BIM建築設計
プランニングピープル

外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成-2(続編)

仕上げの文字について

2016/6/26 「外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成」を掲載したが、このブログで一番アクセスが多かったのが「外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成」である。以降、このラベルは、Revitの機能で改善がみられないため、ぜんぜん進歩がみられない。どこかのブログで、3Dの脳・・というのがあったが、まさに同感である。まず手始めに、設計図書を作成するためには、同上の表を作成する必要があるため、必然に2Dで出来るものとなるのであろう。しかし、他にクリアすることはいくつもある。当然、同上の表関連は必修ではあるものの、3Dモデルに情報が含まれて初めて、BIMであると思う。もう少し、3Dの脳を持ったほうが、Revitは楽になるのだが。

Autodesk Community のアイデアで、今年、投稿させてもらったが、部屋を配置した際に、床、壁、天井の仕上げ(マテリアルで)が集計できないかというものである。
外部仕上表、内部仕上表、凡例表の作成も掲載で述べていたが、今のところ「仕上げ」は、文字で、ユーザーが書かなければならず、モデルとはまったく関連していない。インフォメーションモデリングと言えるの?と思ってしまう。

Revitには、「計算ポイント」というのがあるが、家具や建具を配置した際に、「部屋の計算ポイント」で、どの部屋に配置されたか値を返してくれる。これに似たような機能で、床、壁、天井のそれぞれのカテゴリには、マテリアルが設定されているので、その部屋の全ての仕上げの値、数量を返してくれないかと思う。
いつになるか、はたまた改善されるか不明だが、アドオンプログラムでなく、Revitで実現してもらいたい。ぜひとも、ユーザーの皆さんでプッシュして頂ければと思う。


表内の文字のコントロール

ver2017以降の文字の機能アップにより、これまで作ってきたファミリの文字の調整を迫られることになってしまった。そのままでは、文字が大きく表示されてしまう。
ver2017or2018にアップするには、これまで作成したファミリの全ての文字サイズを小さく修正しなければならない。(5年間の数千~いや万以上かもしれないファミリ・・・あ~ぁ!内容はたいしたこと無いが大変だぁ! 仕方ないこの際ファミリの内容をもう一度見直そう!)

建具ファミリを修正するとき、ふっ!と思いついたのが、表中に書かれた文字が、表を大きくしたり、小さくしたりする際に、ある位置関係で、追従してくれないかと言う機能である。

設計図書の作成では、凡例や概要書、建具表など頻繁に使われる。大きさが変わるたびに、文字の位置を調整・修正するのは大変である。そこで今回は、建具表ファミリ(枠)を例に挙げて解説する。
建具ファミリは、REXJ の建具表の機能で使用する建具表の枠とパラメータ値を表示させるために使用するファミリであり、私も実用で頻繁に利用している。

話が脱線するが、

今回、バージョンアップの際に、バグが見つかったので、Autodesk社に報告したところ、やはりバグだと判りプログラムを修正するそうです。
すでに、ver2017or2018を使っているはずだが、REXJの建具機能は意外と皆さん使っていないようである。(Revitで実施設計までは、やってないということか?もしくは、2D製図ビューで・・・?)

下記バグ内容は、ver2016で作成したドアファミリが正常に表示されていたものが、ver2017or2018で起こった現象である。

1、断面図ビューの向きが裏表逆になる。
2、 建具枠にハッチングが表示される(前方クリッピング位置が建具枠の中心に近くなり断面が表示されたり、ドアハンドルが表示されない現象)
3、建具表の建具姿図作成での中心からのズレ(片引きドアなどの、参照面の中心(左右)より両端がEQで無い場合に姿図がずれる現象)

1、2、は報告後、早々に現在修正が完了し、修正により他ファミリや窓に影響が出ていないか、Revitデフォルトのファミリや窓で確認を行っているとのこと。
3、修正内容は、現在修正中で、対応でき次第リリース処理予定となっているとのこと。
以上、すばやい対応に感謝します。
って言うか、弊社は修正されるまで、ver2017or2018には移行できないな!


建具表ファミリのカスタマイズ

1、どのようにしたいか?

①、図面枠に建具ファミリが分割数で配置できること
②、その際、表中の文字位置は、大きさの変更に伴い追従すること

2、図面枠

A2図面枠の場合、ヨコ=594、タテ=420、印刷範囲(印刷機のマージンによる)を上下左右10mmずつ取り、タイトル欄のタテ=15mm(各自自由な寸法による)とした場合は、有効寸法は、ヨコ=574、タテ=385となり下記のようになる。



3、分割

図面枠の中に、建具表ファミリ(枠)を入れる場合に、有効寸法から、クリアランスをタテヨコ左右それぞれ5mmずつ取るとして、残りの寸法は、ヨコ=564、タテ=375となる。
建具表ファミリをこの中に割り付ける場合、ヨコ(6、5、4、3、2)分割、分割しないとした場合(564)、タテ(3、2)分割と分割しない場合(375)程度を想定すれば足りる。

①、分割するヨコ寸法:564/6=94、564/5=112.8、564/4=141、564/3=188、564/2=282
②、分割するタテ寸法:375/3=125、375/2=187.5、尚、タイトル欄上に余白を設けたい場合は、分割数によるタテ寸法数値以下であれば、自由設定し、余白を設けることが出来る。

4、建具表ファミリ

①、建具表ファミリのグループ分け

・元となる建具ファミリをロードし、名前を変えて保存しカスタマイズする。
・各自表現したいフォーマットにより、適宜、枠の線分と文字、ラベル(パラメータ)を配置し、建具表ファミリを作成する。
・次に、「グループ作成」で、一つの固まりとしてグループ分けをする。(下図は4つのグループに分けた)


・固定したい部分の文字、ラベルと線分を選択しグループに加える。


・グループの編集を終了し、グループに加えた線分に寸法を作成し、寸法を拘束する。
これで、加えた線分は固定され、ヨコの寸法が変わっても左側は固定された状態となる。
ちなみに、タテの欄は、全て固定とする。


・次にグループ2、3も同様に設定する。





・タテヨコの寸法に、ラベル、W、Hをタイプパラメータで設定する。
・新しいタイプをそれぞれ作成し、パラメータ値のW、Hの値を、3、分割で決めた値(赤の数値)を入力し、タイプを完成させる。


・最後に、タイプを任意に選択して、大きさが変わるかテストをおこない完了する。


後は、プロジェクトにロードし、REXJの建具表機能で作成したファミリタイプを選択て作成すれば良い。
また、REXJの建具表機能で、一枚の建具表に表の大きさの違うものを混在させたい場合は、プロジェクトで一つの建具を選択して作成すれば良い。但し、分割数と割付は、上記の設定を考慮しいくつ入るか考えておかなければならない。工夫次第でどうにでもなることです。

ファミリ文字 2017.10.19
ファミリと集計表について

ファミリと集計表の意外と気付いていない関係について解説する。
言うまでも無く、ファミリには3つの、システムファミリ、ロード可能なファミリ、インプレイスファミリがある。詳しくは、下記の Autodesk のヘルプ(ver.2016)を参照して頂きたい。

さまざまな種類のファミリについて

システムファミリやロード可能なファミリと
インプレイスファミリの集計表の相違点

インスタンスファミリとは、プロジェクトのみで作成されるファミリのことだが、集計表で集計する場合にパラメータ値が返されないものがある。
下記の通り、3つのカテゴリを比較してみた。

1、壁

下記は、システムファミリである壁の横にインプレイスファミリで壁を作成した。


上記の集計表は下記のとおりである。
下段より2つ目が、インプレイスファミリで、各空欄部分はパラメータ値が返されないのが判る。
各空欄のパラメータ値と相違があり、集計表では使えない。

余談だが、壁の集計表にはパラメータのレベルがなく、「下部の拘束」と「上部の拘束」のパラメータで、集計するようになる。



2、構造梁

下記は、ロード可能なファミリの構造梁の上に、インプレイスファミリで増し打ちを作成した。


上記の集計表は下記のとおりである。
上段がインプレイスファミリで、各空欄部分はパラメータ値が返されないのが判る。
また、ロード可能なファミリはレベル値が返ってきて、レベルごとに集計できるがインプレイスファミリではレベル値が返されない。
このように、構造梁のようなファミリを安易にインプレイスファミリで作成するとこのような結果となり実用的でない。
階別に集計できず非常に煩雑であり、インプレイスファミリを使用するのは適当でない。
やはり、梁のファミリで打ち増しをカスタマイズするしかない。



3、家具

下記は、ロード可能な家具ファミリと、インプレイスファミリで作成した家具である。


上記の集計表は下記のとおりである。
上段がインプレイスファミリである。
ロード可能なファミリはレベル値が返され、レベルごとに集計できるが、インプレイスファミリではレベル値が返されない。



※このような場合、インプレイスファミリは集計表で支障がある。
プロジェクトのみ使用するファミリとして、計画的に区別して利用すべきで、
ファミリの管理もしずらいので、極力、ロード可能なファミリとしたほうが得策である。

ファミリ集計表 2017.10.13
鉄骨造-壁サイディング-屋根折版のモデリング-1

基本・実施設計でのオペレーションを題材に取り上げるが、今回は、鉄骨造-壁サイディング-屋根折版のモデリングで、意匠(構造は意匠の見えがかりとして表現する範囲)を対象とする。

手順:下記の項目に分類し解説する。

1、壁の作成:サイディング重ね壁等
2、構造モデリング:柱、梁等
3、雑壁・板金モデリング
4、屋根モデリング:折版・折版板金モデリング
5、樋モデリング
6、胴縁モデリング

モデリング

1、壁の作成:サイディング重ね壁の作成

設定
①、建具が挿入されることを前提に、一発で壁が切り取られること。
②、サイディング壁の下部は、水切り鉄板付きとする。

後に建具を挿入する場合に、基礎立上りと上部の壁を「重ね壁」にして一括してボイドで切り取られ、挿入される。
下部コンクリート立上りは、上部の水切り鉄板が付くための欠き込みをプロファイルで設定する。




2、鉄骨の柱、梁の入力

①、2SL~水上の勾配で参照面を入力し「SL梁天端」など任意の名前を付ける。
②、柱入力:
③、梁入力:参照面を作業面として設定し、梁のX方向はレベルで入力し、高さを調整する。梁のY方向(勾配方向)は作業面で入力する。




3、雑壁・板金モデリング

①、パラペット廻りの雑壁・水切り板金モデル
※壁:造作材(笠木や水切り)の入力のコツは、壁の内外部のどちらかの面やエッジをヒットするため、ヒットする側を、外部・内部側のどちらか一方のみで連続しておこなうと良い。




4、屋根モデリング:折版・折版板金モデリング

①、折版H166-I型のモデルと水上水切り・ケラバ水切りのモデル
※平面で勾配がある場合は、フリップコントロール、インスタンスドラッグは非表示となるため、コントロールするには、平行なビューを開く必要がある。
面で配置する際、折版の山部分が狭くてやり難い場合は、折版の山部分に参照面を設定し、作業面でおこなうと良い。


②、折版H90-I型のモデルと水上水切り・ケラバ水切りのモデル



5、樋モデリング


①、樋のモデル



6、胴縁モデリング

①、胴縁のモデル
工場、倉庫などの内装がスケールトンの胴縁を表現したい、平面詳細で胴縁を表現したい場合など、構造トラスを利用したファミリを使うと良い。
解説ビデオでは、建具の開口部の編集まではおこなっていないが、簡単に修正できるので略する。




その他

その他必要と思われるモデリングは、基礎、タテ樋、内装、断熱材、図面表記等が考えられるが、今回は大まかに壁と構造、折版のモデルについておこなった。
その他は、別の機会に記載していきたいと思う。

折版重ね壁鉄骨造 2017.10.11
[線種・線の太さ・線種パターン]

既定値
1、線種
建築テンプレートで新規プロジェクトを立ち上げます。「管理」「設定」「その他の設定」で、「線種」をクリックし見てみますと、下記のとおりです。
よく見てみると、右下に「サブカテゴリを修正」とあり、「新規作成」「削除」「名前変更」とありますが、「削除」「名前変更」の、サブカテゴリはグレー表示されていて扱えません。これは、システムで使用される線種18種ということが判ります。但し、「線の太さ」「線の色」「線種パターン」は変更することができます。



これを、下図のように、分類してみましたが、上部の[システム線分]とあるのが、上記。規定値の線種で、18種類(下記図は、メッシュ筋、メッシュ筋エンベローブを除く)あることがわかります。
下部は、後に解説する弊社が新規作成した線種です




2、線の太さ
「管理」「設定」「その他の設定」で、「線の太さ」既定値を見てみると
①、「モデルの線の太さ」とあり、スケールにより線の太さが設定できるようになっていて、16種類の設定が出来ます。また、「追加」で、ダイアログボックスにあるスケールを追加することができます。(リストに無いスケールは設定できないようです)


②、「パースの線の太さ」の既定値です。
16種類の設定が出来ますが、「追加」のダイアログボックスはありません。





③、「注釈線の太さ」の既定値です。
16種類の設定が出来ますが、「追加」のダイアログボックスはありません。




3、線種パターン
「管理」「設定」「その他の設定」で、「線種パターン」既定値を見てみると
21種類の線種パターンが用意されています。



拡張設定値
1、線種
「管理」「設定」「その他の設定」で、「線種」を下記のとおり「新規作成」します。
前記のとおり、「サブカテゴリを修正」、「削除」「名前変更」の、サブカテゴリはグレー表示されていて扱えませんので、新規作成したものとは区別できます。
ここで、注目したいのは、前記の「システム線分」の「細線」「中線」「太線」「線分」は、そのまま残しています。
これには理由があり、一つの案です。
例えば、他のファミリやプロジェクトからモデルを、この設定のプロジェクトにロードした場合、問題になります。事前に調べない限り、設定のわからないもの(「システム線分」の「細線」「中線」「太線」「線分」)で設定されていたとすると、他のファミリやプロジェクトの線種の設定と食い違うからです。それをロードするとき、その持っている[線種・線の太さ・線種パターン]の値が上書きされてしまうからです。他のものを、ロードするたびに、この設定した[線種・線の太さ・線種パターン]が変わってしまいます。
これを防ぐため、自社で拡張する設定は、「システム線分」の「細線」「中線」「太線」「線分」を直接使わないようにします。こうすることで、少なくとも「細線」「中線」「太線」「線分」は使用していませんから、「細線」「中線」「太線」「線分」が上書きされることになり、直接的な問題は回避されます。
しかしながら、拡張設定したものと、ロードする中に、同じ名前があれば、それらも上書きされます。
これらをロードする前に、逆に設定をロードするものに上書き(プロジェクト標準を転送)してからロードします。
これで、「細線」「中線」「太線」「線分」の設定値や拡張設定値が、使われることになります。


プロジェクト標準を転送

良くあることですが、他からいろんなものをロードすると(DWGデータからも入ってきます。)、知らない「線の太さ」「線の色」「線種パターン」が、いっぱい入ってきますので、こまめに整理しなければなりません。新規のプロジェクトでは、拡張された設定で始めるのが得策です。(でなければ選択するのに多すぎて困りますよ)



2、線の太さ
「管理」「設定」「その他の設定」で、「線の太さ」を拡張する。
①、これは弊社の設定です。見栄えに付いては言うまでも無く各自で設定するものです。
また、下記のURLに関連する設定がありますので、参照ください。
壁の共有エッジの設定



②、「パースの線の太さ」




③、「注釈線の太さ」



3、線種パターン
「管理」「設定」「その他の設定」で、「線種パターン」を新規設定します。
弊社の設定と判るように、「P」を付けています。既定の線種パターンとは別に設定します。
理由は、前記と同じです。



プロファイルの利用テクニック-2

利用テクニック-1では、プロファイルの基本的なテクニックと、それを利用した「アルミ笠木」のモデル方法を解説しました。

次に、壁に、「造作材」や「目地」を入れるには、「壁」/「壁:造作材」、「壁:化粧目地」を利用します。「アルミ笠木」と同じように、プロフィルを作成して、タイプを設定します。

1、「化粧目地」のモデル方法は下記のビデオを参照ください。
(見てのとおり、簡単です。)
ビデオでは、3Dビューでモデリングしていますが、立面、展開ビューでも同じことです。3Dビューでおこなうメリットは、隣接する壁を連続して選択することができますので、高さの食い違いが少なくて済みます。
また、1FLで入れた化粧目地を、2FLにコピーするなど、選択して、クリップボードにコピーし、2FLのレベルに貼り付けるなど、オペレーションはさまざまです。
化粧目地を選択する別の方法として、フィルターを用いる方法もあります。好みでやり易い方法でおこなえば良いことだと思います。

実際の設計では、試行錯誤しながら、モデルすることがほとんどですから、自身に合ったオペレーションの流れを見につけることが、コツだと思います。
参考までに、私は、初めは機能名を意識ないことにしています。まず、どのような振る舞いをするかを注視します。入力する際に適応する振る舞いが、すぐにイメージできるようになれば、意識せずにマウスがその場所に動くようになり、オペレーションが早くなります。
個々それぞれの使い方があるのは当然ですが、私は、このように、一つの機能を使ってモデルする際には、選択したり、コピーしたり、編集したりと色々な機能を組合せしたオペレーションがおこなえます。スムーズなオペレーションをおこなう為には、コマンドを考えるんではなく、振る舞いがイメージとして出てくるようになる必要があると思います。その上で、個々にあった方法を身につければ良いのではないかと思います。


2、「造作材」のモデル方法は下記のビデオを参照ください。
ビデオの通り簡単ですが、コーナーの修正機能で。「壁の造作材」「納まり変更」というのがありますので、このように修正することができます。壁の小口には、「造作材」「化粧目地」は入りません。
修正する場合に、角度を指定することが出来ますが、ビデオのように、コーナー45°部分を修正すると、折り曲げた先端が壁面と平行にしか、カットしてくれません。展開図等では重なり合った線は、見えませんので、我慢して使用しています。曲げた45°と直角ににてくれれば、言うことないのですが!


3、アルミ笠木が端部の場合はどうすればいいでしょうか?
前回のテクニック-1のようなプロファイルは、断面を切った場合には、形状がそのまま表現されます。それは、断面図の表示には都合が良いのですが、3Dビューで見た場合には、小口に隙間がでてしまい、都合が悪いですよね。
そこで、もう一つの同じような、閉じたプロファイルを作成して組み合わせ表現すると、3Dでは、小口が塞がったモデルを表現することができます。但し、細かい部分は限界がありますので、詳細にするには、端部用の笠木の小口ファミリを作成してモデルするしかありません。


屋上のパラペットのRC造のコブなんかも、「造作材」で入れることは簡単です。コブ形状のプロファイルを作ってタイプ設定すれば簡単です。しかし、これには多少問題があります。集計表では、「壁の造作材」として集計されるからです。コンクリートの体積として集計するには、やはり、「壁のタイプ」で、「壁の造作材」の設定をするしかありません。
これについては、また、別の機会ということで。

RC造の打ち増しモデリング-1,2の修正事項について

前回、前々回と、RC造の打ち増しモデリングについて、解説してきましたが、前回、前々回のブログを訂正しております。
主な訂正は、下記の通り
1、梁の天端に打ち継ぎ目地付を設けた。
2、共有パラメータの設定に変更した。

未分類 2017.09.26
RC造の打ち増しのモデリング-2

では、梁の打ち増し付ファミリのカスタマイズについて解説します。
もうお解かりだと思います。前回のRC造の柱で解説したように、方法は柱とほとんど同じです。

Ⅰ、梁のカスタマイズ

1、ファミリの種類
梁は、ファミリの種類は限られます。
①、RC梁・・・既定値の梁
②、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付
③、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-斜め面下1面
④、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-斜め面下2面
⑤、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下1面
⑥、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下2面

ファミリ名は、簡素で短いネーミングがいいと思います。プロジェクトブラウザやプロパティで選択する際に、文字切れの無い様ないよう短くします。(前回のネーミングはわかりにくいということで、変更しました。少し長すぎたかな!自社専用であれば、簡略すんですけど・・・)

2、ファミリの作成

まず、既定値の①のファミリを見てみます。
構造マテリアルが、関連付けられ設定されていますので、このままでOKです。
既定の梁のファミリ名も新たにつけます。また、共有パラメータの設定も合せておこないます。(⑥と同じように設定します。下図は既定値)


このファミリを、①~⑥までのファミリ名で、それぞれ「名前を付けて保存」します。
次に、構造マテリアルを下図のように設定してみます。(表現はそれぞれなので適宜設定する)


⑥、RCフカシ梁-打ち継ぎ目地付-角面下2面のファミリ設定を見てみましょう。要領は柱ファミリと同じです。
下図のように、それぞれのパラメータを設定し、躯体部分よりフカス外側で押出します。
フカス寸法より面取りする寸法を小さめにしてスケッチすると、参照面に確実に拘束することができます。押出しが終わりパラメータを同じ値にしても、崩れることはありません。
※パラメータは、後に、注釈タグで表示するファミリを作成することも考慮して、共有パラメータとすることをお勧めします。(前回から、共有パラメータに修正しました。)


次に、躯体部分をモデル線分の破線でスケッチし、下図のように設定します。


前回の解説と同じですが、梁はレベルでモデルします。
また、プロジェクトテンプレートで始める場合は、梁の「プロパティ」「ジオメトリ」「Z位置あわせ」=「上」が事前設定となっているため、既定値とおりのファミリ設定とします。
入力時に、「Z位置あわせ」=「上」を、配置する際に「上」であるか確認が必要です。

柱と梁ファミリをモデリングする際には、結合するカテゴリ(壁、床)との設定が必要です。
[壁の共有エッジの設定]で解説しましたが、壁や床と結合する場合を考慮し、柱、梁の構造マテリアルは、同じに設定します。プロジェクトでモデルすると、同じマテリアルは、結合され表示されます。
この設定では、柱、梁、壁のフカシ部分の表示は、「破線」で設定しています。
既定の設定のままであれば、「壁」のフカシ部分の表示は、実線で表示され、「ラインワーク」機能で編集することになりますので、ひじょうに面倒です。モデリング手間を少なくするには、このような設定が有効です。

壁の共有エッジの設定




RC造の打ち増しのモデルリング-1の参考ビデオと合せて見てください。

また、[線種・線の太さ・線種パターン]をそろえて同じ切断面の表示にする必要があります。
[線種・線の太さ・線種パターン]については、後日、解説することにします。

RC造の増し打ちのモデリング-1

RC造の増し打ちのモデリングの方法について触れたいと思います。
最近、Revitのコミュニティーで質問がありました。過去にこのようなモデルをおこなう為、ファミリを作成しておりましたので、ご紹介します。

柱・梁は、プロジェクトでは、目地等のボイドで切り取ることはできません。
RC造のコンクリートの増し打ちがある場合など、どうすればいいでしょうか?
柱・梁のファミリをカスタマイズするしかありません。

柱・梁のファミリを作成するには、関わりのある、結合する「壁」、「床」との結合をコントロールするため、「線種」「線種パターン」「線の太さ」の設定をおこなう必要があります。また、マテリアルの設定も必要になります。これについては、別にご紹介していきます。

Ⅰ、柱のカスタマイズ

1、既定の「RC柱-角」について

Revitの建築テンプレートからスタートした場合、「ファミリ/構造柱/RC柱-角」があります。とりあえず、これを配置してみましょう。(下図)


初めにステータスを設定します。
配置するビューは、「1FL」、ステータスの「見上げ」を選択し、1FLの平面ビューで配置してみます。
断面を入れて、断面ビューを見てみると、柱の下端が設計GLになっています。・・・おかしいですね。
その柱を選択して、「ファミリの編集」で、そのファミリを見てみますと、参照面の「下」と「下参照レベル」が拘束されていません。ファミリのソリッド(押出した柱)の下端は、参照面の「下」には拘束されているが、「参照面」と「下参照レベル」が拘束されていません。(下図)


原因は配置されたときレベルに下が付いてきていないためです。
このファミリで、参照面の「下」と「下参照レベル」を拘束します。プロジェクトにロードして配置してみます。(下図)


:修正前に配置した柱は、「プロパティ/基準レベル=設計GL」となっています。2、3、4、は修正後に、「プロパティ/基準レベル」を=「1FL」、、「1FL」、、「設計GL」に変更した結果です。このように、上下共、レベルに配置できるようになりました。(上は拘束されていた)
Autodesk社の修正を待たずして、簡単にできますから、とりあえず各自修正しておきましょう。

2、ファミリの種類

 上記で使用したファミリを別名で保存しカスタマイズします。柱フカシ断面は4面で設定します。
「0」にすると、フカシ無しとなりますので、自由な組合せができるように設定します。
問題は、コーナーの面取りの設定です。柱の角のコーナーを設定するとして、平面でスケッチしその角面の寸法をパラメータで変更できるようにしますが、「0」と入力した場合にモデルはエラーします。
角面取りのある場合と、無い場合を兼用することはできないということです。
色々な納まりを想定し、ファミリは下記の種類を命名作成することにします。

※ファミリの種類
①、RCフカシ柱
②、RCフカシ柱-斜め面1面
③、RCフカシ柱-斜め面2面
④、RCフカシ柱-斜め面3面
⑤、RCフカシ柱-斜め面4面
⑥、RCフカシ柱-斜め面2対面
⑦、RCフカシ柱-角面1面
⑧、RCフカシ柱-角面2面
⑨、RCフカシ柱-角面3面
⑩、RCフカシ柱-角面4面
⑪、RCフカシ柱-角面2対面
⑫、RC柱-インスタンス・・・タイプでない、XY方向の自由な形状を作成するためのファミリ
⑬、RC柱(フカシ無し)・・・既定の「RC柱-角」の修正版

ルールとして、1面とは、第一象限のみ、2面は第一~二象限・・・4面は第一~四象限の4面とします。
また、プロジェクト配置時に、反転や回転する場合も考慮しておく必要があります。

これだけあれば、色々なケースに対応可能です。但し四角の一辺がフカシ寸法より、大きくカットするような柱形状は、別途とし必要に応じてカスタマイズし作成すればいいでしょう。

3、ファミリの作成

一例の、⑩、RCフカシ柱-角面4面のファミリ設定を見てみましょう。
下図のように、それぞれのパラメータを設定し、躯体部分よりフカス外側で押出します。
フカス寸法より面取りする寸法を小さめにしてスケッチすると、参照面に確実に拘束することができます。押出しが終わりパラメータを同じ値にしても、崩れることはありません。
※パラメータは、後に、注釈タグで表示するファミリを作成することも考慮して、共有パラメータとすることをお勧めします。(前回より共有パラメータに設定変更後)



次に、躯体部分をモデル線分の破線でスケッチし、下図のように設定します。


今回は、柱の上部は打ち継ぎ目地が入るようにします。
柱の天端高さから下に打ち継ぎ目地がモデルされます。
 梁は一般的にレベルでモデルします。梁ファミリの天端には打ち継ぎ目地を設定します。また、プロジェクトテンプレートで始める場合は、梁の「プロパティ」「ジオメトリ」「Z位置あわせ」=「上」が事前設定となっているため、既定値とおりのファミリ設定とします。
入力時に、「Z位置あわせ」=「上」を他に変えたときは、配置する際に「上」であるか注意が必要です。


下図は3Dで見たところです。


他のファミリも同様に、一例のように作成すれば簡単です。
面取りや目地を設けた場合、プレーンな柱ファミリと比較すると、モデルが崩れてしまう現象があります。それは、結合順序に問題があるようです。そのような場合は、比較的簡単に修正する方法があります。下記のビデオを参考にしてください。

1、3Dビューで、単純にコピーした場合のモデルが崩れてしまう現象と修正


2、コピーしたいモデルを選択後、設計GLビューでコピーした場合、
右側のモデルは、正常にコピーされた。左側のモデルは、2FLの柱・梁はコピーされたが、3FLの柱・梁が壊れた。はっきりとした理由は不明です。
打ち継ぎ目地を設定しているので、複雑すぎてそこまでサポートされてないのかも!いずれにしても、今後、検証して判明すれば報告しますが、とりあえず、意匠としてのモデルは、何とかできますね。



次回から、梁、線分・マテリアルの設定の順に解説していきます。

ファミリ構造柱 2017.09.14
「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」訂正事項のお知らせ

2014/06/26:に掲載した、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表の作成」について、
「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」のそれぞれは、図面枠といっしょに作成しておりましたが、
シート作成の際、選択肢が多くなり煩雑ですから、図面枠は図面枠として利用し、「外部仕上表・内部仕上表・凡例表」は独立した各ファミリとして、作成し、図面枠に配置するようにしました。
このほうが、効率的でした。

プロファイルの利用テクニック-1

言うまでもなく、「プロファイル」は、「壁」/「壁:造作材」、「壁:化粧目地」、カーテンウォール、手すり、屋根などで使われる、2Dの閉じられたファミリのことです。
簡単なプロファイルですが、利用するのに、迷ってしまうことがありませんか?

使用する際は、プロジェクトで、プロファイルを設定して使用しますが、プロジェクトから直接編集する場合は、ファミリ名を右クリックして、ファミリを開き修正後、保存することができますが、既存のファミリと混在してしまうなど、注意しなければなりません。
目的のプロファイルが見当たらない場合は、「挿入」/「ファミリのロード」で、システムライブラリもしくは、独自のプロファイルファミリからプロファイルをロードしなければなりません。もし無ければ、プロファイルを独自で作成しなければなりません。
システムライブラリの中には、例えば、長方形のプロファイルで、タテヨコの寸法がパラメータ設定されていないファミリが存在します。(パラメータ設定がなされているものもありますが)
また、Revitの標準の建築テンプレートでプロジェクトを始める場合、下記のようにそのようなプロファイルが存在しています。

※プロファイル-幅木2


※プロファイル-幅木1


「幅木1」と「幅木2」の違いは何なんでしょうか?
私には同じにしか思えません!
「幅木1」と「幅木2」はプロファイルのファミリです。であれば、ファミリ名は「幅木」もしくは「巾木」とし、タイプに、「100×20」のように命名設定して、タイプを増やしていけば良いはずです。
「幅木1」と「幅木2」のように、同様のファミリを2つ作る必要はありませんし、かえって邪魔になります。プロファイルの設定をおこなった方は経験があると思いますが、プロファイルを選択する際に、同じようなタイプ名が、いっぱい入っていますので選択しずらくなります。
同じようなファミリが、プロジェクトブラウザにも、いっぱい入ってきますので見にくくなり、冒頭で記したように何を使ってよいのか迷ってしまうことになるわけです。

ポイントは、下記の3点です。
1、プロファイルは、同様のファミリは作成しない。
2、作成するプロファイルは、形状寸法を可変にするのであれば、パラメータを設定する。
3、ファミリ名は、十分考慮し命名し、タイプを作成する。

下記は、アルミ笠木をプロファイルでモデルする方法です。

1、プロファイルは、納まりを考慮しパラメータを設定します。
2、プロファイルファミリをプロジェクトにロードします。
3、プロジェクトの「壁」/「壁:造作材」で、「タイプの編集」で、複製で「アルミ笠木-W225」と命名しタイプを作成します。
4、3Dビューで、モデルします。




このように、プロジェクトでは、プロジェクトブラウザのプロファイルのタイプを右クリックし、複製しタイプを作成し、3、項により設定しモデルします。
こうすることで、プロファイルファミリそのものを編集せずに、プロジェクト内で自由な収まりを作成することが可能となります。
また、プロファイルを作成するに当たり、命名も重要となります。一つのファミリで用途が判り、タイプで寸法等の設定ができるファミリとする必要があります。
元々備わっている不要なプロファイルは、さくっと削除しておきましょう。

プロファイル 2017.08.30
マテリアル設定のコピーテクニック

マテリアルを設定する際、通常は、マテリアルの欄をクリックし、マテリアルブラウザが開いてから、目的のマテリアルを選択し設定しますが、マシンスペックにもよりますが、マテリアルブラウザの動作は遅いと思われませんか?
ファミリのタイプが多い場合は、マテリアルブラウザとを行ったり来たりと大変時間を要します。
そこで、ファミリ作成やプロジェクト/タイプ編集で、「ファミリタイプ」/「マテリアルと仕上げ」の「値」のコピーしたい欄で、「Ctrl+C」でコピーして、貼り付けたい欄で、「Ctrl+V」で貼り付けることができます。
すばやく実行できてストレスがないので、テクニックとしてぜひ覚えておきたいですね。

マテリアル 2017.08.30
壁の共有エッジの設定

下記のような壁の平面・断面の表示設定をおこないます。

1、コンクリート壁 t=150+打ち増し t=15の場合、150と15と境界線を、破線で表示させたい。
2、コンクリート壁 t=150+タイル貼り t=15の場合、境界線を実線で表示させたい。

壁の共有エッジとは、上記の複数のレイヤの場合の境界部分をいいます。
Revitのプロジェクトテンプレートのまま壁を入力すると、境界線はそのまま実線で表示されます。
ラインワークで、線分を実線から破線に変更する等の編集はできますが、プロジェクトにある多くの壁を編集するのは面倒です。
そこで、「壁の共有エッジの設定」をおこない、それぞれの壁のタイプで、実線や破線(点線でもかまいません)で表示させる方法を解説します。

【手順】
1、初めに、プロジェクトテンプレートの建築で、プロジェクトを用意し、壁/標準-150mmを選択して、構造の編集で中身を見てみます。


2、壁の「タイプ編集」/「複製」で、タイプを作成します。ここでは、タイプ名を「RC t=150+打ち増しt=15」としてみました。打ち増し+15の「機能」を「構造[1]」のままとします。


上記で設定した、壁の平面ビューは、下記の通り、間の境界線が実線となります。


3、「表示/グラフィックスの上書き」/「壁」/「共有エッジ」の「切り取り」で「線分グラフィックス」/「パターン」で、「破線」を選択し、OKします。



4、同じく「表示/グラフィックスの上書き」/「ホストレイヤの優先設定」/「切断線スタイル」をチェックを入れ、「編集」をクリックすると「ホストレイヤ線種」画面がでてきますので、線の太さを、下記の通り設定し、「躯体面のクリーンアップ(C)」のボックススから「既定値」を選択し、OKします。
レイヤ間で共有されるエッジは、太い線で作図されます。線の太さが同じ場合は、ホストの「共有エッジ」オブジェクトスタイルが使用されます。
先ほど、共有エッジ」の「切り取り」で「線分グラフィックス」/「パターン」で、「破線」を選択しましたので、この設定が使用されたわけです。


上記で設定した、壁の平面ビューは、下記の通り、間の境界線が破線となります。


5、では、躯体と仕上げが違う場合に、実線表示としたい場合はどうでしょうか。
先ほどとは逆の設定をおこなえば良い訳です。
「構造[1]」のみ、「2」としていることに、お気づきでしょう。つまり、「2」と同じであれば、線の太さが同じ場合は、ホストの「共有エッジ」オブジェクトスタイルが使用され、そうでなければ、「共有エッジ」が使用されませんので、既定値の「実線」で表示されます。
下記の2例のように、「2」以外の機能を設定します。



オブジェクトスタイルは、上書きされていないカテゴリは、オブジェクトスタイル設定に従って描画されます。「共有エッジ」オブジェクトスタイルで無い場合は、オブジェクトスタイル設定で描画されるということです。



また、断面ビューでも、同様の設定をおこなう必要があります。要領は、平面と同じです。
下記は、設定前の断面図ビューです。


平面と同様に設定をおこないます。




線の太さの設定を、「2」と「1」「3」にしたので、線の太さの違いが気なるようであれば、「管理」/「その他の設定」/「線の太さ」の16種類のなかで、「モデルの線の太さ」を設定するといいでしょう。もちろん、部分的にラインワークで編集することも可能です。

6、線の太さの設定による設定
ダミーの下地用の線の太さを、「10」で設定して、コントロールします。
線の太さの設定を、「2」と同じに設定しますが、「10」とすれば、別の線の太さとして認識されます。


ホストレイヤ線種の設定をおこないます。


壁レイヤの設定をおこないます。


結果は、下記の通り平面ビュー画面のとおりとなります。



仕上げのレイヤが複数ある場合は、前記の太さの設定を、番号を「11」等で設定して割り当てれば同様の結果となります。

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