しタイプを作成します。
4、3Dビューで、モデルします。




このように、プロジェクトでは、プロジェクトブラウザのプロファイルのタイプを右クリックし、複製しタイプを作成し、3、項により設定しモデルします。
こうすることで、プロファイルファミリそのものを編集せずに、プロジェクト内で自由な収まりを作成することが可能となります。
また、プロファイルを作成するに当たり、命名も重要となります。一つのファミリで用途が判り、タイプで寸法等の設定ができるファミリとする必要があります。
元々備わっている不要なプロファイルは、さくっと削除しておきましょう。

プロファイル 2017.08.30
壁の共有エッジの設定

下記のような壁の平面・断面の表示設定をおこないます。

1、コンクリート壁 t=150+打ち増し t=15の場合、150と15と境界線を、破線で表示させたい。
2、コンクリート壁 t=150+タイル貼り t=15の場合、境界線を実線で表示させたい。

壁の共有エッジとは、上記の複数のレイヤの場合の境界部分をいいます。
Revitのプロジェクトテンプレートのまま壁を入力すると、境界線はそのまま実線で表示されます。
ラインワークで、線分を実線から破線に変更する等の編集はできますが、プロジェクトにある多くの壁を編集するのは面倒です。
そこで、「壁の共有エッジの設定」をおこない、それぞれの壁のタイプで、実線や破線(点線でもかまいません)で表示させる方法を解説します。

【手順】
1、初めに、プロジェクトテンプレートの建築で、プロジェクトを用意し、壁/標準-150mmを選択して、構造の編集で中身を見てみます。


2、壁の「タイプ編集」/「複製」で、タイプを作成します。ここでは、タイプ名を「RC t=150+打ち増しt=15」としてみました。打ち増し+15の「機能」を「構造[1]」のままとします。


上記で設定した、壁の平面ビューは、下記の通り、間の境界線が実線となります。


3、「表示/グラフィックスの上書き」/「壁」/「共有エッジ」の「切り取り」で「線分グラフィックス」/「パターン」で、「破線」を選択し、OKします。



4、同じく「表示/グラフィックスの上書き」/「ホストレイヤの優先設定」/「切断線スタイル」をチェックを入れ、「編集」をクリックすると「ホストレイヤ線種」画面がでてきますので、線の太さを、下記の通り設定し、「躯体面のクリーンアップ(C)」のボックススから「既定値」を選択し、OKします。
レイヤ間で共有されるエッジは、太い線で作図されます。線の太さが同じ場合は、ホストの「共有エッジ」オブジェクトスタイルが使用されます。
先ほど、共有エッジ」の「切り取り」で「線分グラフィックス」/「パターン」で、「破線」を選択しましたので、この設定が使用されたわけです。


上記で設定した、壁の平面ビューは、下記の通り、間の境界線が破線となります。


5、では、躯体と仕上げが違う場合に、実線表示としたい場合はどうでしょうか。
先ほどとは逆の設定をおこなえば良い訳です。
「構造[1]」のみ、「2」としていることに、お気づきでしょう。つまり、「2」と同じであれば、線の太さが同じ場合は、ホストの「共有エッジ」オブジェクトスタイルが使用され、そうでなければ、「共有エッジ」が使用されませんので、既定値の「実線」で表示されます。
下記の2例のように、「2」以外の機能を設定します。



オブジェクトスタイルは、上書きされていないカテゴリは、オブジェクトスタイル設定に従って描画されます。「共有エッジ」オブジェクトスタイルで無い場合は、オブジェクトスタイル設定で描画されるということです。



また、断面ビューでも、同様の設定をおこなう必要があります。要領は、平面と同じです。
下記は、設定前の断面図ビューです。


平面と同様に設定をおこないます。




線の太さの設定を、「2」と「1」「3」にしたので、線の太さの違いが気なるようであれば、「管理」/「その他の設定」/「線の太さ」の16種類のなかで、「モデルの線の太さ」を設定するといいでしょう。もちろん、部分的にラインワークで編集することも可能です。

6、線の太さの設定による設定
ダミーの下地用の線の太さを、「10」で設定して、コントロールします。
線の太さの設定を、「2」と同じに設定しますが、「10」とすれば、別の線の太さとして認識されます。


ホストレイヤ線種の設定をおこないます。


壁レイヤの設定をおこないます。


結果は、下記の通り平面ビュー画面のとおりとなります。



仕上げのレイヤが複数ある場合は、前記の太さの設定を、番号を「11」等で設定して割り当てれば同様の結果となります。

ファミリテンプレート-3 ドア・窓

ファミリテンプレート-1~2で、基本的な部分を解説しましたが、今回は、ファミリテンプレートのドアと窓について、詳しく見てみたいと思います。

1、ドアファミリ

ドアのファミリテンプレートには、|既定値の敷居の高さ」がありません。
プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
詳細は、窓ファミリに共通で、カテゴリの違いです。

2、窓ファミリ

ドアファミリと同じく、プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
窓のファミリテンプレートを詳しく見てみると、「既定値の敷居の高さ」が設定されていることに気付きます。ドアのテンプレートには、これが設定されていません。
いったい「既定値の敷居の高さ」とは何なのか?検証してみます。

下記ビデオは、プロジェクトの建築テンプレートを開いて、Revitにある窓ファミリを壁に挿入してみます。「既定値の敷居の高さ」というのがありますが、結果は、プロパティの敷居の高さが「800」となり挿入されます。さらに、「既定値の敷居の高さ」を600に変更してみると、600で挿入されます。
挿入したファミリのプロパティの敷居の高さを1000に修正してみると、既定値は600のままです。

※壁に挿入する際の既定値で、既定値と挿入したファミリの敷居の高さとは連動していない!


そのファミリのビューの状態はどうなっているでしょうか?
プロジェクトの平面図のビューの高さ(事前値)は1200でした。
ビューの高さを200に変更してみます。平面図から消えましたね。
プロジェクト内のモデルは、そのモデルの範囲でビューが切り取られ表示されるようになっています。
例えば、排煙窓のように、プロジェクトの平面図の断面高さより上になった場合には、平面で表示されなくなりますよね。平面図ビューで、そのような位置の建具を表示させたい場合は、「作成/平面図/部分断面領域」で高さを設定し表示させます。
Revitの既存のファミリを詳しく調べてみると、下記のビデオのようになっています。


簡単な窓ファミリで検証します。
1、平面図/参照レベルの要素の表示設定
表示設定は、「ビュー固有の表示」とあり、その下に、「3Dビューと次のビューで表示」に、それぞれのチェックBOXがあります。
「3Dビューと次のビューで表示」とは、モデルが3Dビューと次のビューで表示されるという意味で解釈しています。

前記のRevitのファミリを検証すると、
①、Revitの既存のファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックなし
※その他の設定はここでは明記しないので、それぞれ確認してください。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示で、断面で切り取り時も非表示となり、
表示するためにマスキングを設定し表示されている。

②、推奨するファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェック有
※その他の設定(下記画像)

ファミリ要素の表示設定

ファミリの高さの設定

ファミリ平面図/参照レベルの範囲設定

ファミリ天井伏図/参照レベルの範囲設定

ファミリ平面図のマスキングの表示設定

上記の設定は、下記のとおりです。
①、モデルの表示設定は上記のとおり
②、ファミリの高さ設定は、画像のとおり
③、ファミリの平面図・天井伏図の各参照レベルの範囲設定
ファミリをプロジェクトで適正に表示するには、範囲設定をおこなう必要があります。②の高さを設定していますが、プロジェクトで平面図や断面図で表示される時、そのモデルの範囲がプロジェクトで影響します。




幅や高さのパラメータを設定したファミリがプロジェクトでロードされた場合に支障をきたす場合があります。例えばビデオのように、ファミリの高さをH=1500、既定値の敷居の高さをH=900とし、敷居の高さをH900で挿入し、平面図での範囲設定を、断面のオフセットを1500(参照レベルより)にしたとします。
もし、プロジェクトでファミリの高さを修正し、H400としたタイプを作成した場合、切られる断面の高さは、900+400=1200となります。この時、ファミリの範囲設定の高さはH1500ですから、H1200より上になってしまい、枠等の断面が表示できなくなります。
ファミリを作成する場合の範囲設定は、その時のモデルの敷居高さより、少し上の値(+150~+200ぐらい)で設定します。ファミリの高さがそれ以上小さくならない範囲(窓の高さはH300以下は無いでしょうから)の値を設定します。
そうすることで、タイプで高さが変更されても、断面の切り取り位置は表示されます。
マスキングの表示設定は「インスタンスが切断された場合のみ表示」にチェックをかけます。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示設定だが、断面で切り取り時は表示となる!
そのため、モデル自体は表示されるので、簡略や標準表示などの必要な場合にマスキングを設定し表示すれば良いということです。

例外として、ファミリをネストする場合は、ネストされたファミリの「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックがグレー表示となり設定はおこなえません。
裏技であまりお勧めする方法ではありませんが、カテゴリの違いを気にせず無視すれば、最終ファミリのカテゴリを、窓からドアに変更すると、うまく表示されます。その場合は「既定の敷居の高さ」は、「0」にしておく必要があります。もしくは「0」にして削除するかです。また、プロジェクトでは「既定値の敷居の高さ」は、あくまでも既定値ですから、必ずしも既定値で敷居の高さを設定するものではないはずです。「既定値の敷居の高さ」でそのまま進む場合などがありますので、ユーザーには、必ず「敷居の高さ」を意識する意味でも、「0」の方が良いかもしれません。
また、ネストのファミリの上部の部材のみ「平面図/天井伏図」のチェックをはずし、その他はチェックしないと、上位のファミリで表示されなくなります。なぜ、上部の部材のみチェックをはずすかというと、天井伏図の場合は、簡略表示もしくは標準表示で十分表現できるものです。簡略表示、標準表示には、マスキング処理しておけば良い訳です。
窓とドアの相違は「既定値の敷居の高さ」ぐらいしか検討がつきません。推測ですが「既定値の敷居の高さ」に関係があるようで何故かは?解っておりませんので、ご了解ください。

前々回も、マスキングの扱いについては説明してきましたが、特に修正する場合に厄介になります。
その意味でも、モデルはモデルできちっと表示させ、マスキングは極力単純にしたほうが良いかと思います。

ドアファミリ 2017.02.19
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