1-14ユーザーインターフェイス
1. インターフェースの環境
下記はRevitのインターフェースの画面です。
インターフェースについては、各部の呼び名を、覚えるのではなく、どのような機能がどこにあるかを把握することが大切です。実務を行う上で、コマンド名がこうだから、こう使うという感覚ではなく、ここをクリックすると、こう動くというような感覚です。
私は、未だにインターフェースの名称は、あいまいで覚えていません。しかしながら、その関連性は、感覚で覚えています。
実際のオペレーヨンでは、建築設計を行う際には、想像しながら、いわば、モデリングしていくわけですから、コマンド名など、あまり気にせず行ったほうが、スムーズです。かえって邪魔かもしれません。
私の脳は、常に、3D状態です。常に、モデルを3Dで想像していると言っていいでしょう。
このように、BIMを使いこなすには、「3Dの脳」に慣れることだと思っております。
これまでの解説で、「システムの構成概要」で解説してきましたが、
Revitの機能は、相互に関連性が関わっていますので、全体を網羅しなければなりません。
それに関連した、機能のオペレーションを重点に解説いたします
2.「作図/参照面」
ビューでモデルする際の、下書き線のようなものです。参照面を基準にして(オフセットも可能)正確な距離を、モデルします。後に解説するファミリ作成にも、使用されます。ファミリ作成では、「参照線」という機能もありますが、これについては、ファミリ作成の解説時に、詳しくおこないます。
3.「ビューコントロールバー」
「コマンド/表示」にある機能を「ビューコントロールバー」にアイコン化されています。
①下記の図の通り、スケール表示部分をクリックして、ビューのスケールを設定します。前解説でも触れましたが、面図などのビューは複数作成することができますので、そのビューごとに、スケールを設定することができます。
②「ビュー詳細レベル」
Revitでは、ビューの詳細レベル/簡略、標準、詳細と、3つの表示レベルを設定することができます。
例えば、そのビューごとの、スケールを設定することで、配置図、平面図、平面詳細図等のビューを、コントロールすることができます。
③「グラフィックス表示オプション」
5つの表示オプションが用意されています。モデリングの際は、主に「陰線処理」、「シェーディング」を使用します。「リアスティック」は動作が重くなりますので、作業には不適切です。
④太陽の設定
3Dビューで、建物の影を表示する際に、太陽の位置設定を行うことができます。
「管理/プロジェクトの位置」で設定された情報に基づき、日時の太陽の高度、影の長さが表示されます。
⑤影オン/オフ
上記設定された、太陽の影のON/OFFをコントロールする部分です。
⑥「ビューをトリミング」「ビュー領域を表示/非表示」「ビューに非表示/選択表示を適用」は、「プロパティ/範囲」で設定されるビューをコントロールする機能です。
図のように、ビューでモデルを選択して、「ビューに非表示/選択表示を適用」をクリックすると、選択肢が選べますので、適宜選択すると、その条件で画面が表示されます。
必要な情報のみを表示させる場合に使用します。
図は、「非表示要素の一時表示」をクリックした状態です。先ほど、選択表示で選択し、非表示した場合には、一時的に非表示された状態が表示されます。選択した状態で、右クリックすると、下図のように、表示されますので例えば、「ビュー非表示を解除」をクリックすると、元のビューに戻ります。
特に、モデリングの際には、複雑な画面では、作成がしづらい場合がありますので、その際に使用します。
「ビューコントロールバー」の部分にある機能は、各ビューのプロパティの各カテゴリ項目にあるものです。
※Revitのオペレーションについて、よく使用する機能を解説します。
Windows環境のソフトであるため、操作環境は、Windowsに準拠していることが基本です。
・コマンドを選択して、右クリックすると、ダイアログボックスが表示されます。
・何かを選択し、「ctrl+C」を押下選択し、「ctrl+V」ではりつけることができます。
(モデルや文字もそうです。)
・ビューで、モデルにマウスを近づけた状態で、「tab」を押しながら選択することで、選択肢が巡回し、選択できるようになります。
その他にも、シュートカット機能は、たくさんありますので、使用したい方は、覚えるとよいでしょう。しかしながら、私の考え方ですが、(年齢的なものもありますけど!)設計を行うわけですから、あまりバタバタとオペレーションするのは、抵抗がありますね。それよりも、きちっとしたRevitの成り立ちを理解し、システム的に作成するほうが良さそうです。
4. 各「プロパティ」詳細
各ビューの「プロパティ」を解説します。
① 平面図の「プロパティ」内容
- タイプ編集:システムファミリですが、複製して別名のタイプを作成することができます。私の場合、ここでは、あまりコントロールしていません。後にでてくる、「ビューテンプレート」でのコントロールの方が、便利が良いと思います。
- 平面図のタイトル:ここには、現在選択しているビューの名前が表示されています。現在のビューが表示されています。
各項目には、平面図に関係する項目が表示されます。前記解説で出てきた、「ビューのコントロール」の表示部分もこれに当たります。また、「表示グラフィックスの上書き」もここに表示されています。「編集」クリックで表示されます。その他、これまで解説してきた機能の他に、「向き」「専門分野」「陰線を表示」「カラースキム」関係等が表示されます。
※詳しくは、後におこなう実施設計にて、追々、触れていきたいと思います。 - 下敷参照図:「範囲:下部レベル」の選択等があります。
ビューを見下げで見るか、見上で見るか、その見る範囲のレベルを何にするかという設定をおこないます。
後の講習実務にて、試してみることにします。 - 範囲:「ビューをトリミング」「トリミング領域を表示」「注釈トリミング」「ビュー範囲」「関連したレベル」「スコープボックス」「奥行き/下方クリップ」等の設定を行います。
※トリミングとは、ビュー領域を、ある矩形領域を指定して、表現するものです。
「プロパティ/範囲/ビューをトリミングとトリミング領域を表示」をチェックすると領域が表示し選択すると青で表示されます。「リボン/モード/トリミングを編集」を選択すると、領域がピンク色に変わりますので、移動して範囲を指定します。これにより、その範囲が表示されるようになります。
範囲の編集は、「描画」機能で編集可能です。段型等で作図できます。
範囲を狭めて編集した後、「範囲/注釈トリミング」にチェックを入れた状態です。青の点線で注釈の表示範囲が示されます。この範囲にある注釈(寸法、文字等の注釈)が表示されます。
上の図では、上部の文字がその範囲に入っていれば、表示されています。
尚、引き出し線も注釈の一種ですから、文字に引き出し線がついている場合など、引き出し線を含む範囲が入っていないと表示されません。慣れないうちは、文字が消えてわからなくなることは、よくあります。書いているのに表示されないときは、これだと当たりを付けて、注釈範囲を編集すると良いでしょう。
下図は、「ビューの範囲/編集」画面です。「ビュー範囲の詳細」クリックしてみます。範囲の説明が表示されますので、色々試してみて慣れてください。
※ビュー範囲は、図面を表現する際に、重要な機能です。
- 「スコープボックス」:「表示/作成/スコープボックス」を選択し、矩形領域のビューを、名前を付けて作成し、「プロパティ/範囲/スコープボックス」で、付けた名前を選択し割り当てると、その範囲が表示範囲となります。
「スコープボックス」の主な利用例として、各階の平面図の表示などに役立ちます。同じ領域を表示させるときなどに利用できます。複数の階がある場合等、いちいち階ごとに表示設定をおこなうと図面の範囲の表記にバラつきが生じます。これを使うと同じ表示状態を保つことができます。ボックスは、立断面、3Dビューにも表示させることができますので、高さの範囲を調整することができます。 - 「奥行/下方クリップ」:
平面図や下記の例の立面図の表示をクリップで表現する機能です。平面図の場合、通常は「クリップなし」でかまいません。先ほど解説したビューの範囲で事足りている為です。
- 識別情報:「ビューテンプレート」以下、このような項目があります。「ビューテンプレート」は、ビューをコントロールする際に、頻繁に使用する重要な機能です。
「識別情報/ビューテンプレート」をクリックすると、「ビューテンプレートを割り当て」が表示されます。「専門分野フィルタ」「ビュータイプフィルタ」「名前」と、「名前」対応した、各パラメータと値等が表示されます。
これは、前記した、ビューに関する機能が集約されて表示されています。
ビューのコントロールを、一つの「名前」として保存して、それを選択指定して、一括で設定する機能です。
例として、平面図のビューテンプレートを作成していたが、表示の設定を変更したい場合には、「名前」ごとに変更すれば、割り当ててある「ビューテンプレート」に従って、全てが設定により変更されます。
一つのビューごとを修正すると、まちまちになり、整合性が保てなくなります。ここで一括修正する便利な機能です。
「ビューテンプレート」は、頻繁に使用しなければなりませんので、必修項目の一つです。
※コマンドの「表示/ビューテンプレート」には、「現在のビューにプレートプロパティを適用」「現在のビューからテンプレートを作成」「ビューテンプレートを作成」とあります。
先ほど、説明した「識別情報/ビューテンプレート」と同じです。素早くおこなうには、「識別情報/ビューテンプレート」のオペレーションのほうが、ビューに関する情報が一括で判断できますので、ひじょうに便利です。
その他にも、「表示」に関する機能は、リボンに各アイコンありますので、クリックすると判断できると思います。このような場合に、ヘルプで調べるようにします。(F1)
- フェーズ:「フェーズフィルタ」「フェーズ」前解説で解説した項目です。