BIM建築設計
プランニングピープル

ブログ3年過ぎました!

私がこのブログを始めて、早いもので3年が過ぎました。
日頃から、ご覧の皆様には感謝したします。

ブログの目的は、当初、まだまだ少数Revitユーザーの、意見交流として、またアイデアの共有として続けてまいりました。最近では、Autodesk社のコミュニティやビデオ解説も多く発信されるようになり、このブログ自体の意味があるのか気になりだした今日この頃です。
しかしながら、Revitのいろんな事柄、実際に使用する立場としての意見、使い方など、まだまだたくさんあります。これからも、そのような情報を発信していければと思っております。
このブログをご覧になって、
ご意見、要望、疑問等がありましたら、ぜひとも投稿の程お願いいたします。
また、下記は Autodesk Community という質問や回答など積極的におこなう場です。下記からのぞいてみてください。

https://forums.autodesk.com/t5/revit-navisworks-ri-ben-yu/bd-p/702

未分類 2017.06.15
建具ファミリのパラメータのオペレーション-1

これまで建具ファミリのパラメータのコントロールを解説してきましたが、これまで私が実際に作成してきたファミリで基本的なものや特徴的なものを数点掲げて、どのような詳細なコントロールをおこないオペレーションしているか、実務設計で利用しているかをご紹介します。

まずは、比較的に簡素なパラメータ設定をおこなったファミリをご覧ください。

1、開き框ガラスドア
このファミリは、木製開き框ガラスドアを下記の分類項目でまとめたものです。

【ファミリの種類】
①、片開き框ガラスドア
②、親子開き框ガラスドア
③、両開き框ガラスドア

【建具枠の種類】ファミリ別
①、1型
②、2型
③、3型

【沓摺の種類】タイプ内で選択
①、沓摺A型
②、沓摺B型
③、木製沓摺
④、沓摺無し

【取手の種類】タイプ内で選択
①、レバーハンドル1型他、数種類

※各種類に関しては、このブログで以前にご紹介しておりますので、そちらを参照ください。

2、プロジェクトでのオペレーション

①、ファミリを選択して、壁に挿入します。配置する位置などを調整し配置します。


②、配置したら、そのファミリを選択して、各部のパラメータを変更します。
作業はいたって単純で、そのプロジェクトに添った各部の寸法を決定していきます。
その際、新しいタイプを作成したければ、タイプを新規作成してください。




見てのとおり、いたって簡単に変更をおこなうことができました。
基本ファミリは原本として保存しておきます。プロジェクトごとに合った寸法を修正して利用します。
後に、同様のプロジェクトで、使う際にそのまま利用することができます。

あまりにも、簡単すぎてあまり解説することがありません。
次回は、別のファミリを見てみたいと思いますが、そろそろ建具も飽きがきたんではないかと思います。何パターンかご紹介して、この建具シリーズは終了し、準備中の新しい分野を順次ご紹介したいと思いますので引き続きよろしくお願いします。

建具ファミリのパラメータのコントロール-3

建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)偏の続編、開きドアの建具ファミリ(下位)のカスタマイズについて解説します。

例として、框ドアを取り上げます。
ベースとなる建具ファミリの建具部分の2タイプのファミリを作成してみます。
(ベースのパラメータは前記を参照)

1、類似ファミリからカスタマイズする
まず。ベースとなるファミリで使用した、建具ファミリ(一番類似しているファミリ)を選択し、ファミリを新規で名前を付け直して保存し修正します。
もしくは、飛ばして2、から新規で作成してもかまいませんが、パラメータは合わせる必要があります。今回は、下記の建具ファミリを選択しました。

木製片開きフラッシュ戸-正面
木製片開きフラッシュ戸-平面
木製片開きフラッシュ戸-パラメータ


2、標準的な框戸の作成
框建具:タテ框(両側)、上框、下框、框内部:ガラス入
・標準の框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框の寸法をパラメータで可変可能
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラス端明き→タテ框
②、ガラスの上明き→上框
③、ガラスの高さ→無しなので、パラメータは削除します。ガラスの高さの下の参照面はそのまま利用し、寸法を入力後、下框のパラメータを設定します。
框建具-3D姿図
・複写元との相違点は、フラッシュから框になった点です。両側のタテ框を対で、押出しにより作成します。次に上、下の框を押出しで作成します。下図のように参照面やパラメータはそのまま使用できます。これに添って押出ししモデルします。

框建具-平面
・平面での複写元のファミリとの相違点はありませんので、そのまま使用します。

框建具-正面
・下框の寸法は、アンダーカットと上の参照面です。

框建具-パラメータ
・上記のパラメータを変更し修正します。
※これで、框建具が完成しましたので、ベースファミリにロードし、建具タイプを変更しますが、ベースファミリも類似したファミリを複写し、名前を変えて(例えば「木製片開き框ドア-ガラス入」)保存します。前々回解説しましたので、それを参考にしてください。


3、ヨコ框ガラス入の框戸の作成
框建具-ヨコ框@:タテ框(両側)、上框、下框、ヨコ框(枚数を可変)、框内部:ガラス入
・ヨコ格子状のガラス入框建具とし、建具見込み、ガラス厚、タテ框、上下框、ヨコ框の寸法をパラメータで可変可能 
・ヨコ框の数が中のガラス数(枚数)パラメータにより可変可能(但し、ガラスピッチの高さは、建具高さ-ヨコ框×枚数-上框-下框の数値)

まず、2、框建具で作成したファミリを元にこのファミリをカスタマイズします。
複写元との相違点は、それぞれ下記によります。
①、ガラスの枚数→パラメータを新規作成します。この数値はユーザーが入力する分割数です。ガラスを何枚に分割するかを入力するパラメータです。
②、ヨコ框→ここでは框の高さです。パラメータを新規作成します。
③、ヨコ框枚数→配列に使用する計算値によるデータです。(ガラスの枚数から、1を除した値がヨコ框の枚数となりますので、この値でヨコ框を配列します)
④、ヨコ框の部品ファミリの作成→③で配列で使うネストするファミリを作成します。
※同じファミリ内で、作成したモデルを配列すると、建具の幅が変わるとき追従できません。このようにネストさせ関連付けすることによって、幅にも追従するようになります。

相違点はこれだけです。2、と同じような要領でファミリを作成します。

ヨコ框@-3D
ヨコ框@-平面


ヨコ框@-正面


ヨコ框@-パラメータ

ヨコ框@-配列設定
・ネストした、ヨコ框の部品を関連付けし配列することにより、建具の幅が変更になると追従しながら、ピッチの変更もおこなえる。
※同様に、ヨコ框建具が完成しましたので、2、で作成した「木製片開き框ドア-ガラス入」を複製し名前を変えて保存します。
下記のような動作となり、プロジェクトにロードしパラメータを変更し、設計趣旨に添ったタイプを簡単に作成することが可能となります。


※ベースとなる建具ファミリのその他の動作はそのまま使用して、変更したい部品のみ作成して、パラメータ設定を合わせ、関連付けすればいいわけです。

建具ファミリのパラメータのコントロール-2

建具ファミリのパラメータのコントロール-1の続偏

前回・・・-1で解説したように、ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるようします。
木製建具の開きドアについては、前に解説した、鋼製建具ファミリとほとんど同じような設定なので、省略します。(鋼製建具ファミリを参照ください)
これまで、解説したファミリの拘束や建具に関する内容を網羅した上で、ここの内容をご覧ください。(Revitファミリ作成については、基本的な知識や、解説してきた内容など、いろいろな知識が必要です)

ここでは、木製引き違い戸や引き戸のような、マグサに溝が有る場合の溝のひばたと建具見込みの関係や、マテリアル等をパラメータでコントロールする方法を紹介したします。
例として、木製引き違い戸のファミリを取り上げます。

1、最上位のファミリの設定
・今回は引き違い戸-ガラス入を例にしますが、枠タイプは3型(壁の内外チリが枠幅となる)を採用しています。RC壁などの壁厚が大きい場合は、1型(内外壁チリの片方どちらかからの枠幅となる)を設定すればよいでしょう。
タテ枠、マグサは、このファミリの押出しで作成します。
建具と敷居はネストするファミリで作成し、この最上位のファミリにロードし設定します。

木製引き違い建具の3D図
・マテリアルの設定
 タテ枠、マグサと建具のマテリアル設定により、木目方向を設定したマテリアルを準備し、マテリアルのパラメータをファミリに設定し、それぞれのカテゴリにマテリアルを割り当てます。
こうすることで、レンダリングした場合の木目方向の木質感が表現できます。
後述するネストの建具ファミリのマテリアルも、最上位ファミリでコントロールできるようになります。

タテ枠とマグサの取り合い部
・ボイドの設定
 額縁が出っ張る上部は、内外共ボイドでカットします。壁も同様にボイドでそれぞれの枠形状に合わせてボイドします。(プロジェクトでロードされたとき、形状に合わせた位置でボイドを設定します。)

・寸法パラメータ設定
 プロジェクトにロードされたとき、各部がパラメータにより追従するように、建具の幅、高さ、枠見込み、枠厚、額縁見付、内外壁チリ、マグサ厚、マグサ見付、取手H、取手オフセット、アンダーカット、敷居W、敷居厚、沓摺高さ(=敷居高さ)、ガラスのW、H、端明き、上端明き、ガラス厚等を設定します。
(ユーザーにより、パラメータの設定は自由です。動かす部分の寸法値をパラメータにします)

ファミリの特性ですが、ファミリの壁厚は、プロジェクトの壁厚ではありません。プロジェクトでは壁厚は変化するので、それに追従する必要があります。ファミリの壁厚に対して、最後の一ヶ所が「参照面が過剰に拘束されています」となり、パラメータを設定できなくなります。それは、壁厚がファミリでは決められないためで、どこかがクリアランスとなる必要があります。
重要なのは、どこがクリアランスなのかということです。オペレーション上、どこを変更すれば、どこが変わるのかということです。ユーザーは決めたい部分の寸法を修正すると、自動的に決まる寸法はどこなのかということです。

寸法パラメータの設定

・平面の設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。

①、建具の位置:特に留意すべきは、建具の入る位置と建具見込みの設定です。ここでは建具は壁芯に設定しています。(建具が内外どちらかに芯ズレする場合は、芯ズレのパラメータ設定をおこなう必要がありますが、今回は冒頭の理由により設定しませんでした。多くの場合、室内の壁厚は90~120程度がほとんどで、芯ズレするほどのクリアランスが無いためと、異常に複雑にならないためですです。)

②、建具見込み:建具はネストファミリで挿入し、位置合わせをおこないます。この場合、建具の位置で決めた位置から、参照面を書いて、建具見込みのパラメータを設定し、建具芯の参照面を書いて、見込み幅と建具中心をEQします。(引き違いは建具2枚なので、2ヶ所を設定します)

③、建具の位置の拘束:ネストする建具ファミリは、下図のように、建具幅ごとの中心参照面を書き、EQで中心位置を決めます。建具のしめし合せ部分を考慮し設定します。ネストした建具ファミリを、中心参照面に拘束し、建具芯の参照面に拘束します。この2ヶ所の拘束のみです。
建具ファミリは、後述します。


木製引き違い戸ファミリ-平面のパラメータ設定

・まぐさの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
マグサは、最上位のファミリの押出しで作成します。

マグサの断面とパラメータ設定


・敷居の断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
敷居はネストするファミリで作成し、最上位のファミリにロードし、位置あわせを設定します。
ネストするファミリのパラメータや設定方法は、後述する建具ファミリと同様の設定です。


敷居の設定



2、下位ファミリの設定

・建具ファミリ(ネストする)
 主要なパラメータは画面とおりとします。
ネストファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ名と、必ずしも同じにしなくても良いのですが、混乱しないためにも極力同じ名前にしたほうが作成しやすいと思います。

①、左右の参照面と正面背面の参照面を中心に作成する。
(必ずしも、そうでない場合もありますが、作成の方法にもよりますので、機会があれば別の機会に解説することにします)
②、パラメータは、最上位ファミリで関連付けしたいパラメータのみインスタンスに設定する。
(関連付けについては、後述)
ネストする建具ファミリの正面図


建具ファミリ-平面

・建具ファミリのパラメータ設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。



建具ファミリのパラメータ設定

・ひばたの断面設定
 主要なパラメータは画面とおりとします。
「ひばた」をパラメータに設定します。


建具ひばた部分の設定

3、パラメータの関連付け

・最上位ファミリでのパラメータの関連付け
 全てのネストするファミリ(部品)をロードし、部品を選択すると「プロパティ」の「寸法」欄にネストされたファミリのパラメータが表示されます。各パラメータの右アイコンを選択すると、下記のようなBOXに最上位のファミリのパラメータが表示されますので、ネストファミリのパラメータと同類のパラメータを選択し、関連付けします。(当然ですが、違うパラメータを選択すると値が違いますので注意して選択してください)
また、「プロパティ」の「マテリアルと仕上げ」欄も同様に関連付けをおこないます。
これで、ネストされたファミリのパラメータは、最上位ファミリのパラメータ値に置き換えられロードされます。ということは、、、
ネストファミリの寸法やマテリアルのパラメータ値を修正する必要がなく、最上位ファミリのパラメータで修正できるということです。ということは、プロジェクトのタイプで作成しパラメータ値を入力し、独自のファミリにカスタマイズします。


最上位ファミリの関連付け


・動作
 最上位ファミリとネストファミリである建具のパラメータを比較してください。
例えば、最上位ファミリの「建具見込み」を変更すると、ネストファミリの「パネル厚」の値が変更されます。マグサの「ひばた」パラメータを変更すると、「ひばた」の値が変更されます。
最上位ファミリとネストしたファミリの値が関連付けされて、動作することになります。
その他、建具幅や建具高さなどの、関連付けしたパラメータは全て、最上位のパラメータでコントロールされます。
これまで解説してきたように、このようにネストすることによって、建具や取手などの部品であるファミリだけを修正カスタマイズし、違う部品を作成し、最上位ファミリにロードすることによって違うファミリをいたって簡単に作成することが可能となります。

※設計では、多種多様な形状やマテリアルが存在し、その都度作成しなければならないケースが多々あります。プロジェクトの度に、ファミリを無作為に作成すると、何がなんだか判らなくなります。そこで、基本となるベースファミリを作成し、それを基本にカスタマイズし増殖していく方法が、Revitの運用にはもっとも適していると思います。

私は、ファミリを管理するに当たって、下記のように明確化しています。
①、基本ファミリは、そのままで、プロジェクトごとにカスタマイズし保存する。
②、頻繁に使用するファミリは、基本ファミリとして保存する。

これだけでの解説では、理解できない部分もあるかと思いますが、全てをブログで解説することもできません。概要を理解すると解決する問題もあるかと思いますので、参考にしてください。


ご報告


この度オートデスク社より「Autodesk Expert Elite」の称号を授与し、EEメンバーとなりました。
このブログを通じ、コミュニティへの貢献が認められ認定を頂いたものです。
これもひとえに閲覧くださったおかげと感謝いたします。
まだまだ力不足ではありますが、今後も「Revitの実例」をよろしくお願い申し上げます。

未分類 2017.03.30
建具ファミリのパラメータのコントロール-1(開きドア)

これまで建具ファミリ関連の基本事項を解説してまいりましたが、どのようなオペレーションをおこなえば、すばやく挿入できるでしょうか?
ファミリは各部の寸法を出来るだけ、パラメータ化することによって、いろんな形状に対応できるように考えています。では、どこをパラメータ化するか?
Revitでは壁に建具ファミリが挿入されます。当然ですが、建具ファミリのホストは「壁」です。
実際の設計では、壁の厚さはプロジェクトによって、まちまちですから、作成した建具ファミリは壁厚によって、また、各部の寸法が自動的に変更されないと、その都度ファミリを修正しなければならなくなります。額縁の見付や建具見込み等、各部の寸法をケースバイケースで変更したい場合など、かなり煩雑ですから、パラメータによって自動的に変更されれば助かりますよね!
下記は、このような寸法をパラメータ設定した例です。

1、パラメータの設定の例
①、マテリアルのパラメータ設定


②、寸法のパラメータ設定


③、識別情報のパラメータの設定


2、木製親子開きドアの例:寸法のパラメータ修正による形状の変更




3、鋼製親子開きドアの例
①、平面関係のパラメータの修正による形状の変更


②、立面、断面関係のパラメータの修正による形状の変更



留意事項

建具ファミリは、タイプで作成します。
よく使用するタイプを予め整理し、標準仕様を決定しタイプを複製、修正して作成します。プロジェクトで使用するタイプは数が限られると思われますので、まず整えてからモデル化したほうがよさそうです。
ファミリの作成方法として、幅や高さをインスタンスとして設定する方法もありますが、プロジェクトで配置した後にそれぞれ幅や高さを作ると集計するときに困ります。幅と高さの違うタイプができてしまうことになり、幅と高さによる分類ができなくなります。
そのプロジェクトで作成したタイプは、プロジェクトの用途ごとに整理されていることになりますから、次回からテンプレートとして利用すれば効率がアップします。

外構のモデリング

外構を効率よくモデリングするには、ファミリをどのように作成したらよいのでしょうか?
まず、現状のRevitで困っている点は!

1、駐車ラインは何台配置するかによって、一個のファミリを繰り返し配置しなければならないなどの経験はありませんか?
2、側溝は、地盤面の下になりますので、そのままでは地盤面とかぶりうまく表現できない!
3、勾配が有る場合に、ホストがレベルでは、配置が水平になり地盤の中に埋もれてしまう!
4、コンポーネント/インプレイス作成(プロファイルによる)モデリングで、歩車道境界ブロックを作成する場合、多くの場合は下端が地盤より埋もれています。この場合に「陰線処理」表示の場合、断面の斜めと地盤との接地面エッジが表示がされません。
「シェーデング表示」以上の表示設定(色付き)で表示するか、「陰線処理」のマテリアルの「グラフィックス」/「サーフェイスパターン」の「パターン」を塗り潰しとし、色を設定する以外エッジを表示する方法が見当たりません。
5、その他(床、手すり機能など)の方法も考えられますが、これと言って簡単なモデル方法がありません。

【外構のモデル法】

1、「地形」と「舗装」
地盤は、「地形」を作成後「舗装」を作成します。まず「地形」を作成しますが、「地形」は、作業面を設定できません。「舗装」は「地形」をホストに作成されます。
レベルを設計GLとし、「舗装」を配置した時、「地形」と同じレベルに配置すると、断面では選択できますが、レベル+0なので、このままでは平面で「舗装」を選択できません。+であれば選択できます。
選択できるようビュー範囲の設定を、「ビューの奥行き」/レベル/オフセット=-1000(見せたい範囲)に設定し、「メイン範囲」/下/オフセット=-500(見せたい範囲)に設定します。
これで、平面でも選択できるようになります。

「舗装」や「芝生」などは、タイプで作成されます。これらは、ラインなどのファミリを配置する場合のホストとなります、また、これらは、ボイドでカットすることができます。
配置するファミリは、「面」を利用すると便利です。勾配があれば、その面に配置することができますので、いちいち作業面を設定する必要がありません。また、「面」で作成したファミリにボイドでカットする部分を作成しておきます。「舗装」に配置される時、「舗装」をカットし作成されます。
ちなみに、「地形」はボイドではカットできません。
理想は「地形」に「舗装」を作成し、ボイド付きのファミリをロードすれば、一発でモデルされます。カットされるように「舗装」の深さを設定します。一般的に、2000mmもあれば足りるでしょう。

・「舗装」はシステムファミリなので、タイプで下記のように設定します。


これで、地盤の準備が整いましたので「舗装」にファミリをロードします。

2、「外構ファミリ」、「駐車コンポーネント」のロード

①、駐車ライン等の配置

駐車ラインファミリは、ダブルライン、シングルライン、それぞれの単一ファミリ、歩道、P、矢印等で、幅や長さをパラメータで変更可能としています。複数配置するファミリの場合、配列でコントロールしていますので、配置してドラッグすれば配置することができます。
実際の設計では、いろいろな組合せができる単一のファミリを使用し組み合わせます。これでほとんどのケースを網羅できます。
また、「舗装」に勾配がある場合には、勾配面に配置されます。
臨機応変にモデルするために、パラメータや配列でコントロールします。



②、側溝・縁石等のロード

側溝・縁石・雨水桝ファミリ(グレーチング蓋付きなどを組み合わせたファミリ)は、規格品をベースに作成します。一ファミリには、サイズ別のタイプを設定します。複数配置するファミリの場合、配列でコントロールしていますので、配置してドラッグすれば配置することができます。実際の設計では端部などの半端な長さがでてくる場合がありますので、長さを調整できる単一のファミリを使用し組み合わせます。これでほとんどのケースを網羅できます。
また、「舗装」に勾配がある場合には、勾配に添って配置されます。
配置されたファミリは、「舗装」をボイドしますので、いちいち埋め込み部分をカットしなくて済みますので、簡単に配置することができます。





冒頭にあったような、エッジの表示は、予めファミリに地盤との接地面に、マスキングによる線を設定していますので、「陰線処理」表示の場合、断面の斜めと地盤との接地面エッジが表示されます。

外構 2017.03.24
ファミリテンプレート-3 ドア・窓

ファミリテンプレート-1~2で、基本的な部分を解説しましたが、今回は、ファミリテンプレートのドアと窓について、詳しく見てみたいと思います。

1、ドアファミリ

ドアのファミリテンプレートには、|既定値の敷居の高さ」がありません。
プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
詳細は、窓ファミリに共通で、カテゴリの違いです。

2、窓ファミリ

ドアファミリと同じく、プロジェクトでは、プロパティの敷居の高さ、もしくは上端の高さで設定できます。
窓のファミリテンプレートを詳しく見てみると、「既定値の敷居の高さ」が設定されていることに気付きます。ドアのテンプレートには、これが設定されていません。
いったい「既定値の敷居の高さ」とは何なのか?検証してみます。

下記ビデオは、プロジェクトの建築テンプレートを開いて、Revitにある窓ファミリを壁に挿入してみます。「既定値の敷居の高さ」というのがありますが、結果は、プロパティの敷居の高さが「800」となり挿入されます。さらに、「既定値の敷居の高さ」を600に変更してみると、600で挿入されます。
挿入したファミリのプロパティの敷居の高さを1000に修正してみると、既定値は600のままです。

※壁に挿入する際の既定値で、既定値と挿入したファミリの敷居の高さとは連動していない!


そのファミリのビューの状態はどうなっているでしょうか?
プロジェクトの平面図のビューの高さ(事前値)は1200でした。
ビューの高さを200に変更してみます。平面図から消えましたね。
プロジェクト内のモデルは、そのモデルの範囲でビューが切り取られ表示されるようになっています。
例えば、排煙窓のように、プロジェクトの平面図の断面高さより上になった場合には、平面で表示されなくなりますよね。平面図ビューで、そのような位置の建具を表示させたい場合は、「作成/平面図/部分断面領域」で高さを設定し表示させます。
Revitの既存のファミリを詳しく調べてみると、下記のビデオのようになっています。


簡単な窓ファミリで検証します。
1、平面図/参照レベルの要素の表示設定
表示設定は、「ビュー固有の表示」とあり、その下に、「3Dビューと次のビューで表示」に、それぞれのチェックBOXがあります。
「3Dビューと次のビューで表示」とは、モデルが3Dビューと次のビューで表示されるという意味で解釈しています。

前記のRevitのファミリを検証すると、
①、Revitの既存のファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックなし
※その他の設定はここでは明記しないので、それぞれ確認してください。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示で、断面で切り取り時も非表示となり、
表示するためにマスキングを設定し表示されている。

②、推奨するファミリ
「平面図/天井伏図」にはチェックなし
「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェック有
※その他の設定(下記画像)

ファミリ要素の表示設定

ファミリの高さの設定

ファミリ平面図/参照レベルの範囲設定

ファミリ天井伏図/参照レベルの範囲設定

ファミリ平面図のマスキングの表示設定

上記の設定は、下記のとおりです。
①、モデルの表示設定は上記のとおり
②、ファミリの高さ設定は、画像のとおり
③、ファミリの平面図・天井伏図の各参照レベルの範囲設定
ファミリをプロジェクトで適正に表示するには、範囲設定をおこなう必要があります。②の高さを設定していますが、プロジェクトで平面図や断面図で表示される時、そのモデルの範囲がプロジェクトで影響します。




幅や高さのパラメータを設定したファミリがプロジェクトでロードされた場合に支障をきたす場合があります。例えばビデオのように、ファミリの高さをH=1500、既定値の敷居の高さをH=900とし、敷居の高さをH900で挿入し、平面図での範囲設定を、断面のオフセットを1500(参照レベルより)にしたとします。
もし、プロジェクトでファミリの高さを修正し、H400としたタイプを作成した場合、切られる断面の高さは、900+400=1200となります。この時、ファミリの範囲設定の高さはH1500ですから、H1200より上になってしまい、枠等の断面が表示できなくなります。
ファミリを作成する場合の範囲設定は、その時のモデルの敷居高さより、少し上の値(+150~+200ぐらい)で設定します。ファミリの高さがそれ以上小さくならない範囲(窓の高さはH300以下は無いでしょうから)の値を設定します。
そうすることで、タイプで高さが変更されても、断面の切り取り位置は表示されます。
マスキングの表示設定は「インスタンスが切断された場合のみ表示」にチェックをかけます。

この設定は、モデルは「平面図/天井伏図」では、非表示設定だが、断面で切り取り時は表示となる!
そのため、モデル自体は表示されるので、簡略や標準表示などの必要な場合にマスキングを設定し表示すれば良いということです。

例外として、ファミリをネストする場合は、ネストされたファミリの「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」のチェックがグレー表示となり設定はおこなえません。
裏技であまりお勧めする方法ではありませんが、カテゴリの違いを気にせず無視すれば、最終ファミリのカテゴリを、窓からドアに変更すると、うまく表示されます。その場合は「既定の敷居の高さ」は、「0」にしておく必要があります。もしくは「0」にして削除するかです。また、プロジェクトでは「既定値の敷居の高さ」は、あくまでも既定値ですから、必ずしも既定値で敷居の高さを設定するものではないはずです。「既定値の敷居の高さ」でそのまま進む場合などがありますので、ユーザーには、必ず「敷居の高さ」を意識する意味でも、「0」の方が良いかもしれません。
また、ネストのファミリの上部の部材のみ「平面図/天井伏図」のチェックをはずし、その他はチェックしないと、上位のファミリで表示されなくなります。なぜ、上部の部材のみチェックをはずすかというと、天井伏図の場合は、簡略表示もしくは標準表示で十分表現できるものです。簡略表示、標準表示には、マスキング処理しておけば良い訳です。
窓とドアの相違は「既定値の敷居の高さ」ぐらいしか検討がつきません。推測ですが「既定値の敷居の高さ」に関係があるようで何故かは?解っておりませんので、ご了解ください。

前々回も、マスキングの扱いについては説明してきましたが、特に修正する場合に厄介になります。
その意味でも、モデルはモデルできちっと表示させ、マスキングは極力単純にしたほうが良いかと思います。

ドアファミリ 2017.02.19
ファミリの拘束

前々回と、ファミリテンプレートについて解説しましたが、なぜ、ファミリをネストするのかということですが、表題の「拘束」との関係があります。

ファミリの拘束は、どのような法則で拘束されるのかは、基本的には解ってはいるものの、色々なケースで予期しない振る舞いが起きてしまうことがあります。

通常は、参照面、参照線を引いて、寸法もしくはパラメータを設定して、フォームの押出しやスイープ等でモデルを作成しますが、全てを、拘束しなければならないということではありません。
Revitは、参照面等を下敷きにして、モデルした場合は、拘束しなくても追従します。
マスキングについても同様です。
簡単なビデオで検証してみます。


押出しの平面で長方形のモデルを拘束なしで作成しパラメータで変形させると、拘束なしでも追従します。立面で高さ方向を参照面に拘束した場合と、しない場合では、結果はビデオのとおりとなるのが判ります。
この振る舞いから、フォームで作成したモデルは、拘束なしでも追従することが判ります。
立面のように、出来たモデルは参照面等に拘束しないと変形されません。
初期のモデル作成のままだと、Revitは拘束するようですね。しかし、複雑なモデルを後で修正した場合など、拘束のつじつまが合わなくなり(なぜかしら?)、初期のモデルに支障が出てくるケースが多々あります。(皆さんも経験あると思います)

そこで、下位のファミリを拘束なしで作成し、本ファミリにネストすると、本ファミリ内ではフォームの作成の部分は変形されません。つまり、ネストさせると上位のファミリでの拘束の手間が省けますし、妙に変形することもありません。もちろん、前記のような、フォーム作成部分以外の立面部分のような拘束は必要です。
この現象を利用すると、フォームで作成する部分などのモデル作成は、DWGを読み込み、下敷きにして拘束なしでモデルを作成しネストされることが可能となります。

下記のビデオは、実際の窓ファミリを修正して、別のファミリを作成する方法です。
(既存のファミリの詳細は、ここでは気にしないで見てください。)

1、ファミリに必要なデータをDWGデータから作成します。


2、ファミリに読み込んで、前記のようなファミリを作成します。
すでに作成済みの、既存のファミリをカスタマイズします。
コピーするファミリは、タテ枠、上下枠、建具をそれぞれ部品化し、ネストして作成できるように設定したファミリです。
DWGデータを使って、必要な新しい部品を作成していきます。
この方法ですと、一から作成する方法と比較して、格段にすばやく作成することが可能です。
この例では、DWGデータ作成から、ファミリのカスタマイズまで、約1時間弱で作成できました。

作成したいファミリのホルダーを作成して、似通った既存のファミリをホルダーにコピーし、名前を変更します。次に、ネストしているファミリ(各部品)の名前をそれぞれ変更し、各ファミリを修正し保存します。(この時、保存するホルダーと名前を間違えないようにしてください)
各ファミリを修正するには、予め作成しておいた、1項のDWGデータを読み込み下敷きにして、フォームでモデル化します。この時、DWGの下敷きには、拘束していないことに留意してください。
フォームで作成した後は、立面の長手方向の拘束をおこない、変形されるかチェックし、良ければ保存します。
それぞれのファミリごとに繰り返し作成し、部品を完成させます。

3、上位のファミリの構成
  A、下記のファミリの部品
  B、アルミ額縁、木製額縁
  C、水切り皿板
  D、各シーリング類
  E、ハンドル類

4、ファミリの部品の構成
  A、タテ枠(左右同じ場合は、反転複写にて兼用)
  B、上枠
  C、下枠
  D、建具(さらに、下位の部品ファミリで組み立てしている)
    ①、タテ桟(左右同じ場合は、反転複写にて兼用)
    ②、上桟
    ③、下桟

※留意点
・DWGデータを貼り付けて、「グラフィックス/表示」のチェックをはずし、ネストした時に表示されないようにする。
・ネストする時(「プロジェクトにロード」この場合は、上位のファミリにロードする意。)に、「既存のバージョンとそのパラメータ値を上書きする」でロードする。

No,1

No,2

No,3

No,4

最後に、テストプロジェクトにロードし、パラメータ値が適正かチェックし完了です。
上位の既存のファミリについては、別の機会に紹介します。

今回紹介した方法は、部品化し組み合わせるという手法で既存のファミリのカスタマイズが簡単になります。例えば、複層ガラスの建具を作成したい場合は、建具の部品ファミリのみ作成し、カスタマイズしますので、バリエーションを簡単に増やすことができます。

ファミリ拘束 2017.02.17
ファミリテンプレートー2

基本的なファミリテンプレートのカテゴリー2です。
前回では、ファミリテンプレートの基本的な部分とドアに2種類について検証しました。
今回も、別のカテゴリを検証してみたいと思います。

前回と同様に、新規作成/ファミリを選択すると、下画面のファミリのテンプレート画面が出てきます。


一般モデル(床、線、天井、壁、面、ホスト無し、その他いろいろ、計10種類)というのがあります。

1、「一般モデル(メートル単位).rft」について
このファミリテンプレートは、ホストが無い場合です。
どのようなケースで、使うのでしょうか?
まずは、テンプレートを開いてみましょう。(あまりに単純なので画像は付けません)
十字の「参照面」があるだけです。
これは、真に一般的なファミリ(ホストに無関係の)でもいいし、前回説明したような「ホスト」が決まっているファミリの入れ子に(ファミリにネストする)したい場合などに使うこともできます。

下のビデオのように一般モデル(メートル単位).rft でファミリを作ります。
プロジェクトにロードし配置してみると、「ホスト」はレベルとなることが判ります。


ここで、あるファミリにネストし利用する場合はどうなるでしょうか?
先ほど一般モデルで作成したBOXを、「一般モデル-面付き」にネストしプロジェクト内のモデルの面に挿入するファミリを作成してみます。このようにネストしたファミリの「ホスト」は、ネストされたファミリに依存されるようになるということです。



カテゴリは「一般モデル」で、そのままでもかまいませんが、カテゴリを変更することができます。
カテゴリが「一般モデル」では、ネストされるファミリのカテゴリと違う場合がでてきます。整理がややこしいので、カテゴリの変更をおこない、ファミリのカテゴリを合わせておきます。
そうすることで、例えば「ドア」にネストするファミリ(部品)を「一般モデル」で作成し、カテゴリを変更し同じカテゴリに合わせます。
但し、システムファミリへの変更はできません。(変更する場合にカテゴリがでません。変更できるカテゴリには制限があります。)
変更されたカテゴリは、プロパティ:一般ファミリ → 修正されたカテゴリが表示されます。




ドア、窓、収納等、ファミリ(部品)をネストし作成したほうが、作り易い場合があります。
部品なので、同じ部品であれば、どのファミリでも共通してネストし使用できることです。
また、通常は「注釈/マスキング」で表示設定をおこないますが、複雑なマスキングは、修正する際のエラーの原因になるようです。特に、複雑なサッシ枠等にマスキングをおこなうと、他の場所を修正したのに、マスキングの拘束がおかしくなるなどの現象が多々あります。
ネストしたファミリを使えば、モデルをそのまま詳細表示で表現すれば、マスキングをおこなわなくて済みます。
マスキングの使い方として、簡略表示、標準表示などのように、概略の形を表現する場合に使うと良い結果に繋がります。
(モデルやマスキングの拘束については、別の機会に詳しく解説します。)

「窓」で作ったファミリを「ドア」にカテゴリ変更することもできます。また、その逆も可能です。
その場合は「ドア」のファミリの振る舞いに依存されます。このように、カテゴリの振る舞いに合わないファミリができた場合、別のカテゴリで作り直すのではなく、カテゴリを変更するのも一つの簡単な方法です。
前記したネストするファミリは、ネストされたファミリで振る舞いがおこなわれます。
(全てを検証したわけではないので、そうでないかもしれませんので、その場合はご容赦ください)

今回、解説した内容は、ドア、窓、収納等、いろいろな部品で作られるファミリに応用できる基本的な事項です。ドアファミリ等のカスタマイズに関して、追々、必要となってきます。

ファミリテンプレート-1

基本的なファミリテンプレートのカテゴリについて検証してみたいと思います。
ファミリはカテゴリ別に整理されています。
ファミリを作成する場合には、ファミリのテンプレート(*.rft)からそれぞれのカテゴリを選択しますが、同じカテゴリでも、いくつかの種類があることに気付かれたはずです。
どのようなファミリにするのかによって選択が異なります。

新規作成/ファミリを選択すると、下画面のファミリのテンプレート画面が出てきます。


一般モデル(床、線、天井、壁、面、ホスト無し、その他いろいろ)やドア、窓など、その他いろいろがありますね!
理解できると当たり前のようですが、重要なのは「ホスト」を何にするかと言うことです。
Revitのプロジェクトでは、床、壁、天井、線、面などを「ホスト」といいます。例えば、ドアを壁に挿入する場合の壁が「ホスト」に当たります。照明器具など天井に挿入する場合は天井が「ホスト」となります。一般モデルで作成したファミリを、プロジェクト上のどこかの「面」にロードしたい場合は、「面」を選択すればいいわけです。なんとなく理解できると思います。
マッチしたファミリテンプレートを選択するには、そのカテゴリと「ホスト」により決まるということです。
どんなファミリにしたいのかは、ユーザーが決めることです。単純なオペレーションをおこなうには、ファミリテンプレートの選択は、非常に重要になります。

前回ご案内しましたので、ここではファミリテンプレートのドアを見てみましょう。
「ドア-カーテンウォール(メートル単位).rft」と「ドア(メートル単位).rft」と「ドア_RUG.rft」の3種類が用意されていますね。
カーテンウォールはさておき、この2種類の違いは何でしょうか?

1、「ドア_RUG.rft」を開き、平面図/参照レベルでビューを表示します。
開口部の下側の「開口部断面」(画面用でブルー表示)を選択し、右クリックしてみます。
選択肢の「削除」がグレー表示されています。これは、削除できません。


ドアの開口部廻りの納まりを、RCのダキ付きにしたい場合や内側に額縁を付けたファミリにしたい場合などに都合が悪くなります。この「開口部断面」は壁を平面、断面において、垂直に開口することしかできません。したがって、壁の複雑な開口はできませんので、簡単なファミリの作成に適したファミリテンプレートと言えるんでしょうね。

2、では、「ドア(メートル単位).rft」と比較してみます。
開口部の下側の「開口部断面」(画面用でブルー表示)を選択し、右クリックしてみます。
選択肢の「削除」が、ここでは表示されていますので、削除することができます。


前記の場合と比較して何ができるかですが、まず「開口部断面」を削除します。
同じく、ドアの開口部廻りの納まりを、RCのダキ付きにしたい場合や内側に額縁を付けたファミリにしたい場合は、「作成/ボイドフォーム」で壁を開口することができますので、いくつかの開口を作ることができます。

下記の簡単なビデオはファミリ作成時にボイドフォームで開口する方法です。



下記のビデオは実際のドアファミリ作成時にボイドフォームで開口を作成したケースです。
サッシ、額縁、RCダキをコントロールしたケースです。



このように、選択するファミリテンプレートにより作成できることが限定されます。
詳細に作成しないにしても、「ドア(メートル単位).rft」を使用したほうが、
「開口部断面」は使えますので、こちらで作成したほうがよさそうですね。

建築設計で、計画設計か基本設計か実施設計かで、ファミリを使い分けますか?
計画段階では、簡単な表示で良いのですが、後に、いちいちファミリを入れ替えますか?
いちいち入れ替えしなくても済めば、それにこしたことはありません。
例えば、ドアファミリをプロジェクトに挿入した場合に、簡略表示であろうが標準表示であろうが、詳細表示であろうが、オペレーションするのは、1回です。
ようするに、ファミリが簡略表示や詳細表示になれば良いわけですから、極力そのようなファミリにしたいですね。施工分野においても、そのまま使えるファミリを作るのは大変でしょうが、加筆程度で施工図として使えるレベルのファミリであれば、言うことありません。

今回は、ファミリテンプレートの基本的なことについて検証してみました。
Revitを使い始めたころは、今回紹介したドアファミリテンプレートの違いに気付かず、前記1項のみで作成していました。方法がわからず、内部額縁の下に壁の開口が見えてしまい、ずいぶん悩んだことがありました。
まだまだ、奥は深く、いろいろなテクニックがありますので、随時、紹介していきたいと思います。

鋼製開きドアファミリの作成

Revit ファミリ追加!

さて、今回は鋼製開きドアシリーズのご紹介です。
また、ここではご紹介致しませんが、木製片引き戸シリーズもアップしております。
Webサイトは下記から!

http://shop.planning-people.com/



前回ご紹介したファミリも同様に、下記の事項に留意して作成しております。

A-1~などのタイプは、枠をベースに、建具扉、取手形状、沓摺形状、いくつかのネストしたファミリで組み立てられています。最終(上位)のファミリは、仕上げマテリアル、建具扉、取手形状、沓摺形状などの、そのタイプのパラメータで選択変更することにより修正することができます。つまり、ネストしたファミリを修正する必要がないということです。
下位のファミリのパラメータは、上位のファミリで修正されます。
これは、ユーザーがカスタマイズする場合に威力を発揮します。
見方を変えれば、形状の違う下位のネストするファミリを作成すれば、上位のファミリで、選択し入れ込むことができ、マテリアルなどのパラメータを上位のファミリで修正することが可能となることです。
ユーザーは、色々な形状のネストしたいファミリを作成し、上位のファミリで選択しパラメータを修正すればいいだけです。
但し、枠の各部のパラメータの修正は可能ですが、枠形状の3つの基本パターンは変更できませんので、それ以外の枠パターンを作成する必要があります。
また、ネストするファミリの作成に当たっては、現在設定してあるパラメータを使う必要があります。(ネストファミリをコピーし作成します。)

私は、これまで色々なファミリを作成してきて、あまりにも多くなりすぎて、どれを使っていいかさえも、わからなくなってきたという、経験から、ベースとなるきちっとした基本的なファミリを作成し、中身は簡単に入れ替えることができるファミリを作ろうと考えました。そうすれば、整理も簡単になります。
似たようなファミリは良くあるものです。その度に一からファミリを作成するのは、あまりにも効率が悪く、データの蓄積にも繋がりません。そうした一貫したファミリの作成が必要ではないかと思っております。

カスタマイズについては、追々ご紹介していきたいと思っております。


1、鋼製開きドアファミリの構成

 下記は、鋼製開きドアのファミリ構成表です。

 ・A-1~6、B-7、8までの、標準の扉形式で分類
 ・枠形状が1型、2型、3型
 ・取手形状が、13種類
 ・沓摺形状が、4種類で分類され、沓摺無しを設定
 ・ガラリは、鋼製がらり設定
 ・オプションタイプとして、B-2-7、B-2-7-2、B-3-7、B-5-8、B-6-8、のファミリが設定されています。
 ・各部の寸法は、パラメータにより変更ができますので、自由に設定しタイプを作成することができます。

ファミリは、扉タイプをベースとして、枠形状3タイプとガラリ、沓摺形状の組合せで構成しております。

そのファミリタイプとして、取手形状、沓摺形状をそれぞれのタイプの中で選択し組合せできるように設定されております。
こうすることで基本パターンから、ユーザーは多くの組合せタイプを作成することができます。

※木製開きドアファミリの構成より、省いたタイプは、B-1、B-2、B-3、B-4、B-5、B-6、のタイプです。
B-2-7、B-2-7-2、B-3-7、B-5-8、B-6-8のタイプで、作成できる形状なので省きました。







2、枠形状、沓摺、ガラリ










3、取手形状

4、A-1~A-6の基本オペレーション

ガラス、ガラリそれぞれの端明きを変更するとそれぞれの両端の端明きが等しくなり、自動的にそれぞれのWが決定されるファミリです
扉幅が変更されたときに形状が自動的に決まりますので、スピーディなオペレーションが可能です。
各部の寸法やマテリアルは、パラメータにより変更可能で、好きなように設定することができます。
タイプの編集で、タイプを複製し、パラメータ値(数値)を変更します。また、取手、沓摺はそれぞれのタイプ欄で選択し変更するだけなので、いたって簡単にカスタマイズすることが可能です。
将来、扉パネルや取手等を増やしたい場合などに供え、ネストされたファミリをカスタマイズすることにより、自社独自のファミリを構築することが可能です。

平面図の表示設定は、詳細と標準と簡略の3通りです。

断面図の表示設定は、詳細と標準と簡略の3通りです。


5、B-7、B-8、B-2-7、B-2-7-2、B-3-7、B-5-8、B-6-8の基本オペレーション


ガラス・ガラリそれぞれの端明き、W、H(パラメータ)を変更する方法で、自由に形状を決めることができるファミリです

扉幅、高さの範囲で寸法を決める必要があります。
また、各部の寸法やマテリアルは、パラメータにより変更可能で、好きなように設定することができます。
タイプの編集で、タイプを複製し、パラメータ値(数値)を変更します。また、取手、沓摺はそれぞれのタイプ欄で選択し変更するだけなので、いたって簡単にカスタマイズすることが可能です。
将来、扉パネルや取手等を増やしたい場合などに供え、ネストされたファミリをカスタマイズすることにより、自社独自のファミリを構築することが可能です。

平面図の表示設定は、詳細と標準と簡略の3通りです。
断面図の表示設定は、詳細と標準と簡略の3通りです。


6、ファミリ製品の構成


※ご注意:Revit ver.2015以上対応


 それぞれのファミリ製品には下記のファイルが含まれます。

 (枠形状の3タイプで1組セットです)
  1、鋼製片開きドア-1型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  2、鋼製片開きドア-2型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  3、鋼製片開きドア-3型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)

  4、鋼製親子開きドア-1型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  5、鋼製親子開きドア-2型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  6、鋼製親子開きドア-3型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)

  7、鋼製両開きドア-1型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  8、鋼製両開きドア-2型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)
  9、鋼製両開きドア-3型・・・.rfa(20タイプ事前設定済み)

  10、扉・取手・沓摺・注釈記号のそれぞれのファミリ
  11、鋼製(形状)開きドア-2型・・・.rvt(参考プロジェクト)
   ・建具番号入力用集計表(各パラメータ・室名~室名表示)
   ・建具番号・タイプ・サイズ別集計表(各パラメータ・室名~室名表示)
   ・建具表タグファミリ(標準タイプ)
   ・建具符号タグファミリ
   ・REXJ/建具表機能に準拠し、識別情報を自動作成


7、参照プロジェクト

製品をロードしたら参照プロジェクトファイルが用意されています。
添付ファイルのRevitプロジェクトファイルを開きます。

システムファイルは【挿入-ファミリをロード】ではロードできませんので、この参照プロジェクトから、必要なシステムファミリをコピーします。
手順は下記の通りです。

 1、参照プロジェクトのプロジェクトブラウザで目的のシステムファミリや集計表を選択し、右クリックし/
   クリップボードにコピーします。
 2、作成するプロジェクトで、修正/貼り付け/クリップボードから貼り付け/・・・で貼り付けし、
   プロジェクトで使えるようになります。


8、集計表へ建具配置の部屋名表示

 集計表では、建具ファミリが配置された部屋名が反映されます。基準は、扉の開き側とその反対側で集計されます。計画時には、建具表を作成しなくても集計表で管理できますので大変便利な機能です。

9、REXJ/建具表への準拠

 ファミリに設定された製品情報のパラメータ(識別情報)が、建具表タグで自動集計されます。
ファミリの識別情報を修正すると、建具表へ反映されます。
但し、REXJ/建具表の機能は、取付場所(部屋名)、建具の数量の自動表示はサポートされません。

10、ファミリタイプの編集とパラメータの設定

10-1、マテリアルと寸法のパラメータ設定

各ファミリのパラメータはグレー表示されているヶ所以外は変更可能です。但し、数値の制限はかけていませんので、適正な数値を入力する必要があります。(単位違いなどによる数値によりエラーとなりますが、キャンセルで戻ります)
これにより、独自のファミリタイプを作成し簡単にカスタマイズすることが可能です。
マテリアルは、この製品では基本的なマテリアルのみサポートされています。カスタマイズする場合は、Revitのマテリアルを使用することをお勧めします。
よくある現象として、マテリアルはタイルで繰り返されるため、継ぎ目が表示されることがあります。自身で写した写真やクロスメーカーからダウンロードしたデータはこのような現象になりえます。PhotoShopなどで編集したマテリアルを作成する必要があります。

10-2、識別情報のパラメータの設定

・扉タイプは変更不可です。カスタマイズする場合のみ、ネストするファミリを作成した上で、ファミリを挿入し、タイプを入れ替えることができます。その場合、パラメータの関連付け等、理解した上でおこなってください。

・取手タイプ、沓摺タイプは変更可能です。新規にファミリを作成し、ネストしてタイプを切り替えることもできます。

※いずれも、添付にあるネストしたファミリをフォーマットとして、名前を変えて保存し、新規のファミリを作成します。

まずは、基本オペレーションが先決です。カスタマイズに関しては、追々、理解していくことにしましょう。
実際の設計プロジェクトでは、枠形状、取手形状、沓摺形状のタイプが限られると思われます。
設計に当たって、予めそれぞれの形状タイプを決定し、プロジェクトに挿入するようにしましょう。
プロジェクトに挿入後、不要なタイプを削除し、整理してから、タイプで独自にカスタマイズし、タイプを作成、整えます。計画時は建具表作成はおこなわないと思われますので、サイズや仕様を整理、作成し平面に配置し計画します。

ドアファミリ 2017.01.23
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