BIM建築設計
プランニングピープル

「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」訂正事項のお知らせ

2014/06/26:に掲載した、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表の作成」について、
「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」のそれぞれは、図面枠といっしょに作成しておりましたが、
シート作成の際、選択肢が多くなり煩雑ですから、図面枠は図面枠として利用し、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」は独立した各ファミリとして、作成し、図面枠に配置するようにしました。
このほうが、効率的でした。

建具ファミリのパラメータのオペレーション-1

これまで建具ファミリのパラメータのコントロールを解説してきましたが、これまで私が実際に作成してきたファミリで基本的なものや特徴的なものを数点掲げて、どのような詳細なコントロールをおこないオペレーションしているか、実務設計で利用しているかをご紹介します。

まずは、比較的に簡素なパラメータ設定をおこなったファミリをご覧ください。

1、開き框ガラスドア
このファミリは、木製開き框ガラスドアを下記の分類項目でまとめたものです。

【ファミリの種類】
①、片開き框ガラスドア
②、親子開き框ガラスドア
③、両開き框ガラスドア

【建具枠の種類】ファミリ別
①、1型
②、2型
③、3型

【沓摺の種類】タイプ内で選択
①、沓摺A型
②、沓摺B型
③、木製沓摺
④、沓摺無し

【取手の種類】タイプ内で選択
①、レバーハンドル1型他、数種類

※各種類に関しては、このブログで以前にご紹介しておりますので、そちらを参照ください。

2、プロジェクトでのオペレーション

①、ファミリを選択して、壁に挿入します。配置する位置などを調整し配置します。


②、配置したら、そのファミリを選択して、各部のパラメータを変更します。
作業はいたって単純で、そのプロジェクトに添った各部の寸法を決定していきます。
その際、新しいタイプを作成したければ、タイプを新規作成してください。




見てのとおり、いたって簡単に変更をおこなうことができました。
基本ファミリは原本として保存しておきます。プロジェクトごとに合った寸法を修正して利用します。
後に、同様のプロジェクトで、使う際にそのまま利用することができます。

あまりにも、簡単すぎてあまり解説することがありません。
次回は、別のファミリを見てみたいと思いますが、そろそろ建具も飽きがきたんではないかと思います。何パターンかご紹介して、この建具シリーズは終了し、準備中の新しい分野を順次ご紹介したいと思いますので引き続きよろしくお願いします。

建具ファミリのパラメータのコントロール-3

建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)偏の続編、開きドアの建具ファミリ(下位)のカスタマイズについて解説します。

例として、框ドアを取り上げます。
ベースとなる建具ファミリの建具部分の2タイプのファミリを作成してみます。
(ベースのパラメータは前記を参照)

1、類似ファミリからカスタマイズする
まず。ベースとなるファミリで使用した、建具ファミリ(一番類似しているファミリ)を選択し、ファミリを新規で名前を付け直して保存し修正します。
もしくは、飛ばして2、から新規で作成してもかまいませんが、パラメータは合わせる必要があります。今回は、下記の建具ファミリを選択しました。

木製片開きフラッシュ戸-正面
木製片開きフラッシュ戸-平面
木製片開きフラッシュ戸-パラメータ


2、標準的な框戸の作成
框建具:タテ框(両側)、上框、下框、框内部:ガラス入
・標準の框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框の寸法をパラメータで可変可能
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラス端明き→タテ框
②、ガラスの上明き→上框
③、ガラスの高さ→無しなので、パラメータは削除します。ガラスの高さの下の参照面はそのまま利用し、寸法を入力後、下框のパラメータを設定します。
框建具-3D姿図
・複写元との相違点は、フラッシュから框になった点です。両側のタテ框を対で、押出しにより作成します。次に上、下の框を押出しで作成します。下図のように参照面やパラメータはそのまま使用できます。これに添って押出ししモデルします。

框建具-平面
・平面での複写元のファミリとの相違点はありませんので、そのまま使用します。

框建具-正面
・下框の寸法は、アンダーカットと上の参照面です。

框建具-パラメータ
・上記のパラメータを変更し修正します。
※これで、框建具が完成しましたので、ベースファミリにロードし、建具タイプを変更しますが、ベースファミリも類似したファミリを複写し、名前を変えて(例えば「木製片開き框ドア-ガラス入」)保存します。前々回解説しましたので、それを参考にしてください。


3、ヨコ框ガラス入の框戸の作成
框建具-ヨコ框@:タテ框(両側)、上框、下框、ヨコ框(枚数を可変)、框内部:ガラス入
・ヨコ格子状のガラス入框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框、ヨコ框の寸法をパラメータで可変可能 
・ヨコ框の数が中のガラス数(枚数)パラメータにより可変可能(但し、ガラスピッチの高さは、建具高さ-ヨコ框×枚数-上框-下框の数値)

まず、2、框建具で作成したファミリを元にこのファミリをカスタマイズします。
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラスの枚数→パラメータを新規作成します。この数値はユーザーが入力する分割数です。ガラスを何枚に分割するかを入力するパラメータです。
②、ヨコ框→ここでは框の高さです。パラメータを新規作成します。
③、ヨコ框枚数→配列に使用する計算値によるデータです。(ガラスの枚数から、1を除した値がヨコ框の枚数となりますので、この値でヨコ框を配列します)
④、ヨコ框の部品ファミリの作成→③で配列で使うネストするファミリを作成します。
※同じファミリ内で、作成したモデルを配列すると、建具の幅が変わるとき追従できません。このようにネストさせ関連付けすることによって、幅にも追従するようになります。

相違点はこれだけです。2、と同じような要領でファミリを作成します。

ヨコ框@-3D
ヨコ框@-平面


ヨコ框@-正面


ヨコ框@-パラメータ

ヨコ框@-配列設定
・ネストした、ヨコ框の部品を関連付けし配列することにより、建具の幅が変更になると追従しながら、ピッチの変更もおこなえる。
※同様に、ヨコ框建具が完成しましたので、2、で作成した「木製片開き框ドア-ガラス入」を複製し名前を変えて保存します。
下記のような動作となり、プロジェクトにロードしパラメータを変更し、設計趣旨に添ったタイプを簡単に作成することが可能となります。


※ベースとなる建具ファミリのその他の動作はそのまま使用して、変更したい部品のみ作成して、パラメータ設定を合わせ、関連付けすればいいわけです。

建具ファミリのパラメータのコントロール-2

建具ファミリのパラメータのコントロール-1の続偏

前回・・・-1で解説したように、ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるようします。
木製建具の開きドアについては、前に解説した、鋼製建具ファミリとほとんど同じような設定なので、省略します。(鋼製建具ファミリを参照ください)
これまで、解説したファミリの拘束や建具に関する内容を網羅した上で、ここの内容をご覧ください。(Revitファミリ作成については、基本的な知識や、解説してきた内容など、いろいろな知識が必要です)

ここでは、木製引き違い戸や引き戸のような、マグサに溝が有る場合の溝のひばたと建具見込みの関係や、マテリアル等をパラメータでコントロールする方法を紹介したします。
例として、木製引き違い戸のファミリを取り上げます。

1、最上位のファミリの設定
・今回は引き違い戸-ガラス入を例にしますが、枠タイプは3型(壁の内外チリが枠幅となる)を採用しています。RC壁などの壁厚が大きい場合は、1型(内外壁チリの片方どちらかからの枠幅となる)を設定すればよいでしょう。
タテ枠、マグサは、このファミリの押出しで作成します。
建具と敷居はネストするファミリで作成し、この最上位のファミリにロードし設定します。

木製引き違い建具の3D図
・マテリアルの設定
 タテ枠、マグサと建具のマテリアル設定により、木目方向を設定したマテリアルを準備し、マテリアルのパラメータをファミリに設定し、それぞれのカテゴリにマテリアルを割り当てます。
こうすることで、レンダリングした場合の木目方向の木質感が表現できます。
後述するネストの建具ファミリのマテリアルも、最上位ファミリでコントロールできるようになります。

タテ枠とマグサの取り合い部
・ボイドの設定
 額縁が出っ張る上部は、内外共ボイドでカットします。壁も同様にボイドでそれぞれの枠形状に合わせてボイドします。(プロジェクトでロードされたとき、形状に合わせた位置でボイドを設定します。)

・寸法パラメータ設定
 プロジェクトにロードされたとき、各部がパラメータにより追従するように、建具の幅、高さ、枠見込み、枠厚、額縁見付、内外壁チリ、マグサ厚、マグサ見付、取手H、取手オフセット、アンダーカット、敷居W、敷居厚、沓摺高さ(=敷居高さ)、ガラスのW、H、端明き、上端明き、ガラス厚等を設定します。
(ユーザーにより、パラメータの設定は自由です。動かす部分の寸法値をパラメータにします)

ファミリの特性ですが、ファミリの壁厚は、プロジェクトの壁厚ではありません。プロジェクトでは壁厚は変化するので、それに追従する必要があります。ファミリの壁厚に対して、最後の一ヶ所が「参照面が過剰に拘束されています」となり、パラメータを設定できなくなります。それは、壁厚がファミリでは決められないためで、どこかがクリアランスとなる必要があります。
重要なのは、どこがクリアランスなのかということです。オペレーション上、どこを変更すれば、どこが変わるのかということです。ユーザーは決めたい部分の寸法を修正すると、自動的に決まる寸法はどこなのかということです。

寸法パラメータの設定

・平面の設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。

①、建具の位置:特に留意すべきは、建具の入る位置と建具見込みの設定です。ここでは建具は壁芯に設定しています。(建具が内外どちらかに芯ズレする場合は、芯ズレのパラメータ設定をおこなう必要がありますが、今回は冒頭の理由により設定しませんでした。多くの場合、室内の壁厚は90~120程度がほとんどで、芯ズレするほどのクリアランスが無いためと、異常に複雑にならないためですです。)

②、建具見込み:建具はネストファミリで挿入し、位置合わせをおこないます。この場合、建具の位置で決めた位置から、参照面を書いて、建具見込みのパラメータを設定し、建具芯の参照面を書いて、見込み幅と建具中心をEQします。(引き違いは建具2枚なので、2ヶ所を設定します)

③、建具の位置の拘束:ネストする建具ファミリは、下図のように、建具幅ごとの中心参照面を書き、EQで中心位置を決めます。建具のしめし合せ部分を考慮し設定します。ネストした建具ファミリを、中心参照面に拘束し、建具芯の参照面に拘束します。この2ヶ所の拘束のみです。
建具ファミリは、後述します。


木製引き違い戸ファミリ-平面のパラメータ設定

・まぐさの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
マグサは、最上位のファミリの押出しで作成します。

マグサの断面とパラメータ設定


・敷居の断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
敷居はネストするファミリで作成し、最上位のファミリにロードし、位置あわせを設定します。
ネストするファミリのパラメータや設定方法は、後述する建具ファミリと同様の設定です。


敷居の設定



2、下位ファミリの設定

・建具ファミリ(ネストする)
 主要なパラメータは画面とおりとします。
ネストファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ名と、必ずしも同じにしなくても良いのですが、混乱しないためにも極力同じ名前にしたほうが作成しやすいと思います。

①、左右の参照面と正面背面の参照面を中心に作成する。
(必ずしも、そうでない場合もありますが、作成の方法にもよりますので、機会があれば別の機会に解説することにします)
②、パラメータは、最上位ファミリで関連付けしたいパラメータのみインスタンスに設定する。
(関連付けについては、後述)
ネストする建具ファミリの正面図


建具ファミリ-平面

・建具ファミリのパラメータ設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。



建具ファミリのパラメータ設定

・ひばたの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
「ひばた」をパラメータに設定します。


建具ひばた部分の設定

3、パラメータの関連付け

・最上位ファミリでのパラメータの関連付け
 全てのネストするファミリ(部品)をロードし、部品を選択すると「プロパティ」の「寸法」欄にネストされたファミリのパラメータが表示されます。各パラメータの右アイコンを選択すると、下記のようなBOXに最上位のファミリのパラメータが表示されますので、ネストファミリのパラメータと同類のパラメータを選択し、関連付けします。(当然ですが、違うパラメータを選択すると値が違いますので注意して選択してください)
また、「プロパティ」の「マテリアルと仕上げ」欄も同様に関連付けをおこないます。
これで、ネストされたファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ値に置き換えられロードされます。ということは、、、
ネストファミリの寸法やマテリアルのパラメータ値を修正する必要がなく、最上位ファミリのパラメータで修正できるということです。ということは、プロジェクトのタイプで作成しパラメータ値を入力し、独自のファミリにカスタマイズします。


最上位ファミリの関連付け


・動作
 最上位ファミリとネストファミリである建具のパラメータを比較してください。
例えば、最上位ファミリの「建具見込み」を変更すると、ネストファミリの「パネル厚」の値が変更されます。マグサの「ひばた」パラメータを変更すると、「ひばた」の値が変更されます。
最上位ファミリとネストしたファミリの値が関連付けされて、動作することになります。
その他、建具幅や建具高さなどの、関連付けしたパラメータは全て、最上位のパラメータでコントロールされます。
これまで解説してきたように、このようにネストすることによって、建具や取手などの部品であるファミリだけを修正カスタマイズし、違う部品を作成し、最上位ファミリにロードすることによって違うファミリをいたって簡単に作成することが可能となります。

※設計では、多種多様な形状やマテリアルが存在し、その都度作成しなければならないケースが多々あります。プロジェクトの度に、ファミリを無作為に作成すると、何がなんだか判らなくなります。そこで、基本となるベースファミリを作成し、それを基本にカスタマイズし増殖していく方法が、Revitの運用にはもっとも適していると思います。

私は、ファミリを管理するに当たって、下記のように明確化しています。
①、基本ファミリは、そのままで、プロジェクトごとにカスタマイズし保存する。
②、頻繁に使用するファミリは、基本ファミリとして保存する。

これだけでの解説では、理解できない部分もあるかと思いますが、全てをブログで解説することもできません。概要を理解すると解決する問題もあるかと思いますので、参考にしてください。


建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)

これまで建具ファミリ関連の基本事項を解説してまいりましたが、どのようなオペレーションをおこなえば、すばやく挿入できるでしょうか?
ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるように考えています。では、どこをパラメータ化するか?
Revitでは壁に建具ファミリが挿入されます。当然ですが、建具ファミリのホストは「壁」です。
実際の設計では、壁の厚さはプロジェクトによって、まちまちですから、作成した建具ファミリは壁厚によって、また、各部の寸法が自動的に変更されないと、その都度ファミリを修正しなければならなくなります。額縁の見付や建具見込み等、各部の寸法をケースバイケースで変更したい場合など、かなり煩雑ですから、パラメータによって自動的に変更されれば助かりますよね!
下記は、このような寸法をパラメータ設定した例です。

1、パラメータの設定の例
①、マテリアルのパラメータ設定


②、寸法のパラメータ設定


③、識別情報のパラメータの設定


2、木製親子開きドアの例:寸法のパラメータ修正による形状の変更




3、鋼製親子開きドアの例
①、平面関係のパラメータの修正による形状の変更


②、立面、断面関係のパラメータの修正による形状の変更



留意事項

建具ファミリは、タイプで作成します。
よく使用するタイプを予め整理し、標準仕様を決定しタイプを複製、修正して作成します。プロジェクトで使用するタイプは数が限られると思われますので、まず整えてからモデル化したほうがよさそうです。
ファミリの作成方法として、幅や高さをインスタンスとして設定する方法もありますが、プロジェクトで配置した後にそれぞれ幅や高さを作ると集計するときに困ります。幅と高さの違うタイプができてしまうことになり、幅と高さによる分類ができなくなります。
そのプロジェクトで作成したタイプは、プロジェクトの用途ごとに整理されていることになりますから、次回からテンプレートとして利用すれば効率がアップします。

外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成

【概要】

仕上表の作成方法は、いくつか考えられますが、Revit のチュートリアルでは「集計表」-「部屋」で作成する方法が掲載されています。 当初は漠然と作成していましたが、いろいろなパラメータを扱ううちに判ってきたことですが、(集計表の部屋で仕上表を作成する場合、カテゴリ別のパラメータ(ファミリ名とかタイプ名)を入れることができない。)ということです。「部屋」のどの壁面の仕上げか要素を指定しない限り部屋のカテゴリパラメータの集計は今のところ無理ということなんでしょう。他の床、天井等のカテゴリについても同様です。当然といえばそうでしょうが、なかなか具体的に理解できるまでには1年半近くも費やしました。
集計表の仕上表とカテゴリのパラメータ(各タグによる書込み文字等)は関連しないということで、整合性が保てないことになります。簡単に言えば、仕上表の文字の表記と各モデル要素の書込みタグは関係ないということです。それを踏まえて現状の Revit でどのように表現していくかを考えます。ここが改善されれば、すごいシステムになると思いますけど、例えば、部屋に内面している床、壁、天井、コンポーネントファミリ等のパラメータが扱えるようになるとかです。

手順として、ファミリが先に作成される、もしくは既存のファミリを使用することが多いので、タグの表記と仕上表の入力を確認し合わせなければならなくなります。仕上表が先か、ファミリの作成や編集(パラメータ)が先かと、複雑になります。主に、仕上の表記は下記のような問題点が考えられます。
  1. 仕上表は国交省建築工事共通仕様書による名称で表記する場合や商品名で表記する場合、キーノートによる場合など、まだまだ BIM の運用では統一されていないので、どのように表記するのか?
  2. 同じ仕上材の下地材が、数種類の場合は、どのように表記するのか?
  3. 同じ表層の仕上材でも、数種類の場合は、どのように表記するのか?
  4. 仕上材の品番は表記するのか?
  5. カテゴリの仕上名と仕上表の仕上名は手動で合わせなければならない。
  6. プロジェクトの種類、規模によっては表記内容が極端に違ってくる場合にどうするのか?
一つの方法として、下記のように作成し使い分けしてみました。
  1. ファミリ枠とパラメータで作成
  2. 集計表の部屋で作成
  3. 集計キーを使った、仕上げタイプで作成
  4. 凡例や製図ビューやファミリ-「文字」のみで作成
ファミリ(タイプ別の標準ファミリ)を作成すれば、名前を変えてファイルを保存し編集して、いろんなファミリを派生させて利用すればかなりの手間が省けます。

内外部仕上表の例

1、ファミリ枠とパラメータで作成

【外部仕上表ファミリ枠の作成】


まず、ファミリ枠を作成します。ファミリ枠の作成は、以前の【建築概要書の情報をパラメータにて表示】を参照ください。下図はプロジェクトの外部仕上表を選択した状態です。前回、共有パラメータで説明したように、「?」部分は「値」が無い部分です。選択を解除すると何も表示されません。例えば「外壁」も何種類かある場合もありますので、あらかじめ、3~4種類のパラメータを用意します。その他数種類表記が必要と思われる部位はあらかじめパラメータを用意します。
部位の欄に表示させたくなければ、ファミリから部位部分を削除しておけばOKです。
事前に設定した、「プロジェクト情報」-「パラメータ」-「マテリアルと仕上げ」の部分がそれぞれ、部位→「パラメータ」と仕上材料→「値」となり外部仕上表ファミリで表示されます。
前々回の、「プロジェクト情報等のプロパティ設定-2」と同じですから参照ください。
次に説明する、集計表の部屋で作成する方法でも作成できます。

外部仕上表のプロジェクト選択表示
外部仕上表のファミリ

2、集計表の部屋で作成

【内部仕上表を集計表の部屋で作成】


「表示」-「集計」-ドロップダウンリストから「集計/数量」を選択すると、下記のダイアログが表示されます。カテゴリから「部屋」を選択し、「OK」をクリックします。名前には「部屋集計」が自動的に設定されています。「集計表プロパティ」ダイアログが表示されます。

新しい集計表ダイアログ
集計表プロパティダイアログ

集計表プロパティで使用可能なフィールドから必要な「パラメータ」を選択し、「追加」をクリックし、集計済みのフィールド(順に)に追加します。順番は「上に移動」「下に移動」で並べ変えできます。内部仕上表では、下記のパラメータを選択しています。

集計表プロパティのフィールド追加

前々回、解説しましたが、改めて確認しますが、「共有パラメータ」を設定し、「プロジェクトパラメータ」へ設定したものが、下図のようになっています。「管理」-「プロジェクトパラメータ」を選択し、「プロジェクトパラメータ」ダイアログを表示し、「パラメータ」=「床仕上」を選択し、「修正」をクリックすると、「パラメータプロパティ」ダイアログが表示されます。「共有パラメータ」にチェックされていて、カテゴリは「部屋」、パラメータグループは「マテリアルと仕上げ」に設定されているのが確認できます。

仕上パラメータの確認

「集計表-フィルタ」の設定」

集計表-フィルタダイアログ
「集計表-並べ替え/グループ化」の設定


集計表の並べ替え/グループ化


「集計表-書式」の設定
  1. 「見出し」を編集する。
  2. 「非表示のフィールド」の設定:チェックを入れると非表示になる。

集計表-書式

「集計表-外観」の設定

集計表-外観

「仕上表」-「集計表」

下図は「値」を入力後の集計表。フィールド欄の右矢印をクリックすると、ドロップダウンリストが表示され、入力された部位の仕上げが出てきますので、同じ仕上は選択すれば、入力されます。


仕上表-集計表

「平面図」-「部屋」-「プロパティ」-「マテリアルと仕上げ」

平面図で作成された「部屋」を選択すると、「プロパティ」-「マテリアルと仕上げ」欄に設定したパラメータと「値」が表示されているのがわかります。「マテリアルと仕上げ」の「値」の欄で、直接入力もしくは変更することができますので、平面図のビューで部屋を選択しながら入力できます。仕上表(集計表)での入力時に部屋名と仕上げ欄が見難くて入力しづらい場合は、このほうが入力ししやすく楽です。また、集計表と同じように、「値」欄の右端をクリックするとドロップダウンリストで他の部屋の仕上げが出ますので選択することができます。当然、変更は集計表にも反映されています。

規定値で設定されてある「識別情報」-「床の仕上げ」、「壁の仕上げ」、「天井の仕上げ」などパラメータの編集はできません。「プロジェクト情報等のプロパティ設定-2」の説明のように、ここでも編集不可能なパラメータがあります。これらは使わずに、いままでの説明のように設定し作成するようにしています。
賛否両論あるとは思いますが、実際の設計図書では表記が不十分でパラメータを追加する必要がある為、入力する際に位置が整列されてなく離れていて見にくいので、あえてこのように設定しています。
RUGのRUTSで提供されている「仕上」機能でも、追加されたパラメータは「グループパラメータ」に関係なく入ってきますので使用できます。
規定値に合わせる場合は、「識別情報」-「床の仕上げ」、「壁の仕上げ」、「天井の仕上げ」をそのまま使用して、追加されたパラメータの「パラメータグループ」を「識別情報」に修正すると、「識別情報」グループに表示されます。慣れればどちらでもかまわないとは思います。

平面図



3、集計キーを使った、仕上げタイプで作成

【内部仕上表を集計表キーを使った仕上げタイプの集計表で作成】


集計キーを利用して、「部屋仕上スタイル集計キー」という、部屋ごとの仕上タイプを作成し、仕上表で「集計キー番号」を選択すると、仕上が一式入力されるものを作成してみます。

1、部屋仕上スタイル集計キー

「表示」-「集計」-「集計表/数量」を選択すると、「新しい集計表」ダイアログが表示されます。
「集計キー」をチェックし、名前に「部屋仕上スタイル集計キー」、キー名に「部屋スタイルキー」と入力します。名前は任意ですが、わかりやすい名前を付けます。カテゴリから「部屋」を選択し、「OK」をクリックします。


新しい集計表


集計表プロパティダイアログが表示されますので、使用可能なフィールドからそれぞれのパラメータを追加し、「OK」をクリックし終了します。今回は、規定値のパラメータを使用し、必要なパラメータを追加しています。(前記参照)


集計表パラメータ
下図のように、部屋仕上スタイル集計キーの集計表が作成されます。キー名部分を選択し、「行」-「挿入」-「データ行」をクリックします。行が1段追加され、キー名のフィールドに自動的に数字が表示されます。繰り返して、必要な行数を作成します。


初めの集計表
それぞれのフィールドに文字を入力します。フィールドの右をクリックすると、ドロップダウンリストで選択することも可能です。キー名の行には、仕上の組合わせタイプを作成していきます。必要数だけ作成すれば完了です。


部屋仕上スタイル集計キーの集計表


2、集計表の内部仕上表の作成

「表示」-「集計」-「集計表/数量」を選択すると、「新しい集計表」ダイアログが表示されます。
「建築コンポーネントを集計」をチェックし、名前に「内部仕上表」、と入力し、カテゴリに「部屋」を選択し、「OK」をクリックします。



内部仕上表の集計表-フィールドには、「名前」、と「備考」を追加します。「名前」は部屋が集計されます。
下図のように作成されましたので、「部屋スタイルキー」のフィールドで、「番号」を選択します。先ほど作成した「部屋仕上スタイル集計キー」のキー番号の一行が一括表示されます。「番号」は、A、B、C・・・でもかまいませんが、行を追加する際は、数字が続きますので、いちいち変更する必要があります。


内部仕上表
集計表プロパティ-書式の「非表示のフィールド」をチェックを入れます。




シートに内部仕上表をレイアウトします。

シートにレイアウトされた内部仕上表

この場合、「平面図」-「部屋」-「プロパティ」-「識別情報」の値は、グレー表示されます。変更不可能となりますので、「部屋仕上スタイル集計キー」を修正することになります。

  • 部屋のタイプ数が多い場合など、タイプを作れば簡単に入力することができます。
  • マンションなどの住戸で仕上げが違う場合などタイプを作れば間単になります。
  • 「部屋仕上スタイル集計キー」はドロップダウンリストが使えますので、同じ仕上げを何回も入力する必要はありません。
  • 建物の用途により、色々な仕上げが出てくると思いますが、これを利用することで、簡単な修正程度でカスタマイズすることが可能になります。

4、その他の表の作成

ヘルプで理解できると思いますので省略します。

カテゴリ、マテリアルと注釈の関係

1、カテゴリ、マテリアルの注釈を配置

外部仕上表、内部仕上表や各図面に注釈を付ける方法として、カテゴリ、マテリアルと注釈の関係を考えてみたいと思います。(建築をメインに説明しますので、構造やMEPは別のチュートリアルやブログ等を参照ください。)

例として、壁を見てみたいと思います。
1、プロジェクトで2種類の長方形の壁を適当に作成します。
2、「部屋」を作成し、部屋名をそれぞれに変更します。
3、「注釈」-「タグ」-「カテゴリ別にタグを付ける」を選択、オプションバーの「引出線」にチェックを入れ「自由な端点」を選択します。

1-1、壁と部屋の作成
オプションバーの「タグ」-カテゴリの「壁」からロード済みタグのタイプを選択し、「OK」をクリックします。
後で、説明する「タグファミリ」を作成し、ロードしていなければなりません。

1-2、ロード済みタグの選択

モデルの壁(要素)にカーソルを合わせるとタグが表示されますのでクリックし、引き出し線の位置、符号の位置をクリックし配置します。下図は配置した色々なタイプのタグの状態です。
では、各タグはどのようになっているでしょうか?詳しく見ていきます。

1-3、壁タグの配置

2、カテゴリの要素

壁のタイププロパティを見てみます。作成した壁を選択し、プロパティの「タイプ編集」をクリックすると、「タイププロパティ」ダイアログが表示されます。ちなみに壁はシステムファミリ:標準壁です。

1、「タイプ」=タイプの名前で、複製し名前を付けて作成します。例では、「コンクリート壁 t=150」 とします。
2、「タイプマーク」の値を「W15」とします。
3、パラメータの構造の右欄(値)をクリックすると、「アセンブリ編集」ダイアログが表示されます。


2-1、壁-プロパティ-タイプを編集ガイアログ

4、構成欄の2-構造[1]の「厚さ」「150」と入力します。
5、同じくマテリアル欄のボタンをクリックすると、「マテリアルブラウザ」ダイアログが表示されます。

2-2、アセンブリを編集

6、オートデスクのマテリアルのカテゴリ-「コンクリート」「名前」から「マテリアル」を選択します。
7、選択されたマテリアルは、プロジェクトマテリアル欄に表示されますので、右クリックし複製を選択し、名前を付けます。例では「コンクリート打放し」としました。
8、アイデンティの名前に表示されています。説明欄に説明を入力します。(空白でも可)
9、Revit 注釈情報の「マーク」「a」と入力します。

2-3、マテリアルブラウザの設定
10、外観からアセットを入れ替えから、アセットを設定します。複製してマテリアルを作成した場合は、必ず、アセット入れ替えをおこなってください。外観を変更した場合、複製前のマテリアルまで変更されてしまいます。
ここでは長くなりますので、詳しくは、ヘルプ-マテリアルを参照ください。

2-4、外観のアセットの設定
11、これで設定しましたので、各ダイアログで「OK」をクリックし終了します。


3、壁タグ

壁タグのファミリを作成します。新規作成-ファミリする場合の、注釈-壁のテンプレートが含まれていないことに気付きます。壁タグファミリを修正して作成します。

1、「壁タグ-タイプ名」

①、「挿入」-「ライブラリーからロード」-「ファミリをロード」から、programData/Autodesk/Libraries/Japan が開きますので、注釈/建築/壁タグ.rta を選択します。
②、図、【1-2、ロード済みタグの選択】での説明と同じように、「壁タグ」をプロジェクトで配置し、配置した「壁タグ」を選択して、「ファミリを編集」をクリックし「ファミリのエディタ」画面にします。書かれている文字ラベルを選択すると、下記の図、「ラベルの編集」ダイアログが表示されます。
③、「カテゴリパラメータ」から、「タイプ」を選択し、「ラベルにパラメータを追加」(真ん中のアイコン)をクリックすると、「ラベルパラメータ」に表示されます。サンプル値を入力し「OK」で終了します。
④、アプリケーションメニューから、「名前を付けて保存」-「ファミリ」で、「壁タグ-タイプ名」とし任意のホルダーに保存します。
⑤、「プロジェクトにロード」をクリックします。
⑥、図、「1-3、壁タグの配置」画面で、作成した「壁タグ-タイプ名」でタグを付けて確認します。
これで、図、1-3、のように壁タグが配置されました。

【注意点】
壁はシステムファミリなので、ファミリ名は「システムファミリ:標準壁」となっています。システムファミリのファミリ名は変更できませんので、パラメータを「ファミリ名」にすると、「標準壁」が表記されます。このようなシステムファミリの判りやすい注釈にするためには「タイプ名」、等で表記する必要性があります。


3-1、壁タグファミリの編集-タイプ名

以前説明した、図面枠パラメータ設定-パラメータプロパティの設定と同じ要領です。2、カテゴリの要素で説明した、壁の「タイプ名」が表示されました。

2、「壁タグ-タイプマーク」

もう、お気付きと思います。1、「壁タグ-タイプ名」と同じように、「カテゴリパラメータ」から、「タイプマーク」を選択し、「壁タグ-タイプマーク」と名前を付けて保存し、以下、同じように操作すればOKです。囲みは、「ラベル」-「タイプ編集」-「境界を表示」をチェックを入れています。


3-2、壁タグファミリの編集-タイプマーク

3、「壁タグ-マーク」

同じように、「カテゴリパラメータ」から、「マーク」を選択し、「壁タグ-マーク」と名前を付けて保存し、以下、同じように操作すればOKです。マークの囲みは線分-楕円で書いています。
壁の「プロパティ」-「識別情報」-「マーク」の「値」の欄で変更することもできます。
同じ、「値」が見つかると、メッセージが表示されますので、「値」が同じ場合もありますが同じものは変更されますので注意して変更する必要があります。


3-3、壁タグファミリの編集-マーク

【要点】

①、壁の「タイプ編集」「タイププロパティ」の設定を各壁タグで表示することができます。
②、図、1-3、で左側の「壁タグ-タイプマーク」を比較してください。2ヵ所共、同じ「W15」となっています。タイプマークですから、同じになることが判ります。
③、図、1-3、のように「壁タグ-マーク」を比較してください。2ヶ所ありますが、それぞれ、w1、w2 となっています。これは、それぞれの壁に対してのマークということが判ります。同じ壁タイプでも、符号を別にしたいときに、「マーク」を使えば表記ができるということです。
④、他にも、「カテゴリパラメータ」の組み合わせたタグを作成すれば、カテゴリパラメータ」の範囲で「マーク」+「タイプ名」等の表示をさせることができます。試してみてください。

以上のことから、ファミリのタイプ名の命名規則を決めて、判りやすい表示ができるようすることです。
壁タグのような命名では少し困る場合もあります。例えば、「ドアのファミリ」を見てみますと、ファミリ名=「片開きスチールドア」、タイプ=「W900×H2,000」、などになっています。これは、幅×高さのタイプを作成しているためです。このような場合は、壁タグのような設定だと「タイプ」が表示されますので、「ファミリ名」で設定しておけば、判りやすい表記となります。ファミリのカテゴリごとに、そのカテゴリに適したタグの設定をおこなう必要があります。
逆に言えば、システムファミリのファミリ名は自由にならないので、こちらのほうが特殊だと考えたほうが良いでしょうね。私は下記のようなルールで決めています。

※コンポーネントファミリの名前のタグ設定は、「ファミリ名」でおこなう。
※システムファミリの名前のタグ設定は「タイプ名」でおこなう。
※両方共、より詳しい表記が必要な場合は「タイプの説明」でおこなう。

建具タグの件は、ここでは長くなりますので、建具表の作成で説明したいと思います。

4、マルチカテゴリタグ

マルチカテゴリタグ-ファミリ作成は省略します。ヘルプを参照してください。
作成要領は、カテゴリタグとほとんど同じですが、「フィルタパラメータ」の設定が付加されています。
私は、どのような利用法があるのかヘルプ読んでも理解できておりません。コンポーネントファミリでの使用法はわかるのですが、ヘルプの【共有パラメータを部屋、壁、階段などのシステム ファミリのタグに入れることができます。】というところが、どうも理解できておりません。
とりあえず、作るだけは作ってみました。下図は配置した状態です。カテゴリタグと同じようですが、配置されたタグをクリックすると、「パラメータ値を変更」ダイアログが表示されます。ここの例では、「タイプマーク」と「タイプ名」を設定していましたが、タイプマークの「値」が変更できるようになっています。





パラメータ値を変更-ダイアログ

オプションバーの「タグ」をクリックすると、「ロード済みタグ」ダイアログが表示されます。これもおかしなもので、良く見ると【注:マルチカテゴリタグファミリは次に表示されていません。】とあります。何かテクニックがあるんじゃないかと思っていて、先ほどのヘルプの【共有パラメータを部屋、壁、階段などのシステム ファミリのタグに入れることができます。】と何か関係がありそうな気がしてますが、さっぱり判りません。何も無ければ、紛らわしいので、オプションバーの「タグ」の部分を選択できないようにしないと!、、、しばらく調べてみようと思います。





5、マテリアルタグ

ここでも同じように、オプションバーの「タグ」をクリックすると、「ロード済みタグ」ダイアログが表示されます。これもおかしなもので、良く見ると【マテリアルタグファミリはどこにも表示されていない。】状態です。「ファミリをロード」が使えるだけで、何の意味があるのかわかりません。マルチカテゴリタグと同様です。
「挿入」-「ファミリをロード」から選択してロードするか、ここからロードするかでしょう。・・・であれば、オプションバーに「ファミリのロード」があって、「タグ」は選択できないグレー表示にするべきと思います。
とりあえず、「マテリアルタグファミリ」を作成してみます。がしかし、ここでも、「新規作成」-「注釈記号」から、マテリアルのファミリテンプレートは見つかりません。どうするんでしょうか?
仕方ないから、部屋タグと同じように「マテリアルタグ」をロードし、編集するしかないようです。

※Autodesk 様、ユーザーはこんなちょっとしたことで、迷いこんで訳がわからなくなることを、理解していただきたいものです。それともヘルプのどこかに書いてあるのかな?すみません、ついつい愚痴が出てしまって、、、独り言ですから、、、



カテゴリタグと同様に設定します。要領はほとんど同じですから、説明は省略します。


マテリアルタグファミリの編集
以上のように設定が終わると、「マテリアルタグファミリ」を名前を付けて保存します。マテリアルタグ名は、それぞれ、「マテリアルタグ-名前」、「マテリアルタグ-マーク」、としました。

2、カテゴリの要素で説明したように、名前に、「コンクリート打放し」、Revit 注釈情報のマークに「a」と入力していました。「マテリアルタグ-名前」、でタグを配置すると、「コンクリート打放し」、と表示され、「マテリアルタグ-マーク」、でタグを配置すると、○記号の「a」が表示されます。

2-3、マテリアルブラウザの設定

1-3、壁タグの配置

【要点】
「カテゴリタグ」と「マルチカテゴリタグ」と「マテリアルタグ」の違いが、理解できたと思います。
「マテリアルタグ」は、要素に設定されたマテリアルのパラメータが表示されるのが判ります。

「マテリアルタグ」→は主に、立面図、展開図、詳細図等の表層部分を表現する場合に利用できます。
「カテゴリタグ」→は主に、平面詳細図、矩計図、詳細図等の断面部分を表記する場合に利用できます。
特に決まりはありませんが、各社の事情に合わせて、どのような表現にしたいのかで、組み合わせを作ればいいと思います。

建築概要書の情報をパラメータにて表示

建築概要書のファミリ枠の作成

まず、建築概要書の図面に使用する、建築概要書のファミリ枠を作成します。ファミリの作成については、前々回掲載しましたが、改めて、「新規作成」-「ファミリ」-「図面枠」-「テンプレート図面枠」を選択し作成します。会社によって、それぞれの表記法があると思いますが、私は下記のように作成しておりますので参考としてください。
【要点】
1、自社図面枠ファミリとは別にし、概要書と必要最小限の図形・文字のみで作成する。
2、建築確認申請の書式の項目に従って、要約して表示する。
 ※申請書類作成の際に見やすいことや、後々のための建築確認申請書へのデータが利用できるように、パラメータを準拠しておくようにします。
3、設計図書に表記しない、確認申請書の項目はとりあえず省く。(労力が増えるので)
4、現状のRevitの機能の範囲内で、プロジェクト情報のパラメータ、集計表を利用する。
 ※Revitの集計表の機能上、少数点以下の制御に不都合がありますので、現在はパラメータの利用は避けいます。長くなりますので、集計表のまたの機会に掲載したいと思います。

建築概要書ファミリ枠

建築概要書の(図面)シート作成

プロジェクト画面に戻って、下記の図面は、建築概要書の(図面)シートです。ファミリを選択した状態を表しています。自社図面枠ファミリとは別になっています。選択された部分が、青くハイライトされています。「?」が表示されていますが、入力されていない「パラメータ」(値の無いパラメータ)です。普通の黒文字の部分がありますが、ファミリ以外のパラメータではない部分です。主に、普通の文字入力や、集計表の貼り付けで表示させています。
【要点】
1、青くハイライトされている部分は、ファミリです。
2、右側の上は「製図ビューの付近見取り図」を貼り付け、下は、「平面図-意匠図-配 置 図」で貼り付け、その外枠は、A4サイズの枠ファミリを貼り付けしています。
 ※このA4サイズは申請の際に利用する「建築計画概要書-第3面」で、A4のシートを作成して印刷し利用します。


建築概要書の(図面)シート

建築概要書のシートとファミリの比較

下図は建築概要書のシートの表示です。

概要書(上半分)シートの表示
下図は建築概要書のファミリの表示です。

概要書(上半分)のファミリの表示
下図は建築概要書のシートの表示です。


概要書(下半分)のシートの表示
下図は建築概要書のファミリの表示です。


概要書(下半分)のファミリの表示
各シートの表示と各ファミリの表示を見比べてください。ファミリにパラメータがある部分は、シートにパラメータの「値」が表示されているのがわかります。ファミリにパラメータが割り当てて無いヶ所がシートで表示されているヶ所が、シートによる普通の文字入力や、集計表の貼り付けで部分です。
集計表の貼り付け部分は、各必要とされるものを、あらかじめ集計表で準備して、シートに貼り付けておきます。
極力、文字入力を省き、少ない入力で図面に反映させることが目的ですから、一度、作っておけば後は、パラメータの「値」や集計表を作成すれば自動化が図れます。
パラメータの設定については、前回、掲載しましたので、することは同じですから試してみてください。1ヶ所成功すれば理解できると思います。

図面枠のパラメータ設定

図面枠ファミリの編集開始

あらかじめ作成された図面枠ファミリをプロジェクト画面で選択し、ファミリ編集をクリックし、ファミリ編集画面に移り編集を始めます。赤囲み部分がパラメータにする部分で、その他は文字入力する部分です。
次の「ラベル配置」でそれぞれの部分に配置していきます。(あらかじめ作成された図面枠ファミリに「文字」で作成されている場合はそれぞれ削除しながら新規に「ラベル配置」していきます。新規の場合は赤囲み部分を新規で配置するということです。)

図面枠ファミリのタイトル部分

ラベルの配置

「作成」-「文字-ラベル」を選択し、左側のプロパティの「ラベル3mm」のところをクリックし、ラベルの任意の文字サイズを選択し、図面枠の挿入したいところにクリックすると、ラベル編集BOXが表示されますので、赤囲みの「パラメータの追加」をクリックします。

ラベル編集-画面-1

パラメータプロパティの設定

前回解説したように、パラメータを登録しておりますので、それを呼び出し設定します。
「パラメータプロパティ」のBoxが表示されますので、「選択」をクリックし、「共有パラメータ」Boxを表示します。
「パラメータグループ」で任意のカテゴリを選択し、配置したい「パラメータ」を選択し、「OK」をクリックします。


ラベル編集-画面-1、に戻りますので、左側のカテゴリパラメータ内に、先ほど選択した「パラメータ」が入ってハイライト表示されていますので確認し、「⇒矢印のラベルにパラメータを追加」をクリックすると「ラベルパラメータ」に入りますので、「サンプル値」(任意のわかりやすい文字)を入力します。
【補足説明】
パラメータは数個「ラベルパラメータ」に入れることができます。右端の「分割」にチェックを入れると2段で表示されるようになります。その他「接頭表記」、「末尾表記」等は、ヘルプを参照ください。


これで、ラベルの配置が完了しましたので、「保存」(図面枠ファミリの上書き保存)-「プロジェクトにロード」をクリックし、プロジェクト画面に戻ります。

プロジェクトのプロパティに表示するために、「プロジェクトパラメータ」を追加する

先ほど、図面ファミリに設定した、「パラメータ」「縮小スケール」を、プロジェクトのプロパティのカテゴリに設定、表示させ、「値」を入力できるように設定する。
「管理」-「プロジェクトパラメータ」をクリックし、「プロジェクトパラメータ」Boxを表示させ「追加」をクリックする。
「パラメータプロパティ」Boxが表示されるので、先ほどと同じように、「共有パラメータ」にチェックを入れ、「選択」をクリックし、「共有パラメータ」Boxを表示させ、「パラメータグループ」から「識別情報」を選択、「パラメータタイプ」から「縮小スケール」を選択し、「OK」をクリックする。


「パラメータプロパティ」Boxに戻るので、「カテゴリ」の中から「シート」にチェックを入れ、「パラメータグループ」「グラフィックス」を選択、「OK」をクリックし完了する。



これで、プロジェクト-プロパティ(図では左側部分)-「グラフィックス」カテゴリ下に、「縮小スケール」が設定され、値が入力できるようになり、縮小サイズで図面の出力をおこなう場合には、任意の縮尺を入力すれば、図面枠の部分に表示することができる。

以上の要領で、プロジェクト-プロパティの任意のカテゴリに、任意のパラメータを設定することができる。
「図面枠ファミリ」は1枚用意し、プロジェクト情報の設定をおこなえば、パラメータの値はそれぞれのシートに飛んで行くので、いちいち入力する必要がなくなります。自社枠をどのように表示するのかを決めさえすれば、後は設計時に「値」を入力するだけということになります。

「図面リスト」については、集計表の機能になりますので、後回しにし、
次回は、「建築概要書の情報をパラメータにて表示」の方法を載せたいと思います。

プロジェクト情報等のプロパティ設定-2

前回では、いきなり、ファミリ図面枠のプロパティ設定方法が出てきましたが、最初はこんなものがあるんだなと流してください。プロパティの設定では関連する項目が多いので、全体を網羅して初めて理解できるようになります。これから、プロパティ関連を一つづつ説明していきます。 Revitに元々あるパラメータだけでは、設計する上で足らないと感じるはずです。徐々に関連するパラメータの利用法を掲載していきますが、たとえば、建具表とかの仕様の欄が足らないので増やし、建具ファミリのタイププロパティのタイプパラメータの識別情報を設定し、仕様の書込みを自動化するなんてことも簡単にできるようになります。 パラメータの設定では概略ですが次のようなことをやっていきます。
  • 1、図面枠、図面リストの情報表示
  • 2、建築概要書の情報をパラメータにて表示(クライアント名、設計者等、面積等の表示)
  • 3、外部仕上表、内部仕上表の情報をパラメータにて各図面にタグ(符号付)で表示する。(各伏図、立面図、矩計図、展開図、詳細図等)
  • 4、外構図の情報をパラメータにて表示
  • 5、アセンブリ機能で詳細図を書く場合の仕上げ仕様情報をパラメータにて表示する方法
一つお断りですが、BIMの運用に関しての基準等は考慮しておりません。まだまだ、あいまいな部分や決められないことも多くあると感じます。(私だけでしょうか?認識不足なら、ごめんなさい!)私はRevitを使用して現在いかに設計ができるかということを考え徐々に基準が整えば、それに合わせていこうと考えています。いろんな方のBIM利用法があり個性もあっていいんじゃないかと思います。いろんな方のご苦労でエクステンションが出ており重宝しております。(ありがとうございます)今後、このような使えるものがどんどん出てきてRevitも発展するでしょうが、私は現在どのように使いこなすかが当面の課題です。素のRevitでどこまでできるか追求していきたいと思っております。それらをAutodeskさんが汲み取って頂き、機能強化していただければと期待しております。 少し脱線しましたが、まずはプロジェクト情報から説明していきます。

プロジェクト情報

「メインメニュー」-「管理」-「プロジェクト情報」をクリックすると、「プロジェクトのプロパティ」ダイアログBOXが出てきます。パラメータと値の欄が表示されています。その下にカテゴリ別の「識別情報」があり、その下に設定したパラメータが表示され、「値」の欄に、情報(値)を入力していきます。 後先になりますが、下記で説明するプロジェクトパラメータと共有パラメータを先に設定する必要があります。 どのように利用するか、わかっていただくために、プロジェクト情報の画面説明をしております。
識別情報の欄表示
下図はカテゴリの「識別情報」を非表示(その欄の右端にある矢印をクリックする)しています。 このように、パラメータが多くなるとガイアログがタテに長くなりますので、ここで表示・非表示をコントロールします。
マテリアルと仕上げ、エネルギー解析、その他の欄表示
余談ですが、新規のプロジェクト情報は下記のようになっています。 「プロジェクトのプロパティ」-「ファミリ」には「システムファミリ:プロジェクト情報」となっており、「タイプ」、「ロード」、「タイプを編集」がグレー表示となっており編集できない状態になっています。これは、システムファミリでRevitの初期設定状態と考えたほうがわかりやすいと思います。パラメータには、初期状態で図のような扱えないパラメータがすでに設定されています。「値」は当然入力できます。 独り言(Autodeskさん、せめてタイプ編集でカスタマイズできませんかね?タイプがあるとここでプロジェクトを設定しやすくなると思うんですが、、、そのまま使うパラメータもありますが、パラメータの管理上どれがシステムのパラメータか判断しずらい。現在あきらめています。何にか良い手立てはないでしょうか?ご存知の方がいらっしゃれば教えてください。上図のように作る場合は、不要なパラメータがわずらわしくなりますし、、、)まぁ~システム上の難しい事情がおありになるのでしょうが!
 
では、各パラメータはどのように設定するのでしょうか。

プロジェクトパラメータ

同じく、「管理」-「プロジェクトパラメータ」をクリックすると、プロジェクトパラメータのダイアログBOXが表示されます。プロジェクトパラメータとは、このプロジェクトだけに設定されたパラメータです。他のプロジェクト、ファミリには共有(反映)することができません。共有するためには、共有パラメータを使用します。
プロジェクトパラメータの画面

共有パラメータ

「管理」-「共有パラメータ」をクリックすると、プロジェクトパラメータの共有「パラメータの編集」BOXが表示されます。
共有パラメータの画面
「共有パラメータの編集」では、「共有パラメータファイル(S):」、「パラメータグループ(G):」、「パラメータ(P):」とそれに付随するボタンが用意されています。
共有パラメータの編集
(1)パラメータグループの作成 右下の「グループ」-「新規作成」でグループ名を付けて作成します。作成するとパラメータグループ(G)下のBOXに表示されるようになります。その下は読んでのとおりの機能です。 クライアント情報、設計情報、建築概要、外部仕上、内部仕上、建具、面積、外構、構造、給排水衛生設備、空調換気設備、電気設備等々、あくまでも参考程度ですが、プロジェクトそれぞれのカテゴリを設定し作成するといいでしょう。 (2)共有パラメータファイルの作成 「パラメータグループ」-「パラメータ」を設定した上で、固有の共有パラメータファイルの作成をおこないます。 「作成」をクリックし、適宜フォルダーに作成・保存します。(参考:一般事務所プロジェクト-共有パラメータ.txt) このように、プロジェクトタイプごとに既存の共有パラメータファイルを編集し保存しておくと、次回の物件で「参照」から選択、ロードし使用するようにします。 初めから、パラメータグループのカテゴリ分けや、パラメータの設定がしっかりしたカテゴリになっているとは限りませんので、どんなパラメータを作成したら良いのか充分検討した上で取り組むようにします。一度設定すると、ファミリ枠にしろ、建具ファミリにしろ、後からいじくるのは大変な手間を要しますので、ここまで作り込むめば、そのプロジェクトはそのまま使用したほうが得策と思います。 次回のタイミングでカスタマイズして、共有パラメータファイルをバージョンアップ・ファイル名を変えて保存すれば、徐々にしっかりした内容になると思います。 (3)パラメータの編集(設定) パラメータの「新規作成(N)」をクリックすると、パラメータプロパティBOXが表示されます。名称部分に「パラメータ」の名前を入力、「専門分野」からカテゴリを選択、「パラメータタイプ」からタイプを選択し、「OK」 をクリックします。(パラメータタイプについては、ヘルプを参照ください。例:クライアント本社=文字)
必要な分を設定すれば共有パラメータの設定は終わりましたので次に進みます。 プロジェクトパラメータをその都度設定することもできますが、後のプロジェクトですぐに使えない、管理がしにくい等の問題がありますので、私は共有パラメータを構築することをお勧めします。

プロジェクトパラメータの設定

設定した共有パラメータで、ようやくプロジェクト情報に表示する準備ができました。「管理」-「プロジェクトパラメータ」をクリックし、プロジェクトパラメータを表示させます。「追加」クリックで「パラメータプロパティ」が表示されますので、共有パラメータにチェックを入れ、選択ボタンをクリックします。
プロジェクトパラメータの設定
すると、「共有パラメータ」の選択BOXが表示されます。(前の「共有パラメータの編集」のBOXとは異なっているのに注意してください。(混乱しないように)目的のパラメータグループを(下図ではクライアント情報の部分)から選択し、目的のパラメータ(クライアント本社)を選択し「OK」をクリックします。
共有パラメータの選択画面
「パラメータプロパティ」に戻りますので、「インスタンス」をチェックし、カテゴリの「プロジェクト情報」、にチェックを入れ、「パラメータグループ」より「その他」を選択します。
パラメータデータの名前には、先ほど選択したパラメータがグレー表示されています。
「OK」をクリックし、「プロジェクトパラメータ」が表示されますので、「OK」をクリックして終了します。
共有パラメータ選択後のパラメータプロパティの画面
「パラメータグループ」「その他」を選びましたが、「プロジェクト情報」のパラメータのグループ部分を指します。「プロジェクト情報」を表示してください。上図の「マテリアルと仕上げ、エネルギー解析、その他欄の表示」の、その他の欄にパラメータの「クライアント本社」が表示されています。「値」欄に文字を入力しこれを利用してていきます。「文字」を選択した場合は、「プロジェクト情報」のパラメータのグループ部分に「文字」のグループが作成されます。整数・実数・文字・・・等とは違います。あくまでもグループの名称です。勘違いしやすいところです。
表示させたい、グループを選び、パラメータを表示するという具合になります。カテゴリは表示させる場所と理解してください。他のカテゴリにチェックを入れ、数ヶ所にパラメータを表示させることも可能です。しかし、紛らわしくなりますので、特別の場合以外には、あまりお勧めしません。
いろんなカテゴリを選択して、どこに表示されるか試してみるのも良い方法だと思います。意外とRevitの成り立ちが理解できるかもしれません。
さて、次回は冒頭に記しましたように、各図面へのパラメータの表示方法を載せたいと思います。

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